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教育観・研究観

2014年6月15日 (日)

熊本大学教育学部情報教育研究会7月例会スペシャル

教育研究会のお知らせ

熊本大学教育学部情報教育研究会

会長 塚本光夫(熊本大学教育学部教授)

これからの教育を考える

定員40名

 教育界には、そのときの「流行」といったものがあります。今は「タブレット端末」や「学び合い」といったところでしょう。その一方で、「それらは道具や方法にしかすぎない。目的こそが大事だ」といった批判もあります。

 では、その「目的」とは何でしょう。これからの教育には何が必要なのでしょうか。授業は、新しい時代に応じて変わらなくてもいいのでしょうか。

 今回の講座では、二人の特別講師をお招きして「これからの教育」について考えていきます。授業をされる先生方ばかりではなく、教員研修担当や管理職の先生方にとっても役立つ内容になります。定員になり次第、受付を締め切りますので、お早めにお申し込みください。

Mact140727_2

日付:2014年7月27日(日)
場所:熊本大学くすの木会館(附属小ではありません。)
時間:午前9時30分〜午後5時  
主催: 熊本大学教育学部情報教育研究会

    D-project(デジタル表現研究会)九州 
会費:1000円        
昼食:各自ご準備ください。近くにコンビニがあります。
参加申込み:メールで山口修一副会長まで。

定員に達したら締め切ります。

午前の部

「よい『学び』をつくる」

〜学びの個別化・協同化・プロジェクト化〜

特別講師 苫野一徳 先生

苫野一徳(とまの いっとく)

熊本大学教育学部講師。博士(教育学)哲学・教育学。多様で異質な人たちが、どうすれば互いに了解し承認しあうことができるか、探究している。NHK「ニッポンのジレンマ」の「教育」の回に出演し、「よい」教育とは何かを論じるなど、若手の教育哲学者として注目されている。

主な著書:『教育の力』(講談社現代新書)『どのような教育が「よい」教育か』(講談社選書メチエ)『勉強するのは何のため?―僕らの「答え」のつくり方』(日本評論社)、共著書に、『知識ゼロからの哲学入門』(幻冬舎)、『図解哲学がわかる本』(学研パブリッシング)など。

午後の部

「協同学習の技法と教師教育」

〜協同学習ワークショップ+教育方法と省察指導〜

特別講師 上條晴夫 先生

上條晴夫(かみじょう はるお)

東北福祉大学教授。「教師教育ネットワーク」代表。小学校教諭、児童ノンフィクション作家を経て、ポピュラー・ライターとなる。専門は教育方法学・教師教育学。活動歴は、「授業づくりネットワーク」編集長、日本テレビ・ニュースアドバイザリー委員、台湾・文藻外語学院での日本語教育指導法講座講師、沖縄サミットのプレイベント「アイランド・クエスト」実行委員、全国教室ディベート連盟の教育・普及委員長、産業能率大学産能マネージメントスクール文章講座講師、ベネッセコーポレーション作文教材の開発・監修などがある。

主な著書:『見たこと作文でふしぎ発見』(学事出版)、『実践・子どもウォッチング』(民衆社)、『さんま大先生に学ぶ 子どもは笑わせるに限る』(フジテレビ出版)、『ワークショップ型授業で国語が変わる』(図書文化)、『叱る技術』(学陽書房)、『実践・教師のためのパフォーマンス術』(金子書房)など多数。

「Mac-T140727.pdf」をダウンロード

2013年9月14日 (土)

授業を見たら

 若い先生方にずっと言ってきた言葉がある。

 「授業を見るときは,指導方法を学ぶのではなく,その先生の授業観を学んでほしい。」
 
 教師は,つい指導方法に目が行きがちになるからである。なんとか「うまい方法」を自分のものにしたいという気持ちは理解できる。しかし,そうなると,自分の担当する教科外の授業では「学ぶことはない」ということになってしまう。中学校教師は特に気を付けるべきだ。
 授業観を学ぼうと考えると,授業の根底に流れる「授業者の考え方」が見えてくる。授業名人とよばれる多くの実践家は,この授業観が錬磨されている。
 授業者はどんな子どもに育ってほしいと考えているのか。どんな教材を面白いと考えているのか。授業を見た後に,そんなことを色々と考えるみるのが面白い。
 
 今朝,本を読んでいたら,次の文章が目に飛び込んだ。
************************************
 「授業を見たら,その裏にある授業者のどんな授業観,教育観,その哲学があるのかを探らなければならないと思う。それが『授業を見る眼』なのである。」
                 坪田耕三著「和顔愛語」(東洋観出版社)
************************************
 同じ意見だったので驚くと同時にうれしく感じた。

2013年7月 9日 (火)

実践研究入門 16

【研究の構想】
 島根県浜田教育センターの研究ウォーミングアップブックは、非常にすぐれたサイトだ。
 すべてダウンロードして読むことをおすすめする。
 特にウォーミングアップ9の研究の構想シートは、研究の計画を立てる際に役立つ。

  教育研究の多くが単なる実践報告になってしまうのは、この「研究の構想」ができていないからではないだろうか。
 だから、発表者は「自分の興味関心で実践した方法」をそのまま述べるだけになってしまう。
 その報告を聞いている方も、「すぐに使える方法」に興味関心があるものだから、その方法だけを知って満足してしまう。
 問題は、その方法が本当に効果があるのかということであり、実際の「問題の解決」につながっているかということだ。

2013年7月 1日 (月)

実践研究入門 15

【研究構想】

 研究をはじめるにあたっては、構想を練る必要がある。
 必要な項目は以下のようになるだろう。

 1、研究テーマ
 2、問題の所在
 3、研究の目的
 4、研究の仮説
   (1)基本仮説 (2)作業仮説
 5、研究の手順
 6、検証の方法

 1の研究テーマは後から書いてもよい。
 重要なことは、何が問題なのかということと、研究の目的を明確にしておくことである。
 たとえば、「効果的な鑑賞指導の方法が一般化されていない」という問題に対して、「効果的な鑑賞指導の方法を提案する」という研究の目的が明確であれば、やるべきことが見えてくる。

2013年6月27日 (木)

実践研究入門 14

【仮説を検証するための証拠】

 学校の研究では、この「証拠」を示すのが難しい。
 よく見られるものとして、学習者の意識調査を1学期と2学期で比較したグラフがある。
 たとえば、「みんなで話し合う学習は好きですか。」といった問いに対して、「『大好き』『好き』と答えた児童が6月は46%だったのに対して、11月では53%になっていた。」といったものだ。研究の仮説を検証するための証拠になっていれば問題はないが、そうでない場合は、説得力に欠けるものになる。

 伊丹敬之氏は「三つの証拠」として次のものを示している。

 ○データという証拠
 ○厚い記述という証拠
 ○論理という証拠

      伊丹敬之著「創造的論文の書き方」(有斐閣)

2013年6月26日 (水)

実践研究入門 13

【現実を説明するための論理】

 学校の研究で足りないものの一つに「現実を説明するための論理」がある。
 論理を作るための方法としては、現実が起きたその原因を深く考えることだ。
 伊丹敬之氏は次のように述べる。

 「深く」とは、別な言葉で言えば、「なぜを三回、問うてみる」と言えるだろう。
       伊丹敬之著「創造的論文の書き方」(有斐閣)

 たとえば、次のような現実があったとしよう。

 国語の新聞制作の時間に子どもたちはデジタルカメラを使用して意欲的に活動した。

 (これをそのまま記述してある論文も多い。)

 まず、「なぜ、デジタルカメラを使用して意欲的に活動したのか」と自分に問いかけて、答えを考える。

 (1) 写真があると、子どもたちは文章をスムーズに書けるから。

 次に、「なぜ、写真があると子どもたちはスムーズに書けるのか」と自分に問いかけて、答えを考える。

 (2) 撮影した段階で子どもたちは、書く内容を考えていたから。

 さらに、「なぜ、子どもたちは書く内容を考えていたのか」と問いかけて、答えを考える。

 (3) 撮影するという行為によって、子どもたちは現実に意味付けをしているから。

 このように、「なぜ」を3回繰り返すと現実の説明らしいものが見えてくる。

2013年6月24日 (月)

実践研究入門 12

【基本仮説と作業仮説】
 一般的な学校の研究において「研究の仮説」として設定しているものを、あらためて見つめ直してみよう。

 西田雄行氏は次のように述べる。

 基本仮説は疑問や研究問題から抽出されてくる仮説のことである。作業仮説は基本仮説から推論によって出てくる仮説のことである。したがって、この作業仮説を設定することによって、次の段階である検証計画が立つのである。もし、作業仮説を検証する技術や道具がないとすれば、作業仮説はもちろんのこと、基本仮説も検証できず、この研究問題に対し、イエスもノーも答えられないのである。
        西田雄行著「学校現場における実証的な教育研究の進め方と論文の書き方」(東洋館出版)

 たとえば、学習者のPISA型読解力が低いという問題について仮説を考えてみる。
【観察】 学習者のPISA型読解力が低い。
【リサーチクエスチョン】 学習者のPISA型読解力を高めるにはどうしたらよいか。
【基本仮説】 協同的な学習を効果的に取り入れることで、様々な考える視点が身につきPISA型読解力を高めることができるだろう。
【作業仮説】 PISA型読解力の向上を授業前の授業後のグラフの読み取り調査で検証する。
 以下の取組を授業に取り入れることによって、授業後のグラフの読み取り能力が高まるだろう。
 (1)学習者が協同しなくては解決できないような課題の設定
 (2)学習者が協同して活動できるような場の設定

2013年6月19日 (水)

実践研究入門 11

【作業仮説】

 「作業仮説」とは,抽象的な仮説を立証するための具体的な仮説を言う。
 したがって,検証できることが前提となる。

 学校の研究においても,「作業仮説」レベルのものが必要となるのだろう。

2013年6月18日 (火)

実践研究入門 10

【仮説・証拠・論理】

 学校の研究で足りないのは,以下の2点ではないだろうか。

(1)仮説を検証するための証拠
(2)現実を説明するための論理

 この2点がないと,「こんなこともやりました。」「あんなこともやりました。」「○○タイムもやりました。」「すっごくがんばりました。」という「がんばった実践報告」になってしまう。 
 結果として,その研究の仮説が正しかったのかどうかがよく分からない。また,なぜ正しいのかも分からない。

 しかし,この2点を加えるとなると,かなり努力を要することになる。

2013年6月14日 (金)

実践研究入門 9

【研究の仮説】

 多くの学校の校内研究では「研究の仮説」が存在する。
 その多くは仮説らしくはないのだが,必要ないかといえばそうでもない。
 それがないと,校内研で何をやりたいのかが分かりにくいからだ。
 そう考えてみると,前回に示した「研究の仮説」は,校内研の「研究の方針」または「研究の戦略」と捉えてみてはどうだろう。

 たとえば以下のように修正してみる。

 ○子どもたちが生き生きと学習できるようにするために,子どもたちの学習意欲を高める教材や発問の工夫を行おう。

 ○子どもの思考力・判断力・表現力を高めるために,子どもたちの思いを生かす指導の工夫を行おう。

 こう書き換えた方が,よほどすっきりする。
 そして,その「工夫」の具体例を示していく。「研究の戦術」とも言えるだろう。
 たとえば,「インタラクティブなデジタル教材」「本文の解釈を促す発問」といったものである。

 そうすることによって,校内研の方針が明確になり,個々の教師が知恵を出し合いながら取り組むべき事柄も焦点化される。

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