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2011年2月10日 (木)

校務用コンピュータと教育用コンピュータ 3

 ネットでの議論の中には次のような発言もある。

 「企業や行政では、個人用のコンピュータを持ち込まないのは常識になっている。
  そもそも教師は情報セキュリティに関する社会一般の常識に欠けている。
  だから、学校にも教師の個人用コンピュータを持ちませるべきではない。」

 この意見は、教師の仕事が理解できていない。

 教師にとっては教育活動が最大の仕事である。教師は、目の前にいる児童・生徒に「分かりやすくて楽しい授業ができるようになりたい」と考えている。しかし、そのような授業は簡単には実現しない。何度も教科書を読み直したり、子どもの思考を想定したりしないと、授業の準備はできない。授業の準備にはかなりの時間がかかる。
 そのために、すぐれた教師ほど、お金やプライベートな時間を授業のために費やす。身銭を出して本を買い、教室の道具を揃えたりする。たとえ、休日であっても、遠方まで出かけて研究会に参加する。日本の教師が授業研究にかける情熱は世界に誇れるものだ。
 一方、日本の学校の現実を考えた場合、勤務時間内で授業研究を行うのは不可能である。6校時が終了して子どもたちを帰すのが午後4時すぎになるだろう。それから打ち合わせや会議等もある。教室設営や、それこそ文書作成などの「校務」がある。部活動を担当していれば、休憩する間もなく指導に行かなくてはならない。子どもを育てている教師は、保育園に行ったり、夕食の準備のための買い物に行ったりすることも必要だ。多くの心ある教師は、授業の準備を自宅で行っているのが現状なのである。
 だから、すぐれた教師の自宅は、まさに書籍と教材・教具、教育関係の資料でいっぱいになる。大村はま氏の自宅の仕事場はまるで教材研究所であった。自宅の書斎でじっくりと教材と格闘し、自分のアイデアを練り上げなければ良い授業はできないのである。
 だから、教材へのアイデアが豊富な教師ほど、「やりたいこと」も増えてくる。「音楽の時間に、曲のスピードをもっとゆっくり聞かせることができれば、子どもたちも練習しやすいだろう。」「図工の時間に、この画家の絵を見せたい。最初は白黒で見せて、後からカラーで見せたら、きっと面白いだろう。」「社会の歴史の時間に、この動画を見せると、きっと分かりやすくなるだろう。」といった授業のアイデアは次々と浮かんでくる。
 コンピュータは、そうした授業のアイデアを実現する強力な道具となりうる。ワープロ表計算マシンではないのである。(続く)

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