2009年11月 7日 (土)

公開授業(11月29日)〜アップとルーズで伝える〜5

 本時の授業をイメージしてみる。
 今回の授業のポイントは、本文に書かれている内容を実際の作業によって確かめるということだ。しかも、「新聞記事の写真」という映像を使って行う。

 本時でとりあげる段落は以下である。
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 写真にも、アップととったものとルーズでとったものがあります。新聞を見ると、伝えたい内容に合わせて、どちらかの写真が使われていることが分かります。紙面の広さによっては、それらを組み合わせることもあります。取材のときには、いろいろな角度やきょりから、多くの写真をとっています。そして、その中から目的にいちばん合うものを選んで使うようにしています。
(中谷日出「アップとルーズで伝える」光村図書出版4年下)
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 本時では、次の大きな課題を投げかける。

「『新聞を見ると、伝えたい内容に合わせて、どちらかの写真が使われていることが分かります』の部分をみんなでたしかめてみましょう。そして、どんなことが分かるのか、考えてみましょう。」

発問1
「今まで集めてきた新聞スクラップをグループの中で見比べて、アップの写真とルーズの写真が、それぞれどんな記事のときに使われているのか書き出しなさい。」と指示を出す。

 ただし、この指示だけだと分からない子どももいるだろうから、いくつかの例を示しながら全体で考えてみる場が必要だろう。たとえば、火事で全焼した家屋の写真(ルーズ)を見せたり、スポーツ選手の一瞬の動きを捉えた写真(アップ)を見せたりする必要がある。

 また、グループで話し合いやすくするために、アップの記事は青色の付箋紙に、ルーズの記事は黄色の付箋紙に書き出すようにするとよいだろう。たとえば、青色の付箋色には「スポーツ」「草花」といったことが記入されていくだろう。黄色の付箋紙には「建物」「自然の風景」といったことが記入されていくだろう。

 1日分の新聞からいきなり取り出すということになると大変だが、新聞スクラップであれば、すでに選ばれたものなので子どもにも理解されやすい。それほど時間はかからないはずだ。

 グループでの活動が終わったら、それぞれ証拠となる記事を実物投影機で映し出しながら、発表する時間をもうける。

 おそらく、ここまでで15分から20分程度であろう。

 通常の授業であれば、ここまででも目的のレベルまでは達している。今回は、もっと踏み込んで考えさせてみたい。

 たとえば、「同じ出来事」なのに、一方の記事ではアップの写真が使われており、別の記事ではルーズの写真が使われているような事例である。
 これだと、「伝えたい内容」「目的に応じた」という部分が、さらにクローズアップされることになる。つまり、「送り手が伝えたいこと」が鮮明になってくると思うのである。

 そんなに都合のよい記事があるものかと探していたら・・・・あった。(つづく)

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2009年11月 6日 (金)

公開授業(11月29日)〜アップとルーズで伝える〜4

Kyounoshinbun  新聞を読む作業というのは、けっこう難しい。
 特に4年生では、1日分の新聞の中で内容が理解できる記事は、せいぜい二つか三つ程度であろう。

 そこで、二学期になって始めた「今日の新聞コーナー」はけっこう効果的だ。
 これは、朝の会の時間に、グループで「新聞中から面白そうだと思って切り抜いたた記事」を一人一つずつ発表していくというものだ。

 子どもたちは、前の日に朝刊と夕刊の中から興味がわいたものを切り抜き、専用の用紙にはりつけてコメントを記入しておく。
 専用の用紙には、1見出し、2事実(書かれていること)、3意見・感想(選んだ理由や、記事を読んで考えたこと)を書くようになっている。
「shinbunworksheet.pdf」をダウンロード

 一人30秒程度の発表なので、3分もあればよい。ただし、簡単に教師の側から補足・説明を行う。

 たとえば、子どもたちは、9月の段階で、総選挙で自民党が敗れて民主党が政治をする権利を勝ち取ったことを知っている。
 11月、「高速無料化反対 フェリー各社」という見出しの記事を取り上げた子どもがいた。写真にはフェリー会社の役員たちが抗議の会見をしているものだ。

 私は次のような補足を述べた。

 「みんなは、選挙で民主党が勝って鳩山さんが総理大臣になったのは知っているよね。その鳩山さんたちは高速道路を無料にしましょう、って言っているんです。たしかに、無料になるとうれしいけど、そうなるとみんなが自動車で遠くに行くようになるので、フェリーを使わなくなっちゃうだね。だから、フェリー会社の人達は反対しているんだ。無料にすればみんなが助かるかというとそうではないんだね。」

 このような説明を子どもたちは熱心に聞いている。記事の意味が分かるからだ。

 考えてみれば、この記事の内容も政権交代が行われたという以前の新聞記事の内容を知っているから理解できるものだ。
 新聞記事の紹介といった単純なものでも、続けていけば知識がつながる。

 こうやって集めたスクラップは、「4年生でも理解できる新聞記事」として集まっていくことになる。毎日の三つ程度の蓄積であるが、これをずっと続けていくと、けっこう膨大な量になるはずだ。このスクラップは使える。(つづく)

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2009年11月 5日 (木)

公開授業(11月29日)〜アップとルーズで伝える〜3

高木範貢先生から以下のコメントをいただきました。

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これは一般見学はさせていただけるものなのでしょうか?
よろしければ近いうちに情報を下さればうれしいです。
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Nie091129  もちろん、一般見学はできます。「公開」なので。(^_^;)
 興味がある方は、おいで下さい。
 子どもたちも来ますので、実際の授業になります。
 教科は国語ですが、文章の読み取りではなく、映像の読み取りを行う授業になる予定です。
 どのような授業になるのか。私も試行錯誤しているところです。当日は、子どもたちと一緒に授業を作りたいと思っています。

 場所と日程は以下のようになります。詳細は、添付されているPDFファイル(NIE_091129)をごらん下さい。

日時 11月29日(日)13時〜16時30分
場所 熊本日日新聞社 本社ホール(熊本市世安町172)

13時 開会
13時10分 特別発表
休憩
14時15分 公開授業、実践発表、討議
16時30分 閉会


 参加申込は、PDFファイルのファックス参加申込書でNIE推進協議会事務局にFAX(096-363-1268)で送信下さい。

 また、メールの場合は、氏名、所属、担当学年教科等 の三つを書いて、同事務局までお願いします。

「NIE_091129.pdf」をダウンロード

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2009年11月 3日 (火)

4年「一つの花」その10:2009

 せっかく、「解釈」型の学習を行っても、市販のワークテストでは、次のような「解読型」の設問が多いので、評価しにくい。

 ○お父さんは、プラットホームのはしの方で、ゆみ子をだいて、どんなことをしていましたか。文章中から二つ書き出しましょう。
 ○ゆみ子が「一つだけちょうだい。」とほしがっているものは何ですか。
 ○お父さんが「一つだけあげよう。」と言って、ゆみ子にあげたものは何ですか。
 ○お父さんから花をもらて、ゆみ子はどうしましたか。文章中から書き出しましょう。

 これだと、ほとんどの子どもが満点を取ることができるからだ。(実際そうだった。)「解読」のレベルで終わってしまっており、読解のテストにはならない。

 そこで、まとめのワークシート(前々回のブログ参照)には、あえて二つの設問を入れた。教科書はもちろんだが、ノートや自己評価カードも見てよいことにした。

一、お父さんが「一つの花」を手渡して、ゆみ子に伝えたかったことは何でしょう?

二、作者の今西祐行さんが、作品を通して、みんなに伝えたかったことは何でしょう?

 一の方は、授業中の学習内容を覚えていれば、何らかの意見が書けるはずだ。
 二の方は、授業で取り扱っていないので、子どもたちは自分なりの意見を書けばよいことになる。

 一の設問は、予想に反して授業の文脈とは関係のない記述をしている子どもが多かった。また、二の方は、さすがに無答はいなかったが、十分とは言えない結果だった。

 自分の授業方法を反省してみたい。
 「自分の学習活動」への振り返りは、自己評価カードで行ってきたが、「学習内容」の振り返りが十分ではなかったのだろう。一見、活発に話し合っているように見えて、「対話」が成立していない子どももいたのである。あるいは、学習内容がしっかりと心に残っていなかったのかもしれない。
 この問題を解決するためには、毎時間の「学習内容のまとめ」をノートに記録させていく必要があるのだろう。
 たとえば、次のような文章をノートに書かせていくわけである。

 「今日は、お父さんがゆみ子にわたした一つの花に意味を考えた。私は、○○だと思う。なぜならば、○ページに○○という文章があるからだ。・・・。」

 最初は、教師が板書して、子どもたちがそれを写す。その後、教師が口頭で話して、子どもはそれを聞きながらノートにまとめる。最終的には、子どもたちが自分の力で学習のまとめを行っていくわけである。読解力をつけるためには、このような学習活動も必要なのだと思う。
 この方法は、金沢の浜上薫先生から教えていただいたものだ。

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2009年11月 2日 (月)

マッキントッシュを活用した授業講座11月7日

Pages09を活用したワードプロセッサ+ページレイアウト

Mact091107 主催:熊本大学教育学部情報教育研究会 + D-project
日時:11月 7日(土)
   9時-11時50分
場所:附属小学校3F
   コンピュータ室
参加費:無料

■ Pages09の活用
 マッキントッシュのワープロソフトであるPages09は、マイクロソフトワードとは異
なり、180種類以上のテンプレートから選んで作成できるので、あっという間に美しい
文書が作成できます。今回は、このページレイアウトの基礎を学びます。

■ 映像を活用した授業実践報告とミニテクニック講座
 マッキントッシュを活用すると,映像が簡単に教材化できます。 後半は,そうした映
像を活用した授業について5人の実践事例(竹ノ内、西尾、藤田、山口、高木)から学び
ます。毎回行われる「ミニテクニック講座」(山口)も役立つ内容です。

■ NHK教育放送の活用
 今、NHKの教育放送番組がインターネットと連動して面白い取組を行っています。今
回は、NHKのディレクターに来ていただいて、授業に役立つ様々なお話をうかがいます。

■ 準備物
 コンピュータの活用に興味がある方は誰でも参加いただけます。マッキントッシュ
がなくても大丈夫です。参加費は無料です。申込は以下まで。(当日参加も大歓迎です。)
 熊本大学教育学部情報教育研究会 山口修一

■ オプション研究会(外国語活動におけるICT・映像活用)
 オプションとして,12時20分より14時まで昼食をとりながらの研究会もあります。今
回は「 外国語活動におけるICT・映像活用(平川、前田よ、山本)」という内容です。
ふるってご参加下さい。「mac-t091107.pdf」をダウンロード

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2009年10月28日 (水)

4年「一つの花」その9:2009

Hana  いよいよ第10時。最後となる。

 朝から、保護者の方からコスモスの花束をいただいた。なんというタイミング!!感動してしまった。

 私は「○○さんのお母さんから、コスモスの花をいただきました。○○さんのお母さんがなぜ今日、コスモスの花をこのクラスに送ってくれたのか、その『意味』を考えてみるのもいいですね。」と告げた。

教室の前にしっかり飾って授業を進める。

 「まだ、二つの課題が残っていました。最後の場面です。
 一つは『なぜ、たくさんのコスモスの花があるのか』ということ。もう一つは『なぜ、ミシンの音が出てくるのか』ということでした。
 まず、『なぜ、たくさんのコスモスの花があるのか』から考えましょう。」

 最後の場面を指名読みさせた後、一斉音読。1分間、個人で考える時間をもうけた後、グループの中で話し合わせた。

 次のような意見が出た。
○お父さんの気持ちが伝わって、自然と育っていった。
○お母さんが、お父さんからもらったコスモスを大切に育てた。
○ゆみ子も育てた。

 この問いに対しては、多くの子どもたちが、お父さんの気持ちを分かったお母さんが育てたと考えているようであった。

 間髪を入れずに次の課題。
 「『なぜ、ミシンの音が出てくるのか』では、ちょっと考えるのが難しいので、『ミシンの音は、何を表すのか』とう問いに変えてみましょう。」

 4年生には、ミシンの音が出てくる理由を問うよりも、ミシンの音の意味を問うべきだと考えたからである。

 グループでの話し合いの後、次の意見が出た。
○お母さんが生きているということ
○一の場面を比べてみると、ミシンが使えて肉や野菜もあるということなので、平和になったということ

 場面を比べていることをおおいにほめていく。

○一の場面でお母さんは防空頭巾をつくっているので、ここでは防空頭巾ではない何かをゆみ子のためにつくっている。

 ある男の子が次のように言いかけた。

○10年の年月が流れ、『とんとんぶきの小さな家』なので、お金持ちではないけれど・・・・

 ここで言葉が見つからずに、発言が途切れてしまった。

 私は、「○○君は『お金持ちではないけれど・・・・』まで言ってくれました。いいですねえ。その後にどんな言葉が続くか考えてみましょう。」と指示した。

 グループでの話し合いの後、次の意見が出た。

○「コスモスの花」にかこまれていて幸せな生活
○「肉や魚」があるので、物は豊かになった
○お母さんがはたらけるようになった

 「なるほど、平和になっておかあさんもはたらけるようになったんだね。では、『お金持ちではないけれど・・・・』ゆみ子はどんな子になったのでしょう。」

 これもグループでの話し合いの後、次の意見が出された。

○自分で買い物に行けるようなたくましい子
○お母さんのお手伝いができるのでやさしい子
○「小さなお母さん」になれるくらい自立している子

 ここで残り時間が20分になったので、原稿用紙を配布して、「『一つの花』を学習して〜終わりの感想」を書くように指示した。
 ここで反省点が一つ。ここでは、「一つの花」についての感想を書いてほしかったのだが、「学習についての感想」を書いている子が多かった。指示が曖昧であった。

 この作文には10分ほどしかかからなかった。その後、まとめのワークシートを記入して授業を終えた。

「hitotsunohana_matome.pdf」をダウンロード

 このブログでは割愛したが、一つ一つの発言に際して、子どもたちが「○の場面の○○という言葉から〜 」ということを述べていたのがうれしかった。言葉を根拠にして考えていることがよく分かったからである。(つづく)

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2009年10月27日 (火)

4年「一つの花」その8:2009

 第9時は、以下のように板書するところから始めた。
 「食べ物をもらう喜びではない新しい喜びとは何か」

 「この問題を考えながら読みましょう。」と告げて、全文を指名読み。
 この問題に対する答えをノートに各自書かせた後に、グループで話し合う。

 答えがなかなか出にくかったようだ。
 一人の女の子が「何かをもらう喜びではなくて、何かを感じる喜び。」と発言する。私は「   感じる」と板書。

 別の子が「食べものは食べればなくなるけど、なくならない喜び」だと発言した。「なくならないもの」と板書。

 「花をもらう喜び」といった答えも出たので、ここでひとまず問いを変えることにした。

 「それでは、『コスモスの花』は何をあらわしているのかを考えましょう。ノートの上半分に『プラットホームのはしっぽのごみすて場のような所』と書き、下半分に『コスモスの花』と書きなさい。」と告げた。

 「対比」を使うことにしたわけである。(あえて、今の子どもたちには「象徴」や「対比」といった言葉を指導していない。)

 「『プラットホームのはしっぽのごみすて場のような所』と『コスモスの花』をくらべて、『ごみすて場のような所は○○だけど、コスモスの花は○○だ。』というような答えを考えましょう。」と告げて、グループで話し合わせた。

 以下のような答えが出た。

ごみすて場のようなところ    コスモスの花
_________________________________
○人間がつくったもの         ○人間が作っていないもの
○なくなりにくいもの           ○なくなりやすいもの
○命がないところ               ○命があるところ
○きたないところ                ○きれいなところ
○かなしい                        ○けなげ(強い)
○暗い                             ○明るい

 板書した後に、再度尋ねた。

 「コスモスの花があらわしているものは何でしょう。」
 グループで話し合わせた後に発表。

○たくましさ
○生きてほしいという願い
○やさしさ
○美しい心
○明るい時代にしてほしいという願い

 「ごみすて場のようなところがあらわしているものは何でしょう。」
 グループで話し合わせたところで発表。

○今の時代

 ここで、ちょっと意見が途切れたが、意見を言いたそうにしている女の子を見つけたので、挙手をしていなかったが、ここで意見を求めた。

○戦争

 「お父さんは、こんなことをゆみ子に伝えたかったのかもしれないね。」と告げた。

 「国語は算数とちがって、答えがたくさんあります。その答えをみんなで考えていくことで、考える力がついていくのです」と説明した。この言葉が印象に残っていたようで、何人もの子どもたちが、自己評価カードにこのことを書いていた。

 時間がなくなってきたので、最後の課題を板書。

「お父さんが、何も言わず、一つの花を見つめながら行ったのはなぜか。」

 これもグループで話し合わせた後に発表。

○コスモスの花で伝えたから。
○ゆみ子は、願ったように、きっと生きていけると信じたから。
○ゆみ子の顔を見ると、つらいから。
○「さよなら」は、言いたくなかったから。

 子どもたちに「何も言わなかった理由」と「花をみつめながた行った理由」の二つを考えさせたことになってしまった。これは反省点だ。
 ここで授業終了。(つづく)

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2009年10月25日 (日)

ETV50学ぶ冒険

 10月25日(日)放送の「ETV50 学ぶ冒険〜もう一度見たい教育テレビ第4弾〜」は面白かった。

 瀬戸内寂聴氏、蜷川幸雄氏、養老孟司氏の3人が、新たに「学ぶこと」について語っていた。
 他にも、すでに他界した著名人(湯川秀樹、寺山修司など)のインタビューもあって、あらためて教育放送の歴史を感じた。
 これらの人々に共通することは、「現状維持を好まない」ことなのだろう。言い換えれば、いつも現状に不満を感じてるのである。だから、もっと何かできそうだと思いながら考えている。だから、いつまでも若々しく生きていられるのだろう。
 特に印象に残ったのは、養老孟司氏の言葉「学ぶことは自分が変わること」だ。だから、学ぶことが好きな人は、いつも変化している。また、「考えるために身体を使う」という言葉にも納得した。
 また、寺山修司氏の「物語は半分つくって、後の半分は観客が補完して一つの世界になっていく」というのも面白い。授業も半分は教師がつくって、後の半分は子どもたちがつくって、一つの世界になっていくのだと思う。

 この番組を見たことで、自分の中の何かが変わった気がする。

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2009年10月24日 (土)

4年「一つの花」その7:2009

 第8時は、前時の復習から行った。ノートに書いていることを発表させた後、次のように板書していく。

○一つの花=お父さん
○一つの花=命
○一つの花=新しい喜び
○一つの花=きれいな心
○一つの花=たくましさ

 できるだけ話し合う時間を増やすために、すぐに問いかけた。

 「昨日、みんなは、このような意見を言ってくれました。でも、これらは全て正しのでしょうか。『これは正しいと思う。なぜならば○○だからだ。』とか『これは間違っていると思う。なぜならば○○だからだ。』という話し合いを行って考えていきましょう。」

 プラットホームの場面と最後の場面の指名読みを行わせて、さっそく3人グループで話し合わせた。私はグループの中の話し合いの様子を聞いて回っていたが、「どう思う?」という問いかけが増えてきており、話し合いも良くなってきていた。

 全体での意見発表が極めて面白かった。

 まず、いきなり「一つの花=お父さん」は否定された。

 ○「一つの花=お父さん」は間違っていると思います。なぜならば、最後の場面では「ゆみ子は、お父さんの顔を覚えていません。自分にお父さんがあったことも、あるいは知らないのかもしれません。」と書いてあるので、話がつながらないからです。

 デジタル教科書で確認しながら、聞いていった。最初から「一つの花=お父さん」が否定されたので、この後の話し合いはどうなるだろうと不安に感じたが、次の意見でそれは払拭された。

 ○「一つの花=新しい喜び」は正しいと思います。なぜならば、「ゆみ子は、お父さんに花をもらうと、キャッキャッと足をばたつかさせて喜びました。」と書いてあるので、新しい喜びを感じたからだと思います。

 これも、子どもたちがうなずいていた。私は、文章を根拠にしていることをほめていたら、次の意見でさらに補強された。

 ○「一つの花=新しい喜び」は正しいと思います。なぜならば、前の前の場面で、お父さんが「みんな一つだけの喜びさ。いや、喜びなんて、一つだってもらえないかもしれないね。」と言っているので、お父さんは、ゆみ子に喜びをあげたかったからです。

 これにも、子どもたちはうなずいていた。私は、うなずくことの大切さをほめた。うなずくことで、意見をよく理解することができるからである。

 ○「一つの花=命」は間違っていると思います。なぜならば、命のことはどこにも書かれていないからです。

 これには反対意見も出た。

 ○「一つの花=命」は正しいと思います。ごみすて場のような所にさいていたからです。

 この意見には、うなずく子どもが少なかった。面白いのは、発表している子どもよりも、聞いている子どもの表情である。私が、「だから、さいている花を、つんであげたの?」と問うと、子どもたちが苦笑いをしていた。

 ○「一つの花=たくましさ」は正しいと思います。なぜならば、「ごみすて場のような所にさいていたコスモスの花」なのでたくましいからです。

 このようなやりとりを出し合いながら、話し合いが進んでいった。昨年度はじめて受け持った3年生の子どもたちが1年たつと、こんな話し合いができるようになるのかと思うと、正直うれしくなった。

 どの意見に賛成するかを挙手して聞いてみることにした。何度でも挙手は可能だ。

 全く賛成がなかったのが「一つの花=お父さん」であり、最も指示されたのが「一つの花=新しい喜び」であった。

 そこで、次の発問を板書して考えさせた。

 「食べ物ではない新しい喜びとは何か。」

 この課題で話し合っている時に、残り時間が5分となってしまったので、ここまでで終了。自己評価カードを記入。

 今思えば、「食べ物ではない新しい喜びとは何か。」という発問はよくなかった。「食べ物をもらう喜びではない『新しい喜び』とは何か。」という発問にするべきだった。これは反省点だ。

 それにしても、文学教材の授業は難しいが面白いとも感じた。子どもたちの意見によって、教師はどのようにでも反応しなくてはならないからだ。当初予定していた計画と大きく違ってくることにもなる。授業は、最初からストーリーが作られているものではなく、その場で作られていくものだと感じた。その意味では、まさにLIVEである。(つづく)

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2009年10月23日 (金)

4年「一つの花」その6:2009

 第7時。二つの課題が子どもたちから出されていた。
 「なぜ、ごみすて場のような所にわすれられていたようにさいていた花をあげたのか。」「なぜ、お父さんは一輪のコスモスの花をあげたのか。」

 これをまとめて、「なぜ、お父さんは一輪のコスモスの花をあげたのか。」と板書する。
 グループの中で話し合いなさいと指示を出す。

 このときに私は、指示を加えた。

「 話し合うことは、友達の意見を聞いて自分の意見を返すことです。だから、意見を言った人は、『わたしは、○○って思うんだけど、どう思う?』と、他の人に問いかけなさい。問いかけられた人は、その意見について自分の意見を言いなさい。賛成や反対でもいいのです。」

 この指示は有効であったように思う。聞いているだけの子どもたちが少なくなった。

 グループ間での話し合いを終えた後、意見を求めた。
 最初は次のような意見が出た。

 ○お父さんの形見(思い出)としてわたしたのだろうと思います。
 ○お父さんのかわりとしてわたしたのだろうと思います。

 「コスモスの花=父」という意見である。

 しばらくすると、一人の男の子が、「ごみすて場のようなところに一輪だけたくましく咲いていたので、ゆみ子にたくましく育ってほしい、と願ってわたしたのだと思います。」と語った。それは、ほとんどの子どもたちが、なるほどという顔でうなずいていた。

 また、ある女の子が「ゆみ子はいつも食べ物をもらう喜びしか知らなかったので、新し喜びを知ってほしい、という願いがあったのだと思います。」と告げた。

 このあたりで、まわりの子どもたちも真剣に聞き始めてきた。私は、聞き方の上手さをほめて、「もう一度、グループで話し合ってみましょう。」と指示した。違った展開が期待できると考えたからだ。

 その後は次のような意見が出されたので、板書してまとめる。

 ○お父さんの思い出、お父さんのかわり
 ○命、生き物
 ○新しい喜び
 ○きれいな心
 ○たくましく育ってほしい
 ○弱い人を助けて

 自分の力量不足で、子どもたちの意見をつないでいくことができなかった。これは大きな課題である。ここで授業終了。自己評価カードの記入。

 次時は、もっと深めたい。意見を以下のように集約して、場面を超えて検討していきたい。
 「一つの花=父」
 「一つの花=命」
 「一つの花=きれいな心」
 「一つの花=たくましさ」
(つづく)

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