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2011年2月11日 (金)

校務用コンピュータと教育用コンピュータ 4

 次のような意見もあるだろう。

「教師が家庭で作成した教材データだけを、学校にもってくればよい。
 わざわざ、教師の個人用コンピュータを持ってくる必要性はない。」

 この意見は、ハードウェアの性能やソフトウェアの特性を無視している。

 当然のことだが、コンピュータの性能は機種によって異なる。
 ワープロや表計算では事足りる機種であっても、動画の編集や再生は難しいという場合もありえる。自分で編集した動画教材を学校のコンピュータで再生しようとしたらできなかったという話はよく聞く。CPUの能力やグラフィックメモリーが不十分だからだ。
 また、一言で動画の再生と言っても、動画ファイルは多種多様である。Windows標準のWMVとMacintosh標準のQuicktimeでは形式が異なる。そのプレイヤーソフトであるWindows Medeia PlayerとQuicktime playerでは「見え方」も異なる。Quicktime Playerでは複数の動画を一度に立ち上げて同時に再生させたりコントローラを動かしながら動画の中の一コマ一コマを提示させたりすることが可能だが、Window Media Playerでは難しい。

 さらに考えておかなければならない点は、学校で購入した「校務用コンピュータ」は、少なくとも数年(通常は5〜6年)は使い続けなければならないということだ。公費で購入する以上、簡単には買い換えはできない。ワープロ表計算程度に必要なスペックを現在満たしていたとしても、数年後のテクノロジーの進化にはついていけない可能性も大きい。
 たとえば、現在のビデオカメラ標準の動画記録フォーマットであるAVCHDは、2006年に基本仕様が策定されている。3、4年前の低いスペックのコンピュータでは、それを編集することはできない。
 携帯電話の概念を根本的に覆したiPhoneの発売は2007年。電子書籍端末普及のきっかけとなったiPadは2010年。コンピュータは掌に乗せ無線でネットにつなぎながら利用されるようになってきている。教育の分野でも、このようなテクノロジーを授業で活かす試みが始まっている。情報端末としてのコンピュータは今後もさらに進化し続けるはずだ。

 学校で教師が使えるコンピュータが「公費で購入した校務用コンピュータ」のみに限定されてしまうと、数年後のテクノロジーの進化に授業が対応できなくなってしまう危険性が大きい。(続く)

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ICTを活用した授業」カテゴリの記事

コメント

やっぱり、先生の見解は面白いです。
先を見通して、それを、きちんと言葉にして。
 
未来の教室を創造するとき、
 
もっと先生の話を聞きたいです。 

edelさん、いつもありがとうございます。元気が出てきます。
授業って、決められた学習内容を決められた方法で子どもたちに伝えるものではないと思うのです。教師と子どもで一緒に創造していくものだと思うのです。
コンピュータは、そのための創造的な道具であってほしいと願っています。
私にとってのコンピュータは、ワープロ計算マシンではなくて、楽器や画材に近いのです。

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