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2011年1月28日 (金)

国語科デジタル教科書の研修はどうあるべきか 3

【深める研修】

 国語科は、テキスト(text)の読解と生成の過程において、学習者の思考力を高めていく教科であると言えよう。

 国語科デジタル教科書の特性として、テキストを構成する情報がデジタルであるが故に、それらを容易に分割できる点が挙げられる。したがって、授業者がテキストの一部を取り出して焦点化し、学習者に思考させることができる。本文中のグラフのみを提示して、そこから読み取れることを言語化していくといった学習活動である。学習者は、それぞれのテキストだけを読むことになり、テキストの関係性に注目することができるようになる。

 教師側の学習者としての経験が必要になってくるので、以下のような活動を含むワークショップが効果的である。

 ⑴ 参加者が教材そのものを分析する
 ⑵ 参加者が学習者としての思考を経験する
 ⑶ 参加者が授業者としての「授業方略」を理解する

 たとえば、平成23年度版教科書に「ものの見方を広げよう〜『鳥獣戯画』を読む〜」(光村図書出版6年)という単元がある。「『鳥獣戯画』を見る」のではなく「読む」という題である。これはまさに「絵画」という非言語テキストから読み取ったことを基に話したり聞いたりする学習となる。しかし、はじめから、絵画を批評した本文を読んでしまうと、その作者の見方でしか絵画を読めないことになってしまう。そこで、絵画のみを拡大投影して次のような活動を仕組む。

 ⑴ 絵画作品を見た第一印象を話し合う。
 ⑵ なぜ、そのように感じたのかを絵画の中から根拠を見つけていく。
 ⑶ その意見の中から「絵画を読む観点」を整理していく。
 ⑷ 教科書本文を読んで、作者の「絵画を読む観点」を見つける。
 ⑸ 別の絵画作品について、自分の「絵画を読む観点」で文章に表して交流する。

 この活動によって、学習者同士が思考し解釈を交わすことになり相互作用が生じることになる。授業者が「絵画を読む観点」をあらかじめ指導するのではなく、学習者同士の対話の中から、それを表出させていくような活動にしていくわけである。
「深める研修」においては、参加者が学習者としての体験を通して、思考力を高めるための「授業方略」を学ぶことが重要な目的となる。

 デジタル教科書に限らず、教室へのICT導入が進めば進むほど、授業の質が問われるようになる。導入されても効果が上がらなければ意味がない。国語科教育研究で蓄積された方法論をデジタル教科書活用研修の中に取り入れていくことが、今後の課題になっていくはずである。

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