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国語教育

2011年11月30日 (水)

国語科学習におけるICTの活用その6

 ワークショップの企画というのは、本当に大変だ。授業と同じで、参加者の思考を予想しなくてはならないからだ。
 一体、どんな活動になるのかと思って、どきどき、はらはらしてしまう。しかし、反面楽しみでもある。

 参加者は、いきなりiPadでスライドを作成するのではなく、まずは付箋紙を使いながらアイデアを練り合った。
Mact1119a
 これは昨年度から行ってきたプレゼン術の活用場面だ。紙に書き出すと全体像が俯瞰できる。つまり全体のストーリーが分かるのである。これは2分のプレゼンであっても90分の講義であっても同じだ。

 面白かったのは、やはり漢字の意味を調べるところだ。iPadを使って「大辞林」で調べる人もいた。もちろん、インターネットも使える。
Mact1119b

 普段は意識せずに使っている漢字の意味をあらためて考えることになる。さすがに国語の単元だと思う。

 

Mact1119c
 活動としては、上の写真のようにアナログとデジタルが入り混じった作業になってくる。アイデアを付箋紙で書き出しながら、iPadで情報の収集をしていく活動になる。あらためて、iPadの情報収集マシンとしての威力を感じる。また、同時に表現マシンとしても使えるところがすごい。

 感心したのは、下の写真のように、「子どもたちが使っている言葉で気になるもの」を書き出しているグループだ。
Mact1119d

 「現状」の問題点を具体的な言葉で示すことで、聴衆に身近な問題として考えさせることができるからである。まさに、「記憶に焼き付くアイデアの6原則」の「意外性」と「具体性」を備えた情報だ。

 この後、参加者全員が2分間のプレゼンテーションを行うことになる。あらためて、この会に参加している人のレベルの高さを感じる。このプレゼンから様々なことを学ぶことができた。(つづく)

 ちなみに、このワークショップを参加者の視点で書いたブログもあるので、ぜひごらんいただきたい。

2011年11月27日 (日)

国語科学習におけるICTの活用その5

 まずは,サンプルを示すことにした。
 自分でやってみないと,どこでどう悩むかが分からないからである。
 用意したスライドは4枚。
1,現状
 マクロミルという調査会社が新成人になる青少年に調査した結果です。
 「自分の将来に不安を感じる」と回答した人は全体の何割いたでしょう。
(会場から,「6割」「7割」という答えが聞こえてくる。)
Sample01
 実は,約9割の人が不安を感じているのです。
 長期にわたる不況や年金の問題など,日本に閉塞感があるから無理のない結果とも言えます。
2,理想
 では,「自分の世代で日本を変えたい」と回答した人は何割いると思いますか。
(会場から,「2割」「3割」という答えが聞こえてくる。)
 実は,約7割の人が「自分の世代で日本を変えたい」と考えているのです。

 多くの若者が日本を変えようとしているのです。
Sample02
 (写真はCreative Commonsのsethoscope)

3,提案
 そこで私が提案したい漢字は「破」という漢字です。
「破」は「ルールを破る」「常識を破る」「記録を破る」「相手を破る」といった使われ方をします。
 それをこう考えてみてはどうでしょうか。
「従来のルールを破る」
「今までの常識を破る」
「過去の記録を破る」
「立ち塞がる相手を破る」
Sample03
 つまり,以前からあって目の前に立ち塞がっているものを突破するという意味です。
4,まとめ
 サッカー選手がゴールキーパーを突破してシュートするように,日本に立ち塞がる閉塞感を突破してほしいと願っています。
Sample04
(写真はCreative CommonsのDaniel Zanini H.)

(つづく)

2011年11月26日 (土)

国語科学習におけるICTの活用その4

 多くのプレゼンテーションを見て感じることは、主張が弱いということだ。
 自分が調べたことをそのまま発表していたり、自分の感想をそのまま述べているようなものが多い。
 だから、何を主張したいのかが伝わってこないし印象にも残らない。
 おそろしいのは、パワーポイントで発表すればそれでよし、と思い込んでいる人が少なくないことだ。

 チップ・ハースとダン・ハースは著書「アイデアのちから」(日経BP社)の中で記憶に焼き付くアイデアの原則として以下の六つをあげている。

 原則1:単純明快である。
 原則2:意外性がある。
 原則3:具体的である。
 原則4:信頼性がある。
 原則5:感情に訴える。
 原則6:物語性がある。

 今回の情報教育研究会の参加者には、まずこの6原則を理解してもらった。
 そして、プレゼンテーションの構成を考えるためには「物語性」(ストーリー)を作ることが最も重要であることも伝えた。
 永田豊志氏は「プレゼンがうまい人の『図解思考』の技術」(中経出版)の中でプレゼンの三要素として「現実」「理想」「提案」を挙げている。つまり、「現実」に対する「理想」を提示し、その解決策としての「提案」を行うということだ。
 そこで、参加者にはまずこの三要素を付箋紙で考えてもらうことにした。(今回のプレゼンの画面では「現実」ではなく「現状」という言葉を使っている。)
111119mac005

 そして、それを4枚のスライドにならべなおす。その際に必要になる言葉や写真などのイメージもいっしょにメモしておくと役立つ。
111119mac006
 もちろん、順番は様々でよい。
 「現状」「理想」「提案」「まとめ」でもよいし
 「理想」「現状」「提案」「まとめ」でもよい。
 あるいは「提案」「現状」「理想」「まとめ」でもよいだろう。
 それは主張する内容によっても異なる。(つづく)

2011年11月23日 (水)

国語科学習におけるICTの活用その3

 平成24年度版の中学2年国語科の教科書単元を見てみよう。
 以下のようにプレゼンテーションの単元が登場してきている。
 「印象に残る説明をしよう」(光村図書2年)
 「効果的な資料を使って話すには」(教育出版2年)
 「説得力のある提案をしよう」(東京書籍2年)
 「プレゼンテーションをしよう」(三省堂)
 単元名の「印象に残る」「効果的な資料」「説得力」といった言葉に注目したい。プレゼンテーションソフトの操作技能の習得ではなく、自分の考えを的確に相手に伝える力が求められているのである。

 しかし、国語科の授業の中で、「効果的に資料を使いながら印象的で説得力のあるプレゼンテーション」を行えるような指導をすることが可能なのだろうか。
 ということを考えたので、11月19日(土)の熊大情報研のワークショップでは、iPadを使ったプレゼンテーションを行うことにした。
 「印象に残る説明をしよう」をモチーフとして、3人1チームが2分間のプレゼンテーションを行う。プレゼンテーションのテーマは「社会への願いを漢字一字で表そう」である。まさに学習指導要領に沿った課題だと言えよう。
Mact1119_2
 中学2年生の単元とはいえ、参加者全員がこの課題に悩み苦しむことになる。
 なぜならば、この学習を進めるためには以下のことを考えなくてはならないからだ。
(1)現在の社会において何が問題になっているのか
(2)その問題に対して、自分はどう考えるのか
(3)そのために、自分は何(漢字一字)を提案するのか
(4)その漢字は、そもそもどんな意味があるのか
(5)どのような構成で話を展開すればいいのか
(6)どんな資料(数値やグラフ、図、写真等)を使うべきか
(7)どのような語り方が効果的であるのか
(8)相手の提案に対して、自分はどう考えるのか
 これは大変な作業である。(つづく)

2011年11月17日 (木)

国語科学習におけるICTの活用その2

 中学校の学習指導要領解説国語科編から、各学年の目標と内容についても触れておこう。第2学年の「A話すこと・聞くこと」からである。
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( 1) 目的や場面に応じ,
社会生活にかかわることなどについて立場や考えの違いを踏まえて話す能力,考えを比べながら聞く能力,相手の立場を尊重して話し合う能力を身に付けさせるとともに,話したり聞いたりして考えを広げようとする態度を育てる。
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 前段は,話す能力,聞く能力及び話し合う能力,後段は,話すこと・聞くこと全体にわたる態度を示している。
 「目的や場面に応じ」ることは,第1学年と同じである。
 「社会生活にかかわることなどについて」とは,第1学年での「日常生活にかかわることなどについて」から視野を広げ,
地域社会の中で見聞きしたことや,テレビや新聞などの様々なメディアを通じて伝えられることなどから,社会生活の中の出来事や事象に関心をもち,それらを話題として取り上げていくことを示している。

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 さらに(2)の指導事項についても抜粋する。

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(2) 内容
① 指導事項
( 1) 話すこと・聞くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
ア社会生活の中から話題を決め,話したり話し合ったりするための
材料を多様な方法で集め整理すること。
イ異なる立場や考えを想定して自分の考えをまとめ,話の中心的な部分と付加的な部分などに注意し,
論理的な構成や展開を考えて話すこと。
ウ目的や状況に応じて,
資料や機器などを効果的に活用して話すこと。
エ話の
論理的な構成や展開などに注意して聞き,自分の考えと比較すること。
オ相手の立場や考えを尊重し,目的に沿って話し合い,互いの発言を検討して
自分の考えを広げること。
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ア話題設定や取材に関する指導事項
 第1学年の「ア日常生活の中から話題を決め,話したり話し合ったりするための材料を人との交流を通して集め整理すること。」を受けて,話題や取材の範囲を「社会生活」へと広げて示している。
 社会生活における問題を話題として取り上げるためには,話の材料を日常生活からだけでなく広く社会生活から収集する必要がある。そのためには,
本,新聞・雑誌,テレビ,コンピュータや情報通信ネットワークなどの様々な情報手段を活用することが一層不可欠となる。このような多様な取材方法を身に付けることにより,話題の範囲が日常生活から社会生活へと拡大していく。
 なお,取材に関しては「B書くこと」においても指導する。また,情報の活用については「C読むこと」においても指導する。それぞれの指導との関連を図ることが大切である。

イ・ウ話すことに関する指導事項
 第1学年の「イ全体と部分,事実と意見との関係に注意して話を構成し,相手の反応を踏まえながら話すこと。」,「ウ話す速度や音量,言葉の調子や間の取り方,相手に分かりやすい語句の選択,相手や場に応じた言葉遣いなどについての知識を生かして話すこと。」を受けて,
効果的に話すことについて示している。
 イは,論理的な構成や展開を考えて話すことについて示している。
「異なる立場や考えを想定して」とは,聞き手にも様々な立場や意見があることを踏まえ,聞き手の反論や意見を具体的に予想することである。反論や意見を予想して自分の考えをまとめ,「話の中心的な部分と付加的な部分」との関係に注意し,
論理的で分かりやすい話の構成や展開を工夫することが,聞き手に対する説得力を高めることにつながる。
 ウは,資料や機器などを効果的に活用して話すことについて示している。
 「資料や機器などを効果的に活用」するのは,話の要点を明らかにし聞き手に分かりやすくするためである。目的や状況,相手に応じて,
様々な資料や機器を活用しながら説明することにより,話し手の意図が的確に伝わって聞き手の理解をより深めることになる。その際,グラフや表,写真や図などを取り入れた分かりやすい資料作りの工夫が大切である。

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 ァからゥまでをまとめると次のような内容になる。

1、社会生活についてかかわることについて話し合うこと
2、情報手段を活用して多様な取材方法を身に付けること
3、分かりやすい語句を選択し相手や場に応じて効果的に話すこと
4、論理的で分かりやすい話の構成や展開を工夫すること
5、様々な資料(グラフ、表、写真、図など)や機器を活用して話すこと

 では、教科書ではどのような単元になるのだろう。(つづく)

2011年11月16日 (水)

国語科学習におけるICTの活用その1

 色々と書くべきことはあるけれど、国語科学習におけるICTの活用について少し触れておきたい。まずは、中学校の学習指導要領国語科解説編から抜粋しておきたい。
 中学校の国語科においても情報収集や情報発信の手段としてコンピュータや情報通信ネットワークを活用する機会を設けることが求められている。

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 国語科の学習指導においては,目標を実現するために学習に関係する資料を調べる際などに,学習・情報センター,読書センターとしての機能を備えた学校図書館などを計画的に利用し,その機能の活用を図るようにすることが大切である。
「A話すこと・聞くこと」においては,例えば,説明や発表などを行うためには,資料を準備することが欠かせないし,また,広く話題を求めるためには多くの資料に目を通す必要がある。「B書くこと」においては,例えば,報告をまとめる場合には,関係する資料などから必要な材料を求めることが必要となる。「C読むこと」においても,例えば,教科書に掲げる教材に関連して学習を深化し拡充する場合には,自発的,自主的に資料を探すことも必要となる。したがって,様々な資料を有する学校図書館などの施設を計画的に利用するよう指導することが大切である。
 生徒は,学校図書館などを活用して学習することを通して,資料の集め方,調べ方,まとめ方,報告や発表の仕方などの学び方や考え方を身に付けるとともに,自らの力で論理的に考え判断する力,自分の思いや考えを的確に表現する力,今まで気付かなかったことや分からなかったことについて新たに関係があることなどを発見し解決する力などを身に付けることができる。
 また,情報収集や情報発信の手段としてコンピュータや情報通信ネットワークを活用する機会を設けること,インターネットや電子辞書等の活用,コンピュータによる発表資料の作成とプロジェクターによる提示等も考えられる。今回の改訂では,次の指導事項や言語活動において,情報機器の活用を具体的に示している。
 第2学年「A話すこと・聞くこと」(1 )
 ウ目的や状況に応じて,資料や機器などを効果的に活用して話すこと。
 第2学年「C読むこと」(2)
 ウ新聞やインターネット,学校図書館等の施設などを活用して得た情報を比較すること。
 これら以外でも,「A話すこと・聞くこと」における話題設定や取材に関する指導,「B書くこと」における課題設定や取材に関する指導,「C読むこと」における読書と情報活用に関する指導などでは,情報機器の活用が考えられる。

             (中学校学習指導要領 国語科 解説編)

2011年4月 5日 (火)

情報活用能力をどう評価するか 1

 情報活用能力という言葉が学校現場でも普通に使われるようになった。
 テレビや新聞における授業のイメージとして、子どもたちがコンピュータを使っている映像などが使われるので、コンピュータの操作能力と思われがちだが、そうではない。
 情報活用能力とは以下の三つである。

 A 情報活用の実践力
 B 情報の科学的な理解
 C 情報社会に参画する態度

 では、この能力をどのように評価するか。これは大きな課題である。
 評価ができなくては指導もできない。

 向後千春氏は、以下のガニエの五つの学習成果の分類枠を利用して、情報活用能力を具体的に再定義している。

1、運動技能
2、言語情報
3、知的技能
4、認知的方略
5、態度

赤堀侃司編著『高度情報社会の中の学校』
(『学校変革実践シリーズ』第3巻、ぎょうせい、1997.11)

(つづく)

2011年4月 4日 (月)

熊大情報研 第1回は4月23日

 熊本大学教育学部情報教育研究会のプログラムが決まりました。
 今年度のテーマは「情報教育と言語活動」です。

 日時:4月23日(土)   午前9時〜正午 / 午後1時〜午後3時
 場所:熊本大学教育学部附属小学校(予定)

 午前の部:教師のICTスキル向上

 ミニ講座 「役立つiPhone/iPadの使い方」山口修一副会長(託麻北小学校教諭)
 ミニ講座 「デジタルカメラ・撮影の基本」塚本光夫会長(熊本大学教育学部教授)
 ワークショップ 「デジタルカメラで撮影する」

 備考:パソコンとデジタルカメラをおもちください。

 午後の部:教師の教科指導力向上

 佐藤俊幸先生による連続授業講座「対話型の学習をつくる」
 講師:佐藤俊幸先生(登立小学校教頭)

 第1回「教材との出会いを工夫する」
 〜なぜ、子どもは課題意識を持てないのか、どうすれば課題意識が持てるのか〜

 午前の部だけ参加、午後の部だけの参加も可能です。参加費は無料です。
 特に午後の部は、連続講座になっております。佐藤俊幸先生の国語科学習の極意を連続で聞くチャンスです。ふるってご参加ください。
 以下の予定をお知らせします。

シリーズ 対話型の学習をつくる

①      教材との出会いを工夫する(4月23日)
 〜なぜ、子どもは課題意識を持てないのか、どうすれば課題意識が持てるのか〜

②「話型・聴型」の功罪(5月14日)
 〜話型や聴型は必要なのか?型に頼らない指導とは?〜

③  対話の段階性と指導のポイント(6月18日)
 〜対話はどのようなに高まっていくのか、そのための教師のかかわりとは?〜

④ 文字表現と映像表現の共通点と相違点(7月2日)
 〜写真や動画を使った表現をどう指導していくのか〜

2011年2月22日 (火)

言語活動とは何か 3

言語力育成協力者会議では、「知的活動に関すること」として以下の3点を挙げている。
*************************************
知的活動に関すること

(1) 事実を正確に理解し、的確に分かりやすく伝える技能を伸ばす。
(2) 自らの考えを深めることで、解釈や説明、評価や論述をする力を伸ばす。
(3) 考えを伝え合うことで、自らの考えや集団の考えを発展させる力を伸ばす。

「言語力の育成方策について(報告書案)【修正案・反映版】」より
*************************************

 「言語力の充実」とは、単純に「話す」「聞く」「書く」「読み」の活動そのものを増やすことではない。子どもたちに、考える場を与えながら力を伸ばすことを意味する。
 そう考えると、「言語力の充実が図れたかどうか」を評価するためには、「話す・聞く・書く・読む、の活動が増えたかどうか」ということではなく、「考える場があったのか」「力が伸びたのか」ということを指標にするべきである。(つづく)

2011年1月29日 (土)

国語とメディアを追究する冬季セミナー

 

国語と情報教育研究プロジェクトの冬のセミナーに参加した。

 朝から夕方まで「デジタル教科書」一色の内容であり、充実していた。

 国語科デジタル教科書は、さらに進化している。教科書横スクロールができたり、マーカーが文字の後ろに塗られるようになって文字が見やすくなったりしている。

 こうしたデジタル教科書には、教科書以外の動画コンテンツが含まれていて、楽しく学習ができるようになっている。そのような工夫は十分みとめつつも、私が最も注目していることは、以下のことだ。

 デジタル教科書は、テキストの分割・編集・強調が自由にできる。

 たとえば、「『鳥獣戯画』を読む」の教材から「鳥獣戯画」だけを取り出して見せたり、「ありの行列」の説明文の文章を自由に並べさせたり、といったことが、スクリーン上で簡単にできることだ。
 だから、子どもたちはスクリーンという思考を共有できる場において、自分の考えを述べることができる。「鳥獣戯画を見て、兎が楽しそうだと思いました。なぜならば、この兎の目が笑っているように見えるからです。」といった「根拠となる部分」を視覚に訴えて主張することができる。そのような意見のやりとりの中で、他の子どもたちは「なるほど、そういう見方もできるんだ」「私は、そうは思わなくて、こう思う」といった考え方ができるようになる。これが「相互作用」であり、子どもたちが意見を交わす中で思考は深まっていく。

 本文を拡大提示できれば、たしかに分かりやすくはなるが、それだけでは授業にならない。いかに子どもたちを考えざるを得ない状況にもっていくかが重要だ。

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