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ICT授業

2010年12月10日 (金)

国語科デジタル教科書 1

 国語科のデジタル教科書には様々なメリットがある。本文を大きく提示して書き込めたり、新出漢字の筆順を示す動画が入っていたり、戦時中の爆撃機の音が入っていたり、従来の掛け図とは大きく異なる部分が多い。
 そのようなメリットの中でも、私が面白いと感じている部分は、教材文と教材文、教材文と図表・挿絵・写真などを切り離して提示できることである。
 たとえば、5年生の国語の単元に「物語を作ろう」というものがある。写真を見ながら自由に物語を作るのであるが、いきなり複数の写真を見せて個別に物語を考えさせることは困難である。
 そこで一枚だけ写真を選んで拡大提示して、子どもたちに「どんな写真なのか考えてごらん」と問う。最初の子どもは「兄弟が旅に向かっているところです。」と答える。私は「どうして、そう思ったの?」と問うと、「着ている服がおそろいだからです。」とその子は答える。そこで、今度は別の子どもに「その兄弟は今から何をするの?」と問う。すると、「おじいちゃんおばあちゃんが住んでいる田舎に向かうところです。」という答えが返ってきた。私は、すかさず「どうして?」と問い直すと、その子は「向こうに新幹線が見えるので、新幹線に乗って遠くの場所へ行くと思ったからです。」と答えた。
 このような流れで、一枚の写真を使って次々に物語を作っていく活動は面白い。様々な発想が生まれやすいからである。
 従来の掛け図であれば、複数の中の一枚をその場で拡大して提示することは難しかった。デジタル教科書ならでは使い方だ。

 そこで、ちょっと考えてみる。写真を言葉にしていく活動は、どうして盛り上がるのだろうか。(つづく)

2010年11月 2日 (火)

電子黒板と授業 3

 同じ教材でも、まず「何だろう型」で提示し、学習者の興味・関心を高めて、それから言葉で説明するという「なるほど型」提示にすると、学習者の納得度を高めることができる。
 たとえば、まずピカソの「ゲルニカ」を提示して、「何が見えますか?」「どんな音が聞こえてきそうですか?」と問いかけて学習者に考えさせた後に、「ゲルニカ」の意味を伝えるのである。
Gerunika

 しかし、これは授業者が提示する教材の意味を熟知しておくことが条件となる。また、教材の条件として、情報の一つ一つの意味を読み取ることで、全体の持つ意味をつなげていくことができるという「文脈」をもつものでなければならない。
 これは、授業の根幹に関わる部分である。国語科でも社会科でも同様だ。教材が一見何だか分からないようなものほど、授業では面白い教材となりうる。

 面白いデジタル教材が一見どんな使い方をするのか分からないものが多いのはそのためである。逆に分かりすぎるデジタル教材は、授業としては面白くない。だから、ある教師にとっては非常に使いやすいデジタル教材であっても、それが他の教師にすぐに使えるようになるかといえば必ずしもそうではないのである。(つづく)

2010年10月25日 (月)

電子黒板と情報 1

 電子黒板を使った授業を何度か見た。
 このような機器が導入された場合、教師が最初に行うのは実物の投影だろう。子どもたちが使うワークシートやノートを投影できれば、作業をする場所が的確に示すことができる。また、家庭科の裁縫や図工科の筆使いといった細かな作業を示す場合にも効果的である。まさに日常的な使い方としては必要であろう。
 また、教科書や資料集の拡大投影も便利である。M社が出している国語科デジタル教科書は教科書本文をそのまま拡大投影できるので、本文中から根拠を指し示したりする場面では極めて有効に働く。また、挿絵だけを拡大投影したり、新出漢字を筆順の動画入りで示したりできるのもありがたい。
 私自身も、パワーポイントで新出漢字の読み方だけを一学期分を一度に指導したことがある。フラッシュカード式で次々と示すことで、子どもたちは集中して音読して覚えることができた。このような反復繰り返しをする学習にも使える。
Denshikokuban_2

 ただ、活用場面を見れば見るほど、黒板の横に置いてあるこの新しい機器が、もっと可能性を秘めているようにも思えてきた。
 黒板ではできない活用がもっとありそうだ。(つづく)

2010年8月 7日 (土)

なぜ、教室に電子黒板を導入するのか? その4

 電子黒板を、このカテゴリーで分類すると、もっとも右上に配置されるであろう。
 マルチメディア性も高ければ双方向性も高い。
 タッチしたその画面が反応するし、映像も音も自由に出力できる。

 では、マルチメディア性は低いが、双方向性は高いものとは何だろう。
 あえて言うならば、「人間」を入れたい。もちろん「人間はメディアと言えるか?」という疑問は残るが、メディアを「情報伝えるための媒介」と定義すれば否定はしにくいだろう。
 児童・生徒の言葉に反応し、様々なことを「実演」できる「優れたメディア」と考えれば、その働きは大きい。

Kyoushitsumedia5

 ここで問題になるのは、この分類で「右上」にいけばいくほど「良い教室メディア」と言えるのかどうかということだ。
 必ずしもそうではないことは容易に分かるはずである。

 状況によっては紙を提示するだけの方がよいこともあれば、ホワイトボードの方がよいこともある。
 教師は無意識に教室メディアを使い分けているのである。(つづく)

2010年8月 6日 (金)

なぜ、教室に電子黒板を導入するのか? その3

 テレビ放送やビデオよりも、マルチメディア性が高く、双方向性も高いのが、コンピュータと接続されたプロジェクターやデジタルテレビであろう。
 使用者の働きかけによって、どうにでも変化する。これはコンピュータの特性である。
 課題は、操作する場所がコンピュータであり、実際に映し出される場所とは異なる点である。教師はコンピュータの画面を見て、児童・生徒はデジタルテレビやスクリーンを見ているという場面はよくある。

 一方、マルチメディア性は低いが、双方向性が高いのが、従来の黒板やホワイトボードである。黒板は書いたり消したりもできるし、紙を貼って動かしたりすることも可能だ。現在の教師がもっとも使い慣れた教授の道具と言えよう。(つづく)

Kyoushitsumedia2

2010年8月 1日 (日)

なぜ、教室に電子黒板を導入するのか? その2

 教師は、教室にある様々なメディアを駆使する。
 それは、黒板であったり模造紙であったり、あるいはテレビ放送であったりする。授業の目的に応じて無意識に使い分けているはずである。

 そこで、このようなメディアを「教室メディア」とよぶことにして、その機能で分類してみよう。
 縦軸の基準として「マルチメディア性」を挙げてみる。軸の上部はその性質は高くなり、映像や音声といったマルチメディアを出力できるものとなる。
 一方、横軸の規準として「双方向性」を挙げてみる。英語ではインタラクティビティ。何らかの働きかけに応じて、画面や音声が変化するような機能である。ボタンに反応してゲームのキャラクターが動くといったものだ。軸の右側はその性質が高くなる。

 このような図を考えてみると、左上にくるのがテレビ放送やビデオがそれにあたるだろう。マルチメディア性は高いが双方向性は低い。情報が一方向に流れてしまう。また、左下にくるのは、紙や板になる。マルチメディア性も双方向性も低い。(つづく)

Kyoushitsumedia1

2010年7月30日 (金)

なぜ、教室に電子黒板を導入するのか? その1

 「ICTを活用すれば学力が向上するか」という議論はあまり意味がないような気がする。
 なぜならば、ICTは「道具」というよりは「環境」に近いからである。

 教師は、授業の環境に応じて授業設計を行う。現代の教師は、黒板とチョーク、児童・生徒用の机椅子があるという環境を想定して授業設計を行っているはずだ。江戸時代とは全く異なった環境である。

 だから、電子黒板や実物投影機があるという「環境」があれば、それを想定した授業設計を行うようになる。なければないという「環境」で授業設計を行う。
 環境が異なれば、設計される授業も異なってくるのである。

 授業がうまい教師は、どのような環境でもベストな授業設計を行うはずだ。たとえ、黒板や机椅子がないという環境であっても、そこで考えられる限りの授業を考えることができる。
 学力が向上するかどうかは、「環境」に応じたベストな授業を設計できる教師の力量にかかっているのである。

 では、なぜ電子黒板を教室に導入する必要があるのだろう。(つづく)

2010年5月 1日 (土)

写真と学習 その4

 写真とは何か。

 ここに一枚の水飲み場の写真がある。
 だれが何のために撮影したのかを考えてみると面白い。
Suidou1

 これは、小学校6年生が、国語の学習「みんなで生きる町」の中で、ユニバーサルデザインの一つとして撮影したものである。
 二つの段違いの蛇口によって、大人も子どもも車椅子の人も無理なく水を飲めるようなデザインだと考えたわけである。

Suidou2_2  
そう考えてみると、写真には撮影者によって何らかの意味づけがなされていると考えてよい。
 つまり、写真とは

 撮影者の意味づけによる現実の切り取り

という定義付けをすることが可能だろう。

 だから、学習においては、子どもたちが実際にカメラで撮影をするということそのものに大きな意味がある。撮影者は写真の情報には含まれない周囲の状況を理解しているからである。だから、この蛇口がどのような空間にどのような高さで設置されているのかを述べることができる。撮影された写真の文脈を説明できるのである。

 一方、インターネットや図書の中から探してきた「ユニバーサルデザインの例」をそのままコピーアンドペーストしても、写真に含まれない状況は分からない。なぜ、それがユニバーサルデザインであるのかという説明を自らの言葉で語ることは難しいだろう。

 同じ写真であっても、子どもたちが実際にその場にいって自ら意味づけを行いシャッターを切るという行為がその後の学習の展開に大きな影響を及ぼすのである。(つづく)

2010年4月30日 (金)

マッキントッシュを活用した授業講座5月8日

 熊本大学教育学部情報教育研究会の5月例会のお知らせです。
 毎月行っており、4月例会は40名近くの参加がありました。
 熊本の先生はもちろん、福岡、大分、鹿児島の先生や企業の方も参加していただいています。
 どなたでも参加できます。無料です。
 申し込み等詳細は以下の通りです。

Mact100508_2
熊本大学教育学部情報教育研究会+D-project

マッキントッシュを活用した授業講座

今回のテーマ
【「映像」と「ことば」を授業で活用する】

日付:2010年5月8日(土)
場所:熊本大学教育学部附属小学校
        3階コンピュータ室
時間:午前9時~午前11時50分
主催:熊本大学教育学部情報教育研究会
        D-project(デジタル表現研究会)
オプション研究会:午後1時~午後2時
準備物: コンピュータ、デジタルカメラ、
              USBメモリなど
*マッキントッシュをお持ちでない方のためには、こちらで準備しておりますので御連絡下さい。

 学校現場では新聞、リーフレット・ガイドブックなど、写真と文章を組み合わせて作品を作る単元が増えてきました。しかし、それらをどう組み合わせるとよいのか、授業での課題も多いはずです。今回のテーマは、「映像」と「ことば」。KeynoteやPowerPointなどのプレゼンテーションソフトを使って、映像にことばを組み合わせて作品を作ります。「ことば」をブラッシュアップする極意を学びます。

内容:
・山口修一のDVD作成連続ミニ講座
・情報交換会
・メディア創造ワークショップ
 ~Photo Poemをつくる~

 なお、午後からはオプション研究会として、電子黒板等の情報機器に関する実践研
究を行います。

 参加申込み:直接またはメールで山口修一まで

yamashu2jp@yahoo.co.jp

2010年4月11日 (日)

電子黒板 その1

 電子黒板の教育現場への普及が進んでいる。
 役立ちそうなサイトをメモしておこう。

1、電子黒板普及促進に資する調査研究授業サイト

 電子黒板の普及・推進を行うことを目的として「電子黒板活用モデル」を策定・提案しているものである。電子黒板活用ガイドブックや分かりやすくまとめられており、現場でも役立つ内容になっている。

2、電子黒板活用コミュニティサイト「スタボひろば」
 HitachiSoftが提供しているサイト。電子黒板を現場で効果的に活用するためのデジタル教材などのコンテンや活用事例を提供しているコミュニティサイト。
 ちなみにHItachiSoftは、「うちの学校にSarBoardがやってきた!」というドラマを公開している。

第1話 「新しい黒板」 

第2話 「集中力アップ」

第3話 「黒板と電子黒板」 

第4話 「主役は生徒」

3、JEIBA分室
 日本電子情報ボード普及協議会のブログ形式の分室。

4、パイオニア授業ポータル
 電子黒板を使った授業やICT授業で役立つ情報を集めたサイト。

5、愛知県半田市教育委員会ICTサポートページ
 面白いのは、「ICT機器を活用した授業風景」。写真とポイントだけをサイトにアップしてあるので、見れば活用方法が理解できる。

6、Eスクエア・アドバンス:e-黒板とe-教科書で授業が変わる!
 財団法人コンピュータ教育開発センターが紹介しているサイト。平成16年度のe-黒板研究会報告CD-ROMの内容をWeb公開している。



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