« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »

2007年5月31日 (木)

メディア活用研修講座6月30日

以下の研修を企画しました。無料です。
先着順です。はやめにメールでお申し込み下さい。

**************************

メディア活用研修講座のお知らせ

熊本大学教育学部 准教授 塚本光夫

 学校の現場では教育の情報化が求められています。ICTを上手に活用しながら、より豊かな学習を創り出していくための取組です。そのためには教師自身のメディア活用能力が欠かせません。それは、様々なメディアを読み取り創造し授業へ活用していく力です。そうした力が高くなると、授業設計の幅が格段と広がるものと考えております。
 そこで、熊本大学教育学部情報教育研究会では、以下のような研修会を企画しました。特に今回は、マッキントッシュに標準搭載されている音声・写真・動画・作成ソフトiLifeと、iPodの連携をテーマにした実技研修を行います。最近のマッキントッシュはウインドウズとマックOSのどちらのOSも動作が可能となっており、マックを使うことでこれまでのウインドウズ環境を維持しつつ、マック OS・ソフトのメリットを享受することができるようになりました。ウイ ンドウズユーザーもマッキントッシュユーザーもどちらでも対応できる研修内容となっております。
 参加費は無料です。どなたでも参加できます。ふるって、ご参加下さい。

  教師のメディア活用能力を高める
 〜先生のコンピュータが授業を変える〜

日時:平成19年6月30日(土)午前10時〜午後4時30分

場所:熊本大学教育学部附属小学校

 主催:熊本大学教育学部情報教育研究会
 協力:アップルコンピュータ
 参加費:無料
 人数:40名(事前申し込みが必要です。)

 9時30分  受付
 10時    開会
 10時10分  事例報告
1、 米国におけるメディアを活用した授業(アップルコンピュータ)
2、 ウインドウズとマックの両方を使いこなす(情報教育研究会:山口修一)
3、 メディアを活用した授業力を高める(情報教育研究会:前田康裕)
 12時〜13時  昼食
 13時〜16時30分 実技研修 〜映像編集とiPodの連携〜

● 当日、昼食(弁当500円)の申し込みを受け付けます。

● 事前申し込みが必要です。メールかFAXで氏名・所属・懇親会参加の有無をご連絡下さい。

熊大附属小学校 伊津野留美 

FAX:096-356-2499

● デジタル写真のデータをUSBメモリーなどに入れてご持参下さい。
● ご自分でマッキントッシュやiPodをお持ちの方は、お持ち下さい。
● 当日、研究図書「ITを自由自在に活用するヒント」(2520円)を販売いたします。
● 当日夕方より、懇親会を企画しております。希望される方は申し込み時にお知らせ下さい。
Kenshuu

| | コメント (1) | トラックバック (0)

サクラソウとトラマルハナバチ 12

 子どもたちは、10分ほどで意見文を書いた。その後は、第1時に書いた文章と、たった今書いた第6時の文章を比較することにした。変化が大きいほど、子どもたちの成長の度合いを感じるはずだ。例を示す。
**********************
第1時の文「はじめの感想」
 おたがいにつながり合って生きている生き物たちも保護していかないとサクラソウはタネを実らせないことが分かりました。サクラソウは人間の手で絶滅してくのかもと思いました。
第6時の文「自分たちの意見文」
 地球おんだん化が今、問題になっている。地球おんだん化が進むと、北極の氷がとける。すると、北極に住んでいる生き物たちが住めなくなると思う。このままだと、生き物たちが絶滅するかもしれない。かわいそうだ。でも、地球おんだん化のもとは人間だと思う。なぜならば、人間が使う車やエアコンなどから地球おんだん化のもとが出ているからだ。だから地球おんだん化を少しでもおくらせるには、自然を大切にし、もっと木を植えるなどして、問題をかいけつしなければならないと思う。
「はじめの感想」と「自分たちの意見文」を読み比べての感想
 最初は、サクラソウやトラマルハナバチなどのことしか考えていませんでした。最後は地球おんだん化につながていることが分かりました。地球おんだん化が進むと、サクラソウもトラマルハナバチもいなくなるかもしれません。でも、これは人間が原因なのだと思います。
 鷲谷さんは、サクラソウとトラマルハナバチのことを書いているけど、地球おんだん化のことや、人間も生き物も大切にすることを伝えたかったのではないかと思います。
**********************
 この第1時の感想と第6時の文章を比較する方法は効果的だと思う。子どもたちが何を学んだのか、どのように見方が変化したのか、ということを実感できるからだ。
 授業後の感想には以下のようなものが多くあった。

○ 一回目の授業と最後の授業を比べてみると、とても成長していました。それは、この勉強での話し合いや発表をいっぱいして上手になれたんではないかと思います。それに、この勉強をして四年生ではできなかった要旨をまとめることなど考える力がとってもついたと思います。この勉強をして、とってもよかったと思います。
○ 最初に感想と書いたときと、今感想を書いたときとでは、ぜんぜん内容がちがうし、自分でも考える力がついたと思いました。
 最初はサクラソウ・トラマルハナバチのことだったのですが、今はかんきょうや生き物・地球のことを考えられるようになりました。自分はとってものびたと思います。今日、話し合ったことを生かしていきたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月30日 (水)

サクラソウとトラマルハナバチ 11

 いよいよ最後の第6時間目となった。
 今日のめあてとして、「自分の意見を文章にする」ということを伝える。
 次の説明をして、プリントを配布する。
 「この説明文を書いた鷲谷いづみさんは生態学の研究者です。生態学とは生き物の生活の様子を調べる学問です。では、鷲谷さんは私たちに何を伝えようとしているのでしょうか。そのことを考えましょう。」
 まず、前回に使った段落の要約文を提示して、「鷲谷さんの主張である最も伝えたいことが書いてあるのは、どの段落でしょうか。」と問う。子どもたちは全員が第10段落「全ての生き物を守る」だと答えた。
 そこで、黒板の真ん中に「鷲谷さんの主張ー全ての生き物を守る」と書いて発問する。「このことについて、あなたたちはどのように思いますか。まずは、思いついたことを自由に出し合ってごらんなさい。」と指示する。
 子どもたちは最初とまどっているが、次第に少しずつ言葉を出し合っていく。私は、それぞれのグループを回って「自分の生活を考えてみて。新聞やニュースで聞いたことも思い出してごらん。」とアドバイスをしていきながら、言葉をひろっていく。
 ある子どもは「地球温暖化で南極の氷がとけていると聞いた」とつぶやいた。私は、すかさず、「そうそう、思いついたことをシートにメモして○でかこんでね。」と告げる。また、「すると、どうなるの?」とたずねると、「ペンギンが住めなくなるかもしれない。」と子どもは答えた。そのことも記入するように告げた。
 また、別のグループでは、「最近、川や海の水がきたなくなっている。」とつぶやいていたので、同様にメモをするように伝える。同じく「人間も生き物だから、いつかは人間も絶滅するかもしれない」とつぶやいていたので、同様に指示する。
 こうやって、個別にグループを回りながら言葉をひろっていった。約5分程度である。
 その後、話し合いをやめさせて、一度黒板の方を見させて、マインドマップの書き方を説明する。

 先ほど、メモさせた子どもたちを指名して、聞いていく。
 中心の○から、「地球温暖化」「氷がとける」「ペンギンが住めなくなる」とつなぎながら板書していく。同様に「水がきたなくなる」「魚が住めなくなる」とつなげていく。また、「人間も生き物」「絶滅するかも」も板書していく。

 「このように、心に思いついた言葉をつなげていく図のことをマインドマップといいます。今から、グループで話し合いながら、どんどんマインドマップを広げて行きなさい。」と指示する。
 ここからは、子どもたちはよく話し合いながらマップを広げていった。約10分ほどだ。

 その次に、次のように述べた。
 「これらの言葉をつなぎ合わせて意見文を作りましょう。たとえば『今、地球温暖化の問題が話題になっています。このままだと南極の氷が溶け出して、生き物に大きな影響を与えるそうです。南極のペンギンが生きていけなくなるかもしれません。また、私たちのおじいちゃんたちの時よりも今の方が、うんと水がきたなくなっていると聞きました。川の魚が少なくなると、それを食べて生きている別の生き物も減っていくでしょう。このままでは、生き物が少なくなり、人間もまた絶滅するかもしれません。そのために私は次のことを考えました。・・・・』という具合です。」
 マインドマップを見ながら、私が即興で文章を作って見せたので、思わず子どもたちから拍手がきてしまった。もっとも、今回ははじめてだったので例文を示したが、慣れてくるとマインドマップから文章作成まで自分たちでできるようになるだろう。
 そうして、子どもたちはマインドマップから意見文を書く作業に入っていった。約10分ほどである。(つづく)
 Sakurasoumap

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月28日 (月)

ITを自由自在に活用するヒント

 熊本大学教育学部情報教育研究会著「漫画で納得あなたの授業が大変身! ITを自由自在に活用するヒント」(明治図書)が出版されました。定価2520円(税込み)です。

 ITを活用した授業のためのヒントを漫画で分かりやすく解説したものです。また、そのヒントを活用した授業実践も豊富に掲載いたしました。21世紀の授業創造に役立つ内容になっていると思います。

 希望される方は、下記まで郵便振替で、2520円をご入金下さい。
 01720−1ー82290
加入者名・・・・熊本大学教育学部情報教育研究会

 手数料に100円ほどかかりますが、その分、送料(290円)はこちらで負担いたします。

Shoseki1
Shoseki2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

教師の仕事術 8

「言葉を調べる」

 人の話を聞いたり、本を読んだりしていて、「聞き慣れない言葉」や「ひっかかる言葉」に出会うことがある。そんなときは、必ず調べることにしている。
 私の机の近くには、教育用語を調べるための本が数冊置いてある。たとえば以下のようなものだ。
 ○「教育用語辞典」 山崎英則・川上宗二 編集代表(ミネルヴァ書房)
 ○「現代教育方法辞典」 日本教育方法学会編 (図書文化)
 ○「教育工学事典」 日本教育工学会編 (実教出版)
 ○「学習指導用語事典」 辰野千尋 編 (教育出版)
 ○「よくわかる授業論」 田中耕治 編 (ミネルヴァ書房)
 ぱらぱらとめくっていくだけでも面白い。
 たとえば、「スキーマ」や「メタ認知」のような心理学関係の言葉は最近よく使われるようになったので、調べる機会も増えた。
 問題は、「何となく分かっているような言葉」だ。たとえば「協同学習」「問題解決学習」「課題解決学習」などである。研究会で何気なく使われているが、本当に自分で分かっているのだろうかと問い直すことにしている。
 たとえば、誰かに「問題解決学習とは何ですか。」と問われて、明確に答えきれない場合、本当はよく分かっていないのである。だから、事典を使って明確にする必要がある。
 教育界は、言葉の定義が曖昧なまま議論していることが多い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月27日 (日)

サクラソウとトラマルハナバチ 10

 第5時は、教材文全体を俯瞰して、その構成を考える授業である。ここで便利だったのが、今までの段落をまとめた画面である。パワーポイントで10分程度で作成した。以前だったら模造紙に書いていただろう。
 それを投影して、子どもたちに問う。
 「説明文全体の構成を考えます。この説明文は、大きく四つのまとまりに分けることができます。どこで分けますか。グループで話し合って、プリントの上の四角の枠に『切れ目』を書きなさい。」
 子どもたちは、よく話し合えるようになっていた。以前、別の学級では、第2時にこの問いを出したが、内容をよく読めていなかったので反応がにぶかった。今回は、要約した後なので、話し合いがスムーズである。なんと言っても、自分たちのまとめていったワークシートを見ながら進めていくことができる。
 いくつかの案が出された。
A:1,・・・2,3,4,5・・・6,7,8,9・・・10
B:1,2,・・・3,4,5,6・・・7,8,9・・・10
C:1,・・・2,3,4・・・5,6,7,8,9・・・10
D:1,・・・2・・・3,4,5,6,7,8,9・・・10
E:1,・・・2,3,4,5,6・・・7,8,・・・9,10
F:1,・・・2,3,4,5,6・・・7,8,9・・・10
スクリーンを左側にはり、黒板の右側には、これらの案を板書する。そこで次のように言う。
 「これらの意見から、おかしいと思えるものをつぶしなさい。『この段落とこの段落はつながっているので切ってはいけない』とか『この段落で話が変わっているので切るべきだ』という理由が言えるように話し合いなさい。」
 子どもたちがグループ内でよく話し合っているかを確認した後、意見を出させる。
○ Cはおかしい。4と5はそれぞれサクラソウとトラマルハナバチがペアであることを書いている文だから切ってはいけないから。
○ BとDはおかしい。2は「仕組みを考えましょう」と問いかけて3から先でその答えを書いている。2と3はつながっているから切ってはいけない。
○Aはおかしい。6の段落はそれまでをまとめているから5と6で切ってはいけない。

 ここまででEとFが残った。
 9の段落をどうするかで意見が二つに分かれた。再度、グループで話し合わせる。ここでキーになるのは第7段落の「トラマルハナバチは、なぜいなくなったのか。」という問いかけた。その問いに対する結論が第9段落に書いてある。
 次の意見が出た。
○ Eはおかしいです。第9段落は、7と8をまとめているものです。トラマルハナバチがいなくなった理由を説明しているところです。それに対して第10段落は全体のまとめです。だから、9と10を切るべきです。答えはFです。
 これに対する反論が出なかった。
 授業時間ぎりぎりセーフだった。これで第5時は終了だ。

 今回の説明文の授業では文章そのものを投影しながら進めていったので、考える根拠が黒板に見える状態になっていた。これは子どもたちが集中しやすい。「つながっている」「切れている」「まとまり」などの印を書き込みながら進められるメリットは実に大きい。文を提示せずに進めていっても授業は成立するだろうが、効率はとても悪くなっただろう。
 検討すべき対象を教室前面に投影するというだけでも授業は分かりやすいものになる。(つづく)
Danraku

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月26日 (土)

サクラソウとトラマルハナバチ 9

 第4時は、第8段落からスタートする。ここが一番長い。すぐには読解できない子どももいる。
 子どもたちは、第8段落を音読してすぐに3人グループでキーセンテンスを探す作業を行う。
 学級によっても反応が異なったが、はじめの一文か最後の一文を指摘する子どもが多かった。ここはトラマルハナバチの一年間の生活が書かれている。だから、そのまま読んでも「まとめ」の文は見つからない。まとめの文は、第9段落にあるのだ。
 そこでヒントを出した。「第9段落に書かれていることから判断しなさい。」
 4年生と違って5年生の要約は前後の段落の内容から判断しないとできない。ここで重要なことは、トラマルハナバチはサクラソウの開花の時期が終わった初夏から秋にかけては他の花からもみつや花粉を集めなくてはならないということだ。
 しばらく、子どもたちは熱心に話し合いながら、「ですから、働きバチたちは初夏から秋にかけては、ほかのいろいろな花をおとずれてみつや花粉を集めることになります。」を指摘した。
 そこで、「トラマルハナバチは、ほかのいろいろな花をおとずれてみつや花粉を集める。」でまとめる。もっとも、女王バチがネズミの古巣を見つけることも入れることも必要なので、「女王バチはネズミの古巣で巣作りをし、働きバチはいろいろな花からみつや花粉を集める。」とまとめてもよいだろう。

 第9段落は、三つの文からなる。第3番目が第1と第2をまとめているので、第3番目を短くすればよい。この段落も学級によって反応が異なった。スムーズに探し当てた学級もあれば、なかなか指摘できない学級もあった。
 指摘できない学級には次のように細かな発問をすることにした。
 「トラマルハナバチが生きていくためには二つの生き物が必要だと書いてあります。何と何ですか。」・・・「いろいろな植物」と「ネズミ」
 「その二つを表す言葉をすべて○で囲みなさい。」
 「二つの言葉とも含まれている文は、どの文ですか。」
 ここまでやると、要点が見えてくる。「他の花々がなくなって、ネズミもすめないような場所では生きていけない。」でまとめる。
 学級によっては、第8段落と第9段落で1時間を費やしたところもあった。

第10段落も、学級によって反応が異なった。この異なる反応を見て、その場で指示・発問を考えるのが難しくもあり面白くもある。
 大きくは次の三つに意見が分かれた。
A:「このように、生き物はみなつながっているのです。」
B:「つまり、サクラソウを絶滅から守るためには、サクラソウだけを保護するのでは不十分です。」
C:「おたがいにつながり合って生きている生き物たちの全体を守っていかなければならないのです。」
  Aを指摘する子は「『このように』があるから」ということを理由に挙げている。Bを指示する子は「『つまり』があるから」ということを理由にしている。Cを指示する子は、「この文章が全体のまとめだから」ということを理由にしている。意見が出されたところで、再度3人グループで検討をさせる。ここまでくると、どのグループもよく話し合えるようになってきているから不思議である。
 私は、「作者がもっとも主張したいことが要点です。要点をまとめたワークシートを最初から見直しなさい。」と指示した。子どもたちは、再度ワークシートを見直している。
 ある子どもが「第1段落で、『サクラソウは、どうして子孫を残せなくなってしまったのだろう。』と問いかけていて、その問いかけに答えている文はCだ。つまりCが全体をまとめている文だ。」という意見を述べた。ここで、全ての子どもたちが納得。
 最後の文は、「サクラソウを絶滅から守るためには、生き物たち全体を守っていかなければならない。」でまとめた。

 面白いもので、やっていけばいくほど、子どもたちは文を読んで話し合うことに慣れてくる。4人が教科書を持って話し合うよりも、3人が同じプリントを見ながら話し合うことの方が効果は高い。(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月25日 (金)

サクラソウとトラマルハナバチ 8

 毎時間そうだが、授業開始と同時に、前時に子どもたちが書いた自己評価カードの記述を見直すところからスタートする。自己評価カードは文書で記述させる。「話し合いがうまくいくようになった」とか「昨日よりも話し合いが上手になった」といった学習のめあてに対する自己評価ができているものには星印をつけて返す。さらによく書けているものには、星印に○をつけたものを書く。(子どもたちはマルホシとよんでいる。)このようなシンプルなシステムにしておかないと年間を通して継続することは難しい。マルホシがついた子どもたちは、みんなの前で自分の自己評価の文章を読む。まわりの子はそれを聞きながら、自己評価の方法を学ぶことになる。

 第3時は、第4段落からスタートする。 第4段落は意見が分かれた。「サクラソウは、同じ仲間の花に確実に花粉をわたしてもらえるように、いくつかの工夫をしています。」という文を選んだグループと、「開花の時期」と「花の形」の言葉を選んだグループである。そこで、「この段落は、サクラソウの何について書かれていますか。グループで話し合いなさい。」と告げた。
 子どもたちは「サクラソウの工夫」と答える。そこで、スクリーンに投影されている第3段落の中から「いくつかの工夫」を○で囲んだ。
 さらに、「いくつかの工夫とは何ですか。その言葉をさがして○で囲みなさい。」と指示する。このようなときに、子どもたちはよく話し合う。「線を引く」「○で囲む」といった具体的な操作を伴うと、話し合わざるをえなくなるからである。子どもたちは「開花の時期」「花の形」と答えた。
 私は以下のように説明した。
 「この段落そのものは、『サクラソウの工夫』について書かれています。だから、『サクラソウは、同じ仲間の花に確実に花粉をわたして、もらえるように、いくつかの工夫をしています。』という文が大切なのです。しかし、このままでは工夫の中身が分かりません。そこで以下のような文にすると要点がまとまります。『サクラソウは、同じ仲間の花に花粉をわたしてもらえるように、開花の時期と花の形を工夫をしている。』」

 第5段落は、子どもたちはすぐにさがすことができた。はじめの文「トラマルハナバチは、そのようなサクラソウに合ったくらし方や体のつくりをしています。」の文である。これを短くして、「トラマルハナバチはサクラソウに合ったくらし方や体のつくりをしている。」
 こうやってまとめてみると、第4段落と第5段落は対になっていることがよく分かる。

 第6段落も比較的容易である。子どもたちは「こうして、サクラソウとトラマルハナバチは、おたがいにぴったりの、よい協力者となっているのです。」を選ぶことができた。第4段落と第5段落をまとめている文だからだ。「サクラソウとトラマルハナバチは、おたがいによい協力者となっている。」でまとめる。

 第7段落は難しかった。第7の段落から話題が変わっているのである。これに気づくかどうかで変わってくる。私は、「前後の段落を読みながら考えなさい。」と指示した。子どもたちは次の三つの意見に分かれた。
A「実は、サクラソウの花がさいても、タネが実らなかった所では、このトラマルハナバチがすがたを消していました。」
B「トラマルハナバチは、なぜいなくなったのでしょう。」
C「そのひみつは、トラマルハナバチの一年間の生活にかくされていました。」
 「話し合って、これは違うと思われるものをさがしなさい。」と指示した。ヒントとして「文をなくしても、次の段落につながるのであれば、それほど重要ではないということです。」と告げた。子どもたちは、次の第8段落を読み始めた。これが長い。第7段落の検討だけで10分以上はかかっただろう。
 まず、Cが消えた。第8の段落では、トラマルハナバチの一年間の生活のことが詳しく書いてあるので、わざわざ第7段落で述べる必要がないという理由だ。
 AとBは、最後までもめた。ある子どもが、「第6段落までのことは『サクラソウの受粉には、トラマルハナバチが深くかかわっていることが分かりました。』という文でまとめているので、この後は話題が変わっている。話題が読者に提示されなくてはならないので、『トラマルハナバチは、なぜいなくなったのでしょう。』の文の方が重要だ。」と述べた。
 そこで、私は「第8段落から先は『トラマルハナバチがいなくなった理由』が書いてあるので、ここでは話題提示をして読者へ問いかける必要があるのです。」と説明した。この後、「トラマルハナバチは、なぜいなくなっただろう。」という言葉でまとめた。(しかし、考えてみれば、『サクラソウの花がさいてもタネが実らなくなった所でトラマルハナバチがいなくなったのは、なぜだろう。』とまとめた方がよかったのかもしれない。こうやって、途中でゆれてしまうところが、私の教材研究の浅さだ。反省。)
 というところで、第3時が終了した。(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月24日 (木)

5年 サクラソウとトラマルハナバチ 7

 第2段落である。
「第2段落を教科書を音読しなさい。読み終わったグループから、最も大切な文章を選んで線を引きなさい。また、なぜ、その文章が大切なのか理由を全員が言えるように話し合いなさい。」
 ここでは、はじめの文「A:なぜタネができないかをさぐるために、まず、サクラソウの受粉の仕組みを考えてみましょう。」と「B:サクラソウの場合、この花粉を運ぶ大切な役わりをトラマルハナバチが果たしています。」で意見が分かれた。
 私は、「第2段落だけではなく、その前後も段落も読みながら話し合いなさい。」と指示した。
 二者択一になると、けっこう盛り上がる。子どもたちは教科書も読みながら話し合っている。この段落だけで検討すると、Bの方に思える。
 ある子どもが「第3段落には、『トラマルハナバチが仲立ちをしている』と書いてあるから、ここでは『受粉の仕組みを考えよう』という話題を出しているAの方が大事なのだと思う。」と発言した。
 この発言で多くの子どもたちが納得した。「まず、サクラソウの受粉の仕組みを考えよう。」という話題提示の文がまとめられることになった。

 第3段落も同様に指示する。三つ目になると、かなりスムーズになってきた。子どもたちも要領が分かってきたようだ。ここでは、全部のグループが最後の文「こうして、トラマルハナバチは、サクラソウからみつや花粉をえさとして集めるときに、結果として受粉の仲立ちをしているのです。」を指摘した。
 理由は、「こうして」というまとめを表す言葉があるから、と述べている。そこで、「トラマルハナバチは、サクラソウからみつや花粉をえさとして集めるときに、受粉の仲立ちをしている。」という文でまとめる。
 ここで、第2時が終了した。(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月23日 (水)

5年 サクラソウとトラマルハナバチ 6

 前回の授業では、4人のグループで教科書をそれぞれに持った状態で話し合わせても、反応がにぶいのが明らかになった。思っていることが、相手に伝わらないからである。
 そこで、改良案を考えた。まず、グループの人数を3人に減らすことにした。それから、全員が共有して考えられるように、段落ごとにB4の紙に印刷したプリントをグループごとに配布した。
 第一段落から、要点を取り出す作業を行っていく。
 3人グループでは、真ん中の一人が机の上にプリントを置いて、残りの二人が左右から見られるように椅子を移動する。もっとも大切な文章だと思われるものを三人で話し合って定規を使って線を引く作業を行う。また、もっとも大切だと思われる言葉は○で囲む。
 このシステムにしたら、非常によく話し合えるようになった。第一、子どもたちがプリントを囲んで扇形になっているので、教室の前から見ると、どのグループがよく話し合っているのかが一目瞭然である。私は、次のように述べた。
 「ここでは、もっとも大切な文章を選ぶために、その理由を互いに話し合うことそのものに学習の価値があるのです。そうすると考えるからです。だから、一人の人がずっと話していても意味がありません。話をしていない人がいたら、残りの人が促してください。3人が3人とも自分の意見を言うことが大切なのです。」

 もっとも、プリントだけで判断すると、検討している段落だけを見ることになってしまって前後の段落を見ないことになってしまう危険性もある。したがって、教科書も必ず必要である。
 運動会の練習などで時間が40分ほどしかとれないこともあったが、次の進め方だと無理がないだろう。
 第1時:全文追い読みと「はじめの感想」を書く。
 第2時:第1段落から第3段落の要旨をまとめる。
 第3時:第4段落から第7段落の要旨をまとめる。
 第4時:第8段落から第10段落の要旨をまとめる。
 第5時:全体を大きな四つにまとまりに分ける。マインドマップを書く。
 第6時:マインドマップを元にして、「自分の考え」を文章にする。授業の感想を書く。

 次のように指示を行いながら進めていった。
 「第○段落を各自教科書を使って音読しなさい。読み終わったグループから、最も大切な文章の横に線を引きなさい。なぜ、その文章が大切なのか理由を全員が言えるように話し合いなさい。」
 話し合いの様子を観察しながら、グループによってはヒントを与えていく。

 第1段落では、意見がかなり分かれる。ここは話題提起の段落なので、読者に問いをなげかけている文が最も大切なことになる。ところが、その文章は、「A:どうして、こんなことになってしまったのでしょう。」という指示語が使われているので、あまり重要度が高いように思えない。子どもたちの半分は、「B:花がさいてもタネが十分に実らず、子孫を残すことができなくなっている場所もあります。」の方が重要だと考えている。
 ここで、どちらの方が重要か、と問うと、けっこう盛り上がる。「Aは、これから先の内容に対する問題を示してあるから」という意見と「Bの子孫を残すことができなくなってしまっているということ自体が問題だから」とする意見である。
 しかし、それほど時間もかけられない。ここは、すんなりと説明を行う。

「説明文の最初では、いまから説明しようとする内容を読者に問いかけます。たとえば、3年生の『ありのぎょうれつ』では、『夏になると、庭のすみなどで、ありの行列をよく見かけます。その行列は、ありの巣から、えさのある所まで、ずっとつづいています。ありは、ものがよく見えません。それなのに、なぜ、ありの行列ができるのでしょうか。』と問いかけています。4年生の『かむことの力』では『〝よくかんで食べなさい。〟と、いつも言われていませんか。かむって、どういうことなのでしょう。また、よくかむと、どんないいことがあるのでしょう。いっしょに考えてみましょう。』と問いかけています。このように、読者に問いかけて、興味をもってもらおうとするのです。」

 子どもたちは、「あー、なつかしい。」「そうそう。」などとうなずている。
 説明を続ける。
 「このように、読者に興味をもたせるために問いかけることを『話題提示』といいます。今回は、「A:どうして、こんなことになってしまったのでしょう。」が話題提示の文です。しかし、『こんなこと』では分かりませんね。『こんなこと』とは、どのことを指しますか?」
 子どもたちは、「B:花がさいてもタネが十分に実らず、子孫を残すことができなくなっている場所もあります。」と答える。
 そこで、以下のように説明を行った。
「だから、Aの文にBの内容を加えると、要点がまとまります。たとえば『サクラソウは、どうして、子孫を残すことができなくなったしまったのだろう。』とするわけです。
 子どもたちは頷いて聞いている。この文章を子どもたちがワークシートに書き写して、第2段落へ進むことにした。(つづく)
Danrakukyoudou1
Danrakukyoudou2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月22日 (火)

春のうた 2

 「春のうた」の第2時である。子どもたちは、前時において、次の「ほっ」の違いが分かっている。
○「ほっ、まぶしいな。」 と 「ほっ、うれしいな。」
○「ほっ、いぬのふぐりがさいている。」と「大きなくもがうごいてくる。」
 今日は、最初にそこを音読するところからスタートした。子どもたちは楽しそうに読んでいる。
 そこで、発問。
 「この詩の中で『意味のない言葉』があります。それは、どれでしょうか。グループで話し合いなさい。」
 子どもたちは「ケルルンクック」だと答える。
 そこで、次の発問。
 「『ケルルンクック』は、たしかにそれだけでは意味を持ちません。では、なくしてもいいでしょうか。なくしてはならないでしょうか。グループで話し合いなさい。」
 デジタル教科書を使って、実際に詩の文章から「ケルルンクック」だけを黒くぬりつぶしてみた。かなり印象が変わる。言葉が消えるだけで、全く違って見えるから不思議である。
 すべての子どもたちが「なくしてはならない。」と答えた。その理由を話し合うように指示する。
 次のような答えが返ってきた。
 ○「水はつるつる」とか「風はそよそよ」と違って、うれしい気持ちを直接あらわしているから。
 ○「ケルルンクック」は、気持ちがいいという心をあらわしているから。
 そこで、次のように問うた。
 「では、『水はつるつる 風はそよそよ 』の2行と『ケルルンクック』は同じ調子で読むべきですか。違うように読むべきですか、」
 子どもたちは3人で話し合って、「違うように読むべきだ」と答えていた。理由は、以下のようなことだ・。
 ○「ケルルンクック」は、うれしい気持ちをあらわしているから、もっと高く読むべきだ。
 「それでは、起立して違わせて読みなさい。できるようになったら座りなさい。」と指示する。ここは、本当に楽しい時間である。子どもたちは、一生懸命に工夫して読んでいる。

 ほとんどの子どもが座ったところで、デジタル教科書の朗読を聞かせる。通常、プロの朗読を聞かせると、子どもの「読み」が限定されるという批判があって、あまり聞かせないことが多いのだが・・・。子どもたちは、じっと聞いている。この朗読は実にうまい。「ケルルンクック」がいかにも、とびはねそうな読み方だ。
 子どもたちから、「わーっ」という小さな声が聞こえてきた。この朗読に触発されて、「もっと上手に読みたい。」と思ったらしい。前よりも積極的に練習していた。

 さらに、次のように問う。
 「この『ケルルンクック』を1番とすると、『ああ いいにおいだ。』の後の『ケルルンクック』は2番になります。1番と2番の『ケルルンクック』は同じですか。違いますか。」
 これも、子どもたちはしっかりと話し合っていた。全員が「違う」という。
 理由が面白い。
 ○かえるは、水と風を感じて「ケルルンクック」と言った後、移動している。移動していいにおいを感じたのだから、「ケルルンクック」は違うはずだ。
 ○「ああ いいにおいだ。」と感じた後の「ケルルンクック」は違うはずだ。
 そこで、各自練習するように伝える。ここでは、「ああ いいにおいだ。」が自然と感情豊かになっていくから面白い。

 そして最後の発問。
 「最後の3番の『ケルルンクック』と4番の『ケルルンクック』は、つづけて書いてあります。同じように読むべきですか。違わせて読むべきですか。」
 これは、意見が分かれた。しかし、後では全員が「同じように読むべきだ。」と答えた。
 そこで、私はゆさぶりのために、「本当にそうですか?」と返事をして、「かえるは、穴から出た後、どんどん動いていくはずだ。だから、自然と後の言葉の方が、うれしさが高まっていくので、4番の方が大きいはずだ。」と告げる。
 これで、まよった子が続出した。半分以上が「違わせて読むべきだ。」と答えたところで、私が再度ゆさぶる。
 「私は、同じように読むべきだと思います。最後の『まとめ』だから、しっとりと終わった方がいい感じがするのではないでしょうか。」
 ここで、ますます迷いだしたので、次のように説明をした。
 「この問いに正解はありません。大事なことは、自分なりの意見をもって音読をすることです。」
 子どもたちは、最後の2行を思い思いに音読している。かなり上手になっている。
 そこで、デジタル教科書の朗読を聞かせる。この最後の2行の朗読が抜群にうまい。4つの「ケルルンクック」は、4つとも読み方が違うのである。子どもたちも「すごい」「上手」などとつぶやいている。
 「この2行をもう一度、練習してみましょう。」と告げる。子どもたちも、一生懸命だ。
 子どもたちから、「先生、朗読を最初から聞かせて下さい。」とせがまれた。そこで、デジタル教科書の朗読を、はじめから聞かせた。子どもたちは、「なるほど」などとつぶやいている。
 私は次のように説明した。
 「朗読には正解はありません。どのように読んでもいいのです。このデジタル教科書の朗読をする人は、自分なりに考えて読んでいるのです。みなさんも、自分なりの工夫で読んでごらんなさい。」
 子どもたちは、起立して読み始めた。なぜか、声を合わせて読んでいる。思わずほほえんだ。

 「一番はじめの音読よりも上手になった人?」と私が問う。全員の子どもが、まっすぐに挙手をした。ここで、授業は終了。多くの子どもたちが、「楽しかった」と言ってくれていた。

 さて、デジタル教科書の朗読は、子どもたちの音読の意欲を高めたことに間違いなかった。極めて上手な朗読だったので、あのように読んでみたい、という気持ちになったのだろう。最初から朗読を聞かせてしまうと、子どもたちも考えなくなるだろうが、今回のように途中で聞かせると面白い効果があると感じた。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月20日 (日)

5年 言葉の研究レポート 2

 昨年度の反省を元にして授業を設計する。この授業の難しいところは、「問い」を作る場面である。子どもたちは、日常生活において、言葉に疑問を持つことはまれなのだ。だから、脳の中にある「言葉」のストックを引き出して顕在化させていく必要がある。
 これを個人で行うと非常に難しい。できる子とできない子が明確に分かれる。かといって、「語源辞典」や「言葉の由来辞典」などをいきなり読んでしまうと、課題を見つけることはできるが、同時に答えも分かってしまう。たとえば、「『塞翁が馬』とは何だろう」という課題は設定できるが、答えも一緒に読んでしまうことになる。 今回の授業も、資料をどっさり図書室から借りてきたが、最初は見せないことにした。

 教科書には、課題設定をするために連想できる言葉をつないでいく方法が紹介されている。指導書には「各自マップを作る」と書いてある。いわゆるマッピングである。
 このマッピングには、こつが必要だと思う。用紙を1枚ずつ配布して、「言葉について疑問や気になることを教科書のように書きましょう。と指示しても、子どもたちはできない。それほど簡単ではない。

  そこで、4人一組でマップを作る方法にした。4人チームでアイデアを出し合いながら。一つのレポートを作成するためだ。 子どもたちは、はじめは戸惑っている。その中を教師は回りながら、子どものつぶやきを拾う作業を行う。これが、かなり大変である。子どもには、どんな疑問が「課題」と成りうるのかが分からないからだ。
 ある子が、「カマキリって、漢字あるのかな?」とつぶやいた。教科書の一番上に「カマキリ」という言葉があったから、そのように思ったのだろう。他の子が「あるんじゃ。」などと答えている。
 私はその会話を拾うことにした。「カマキリって漢字はあるんだよ。バッタもある。カタカナで書いている動物や虫にも実は漢字がある。それは、良い疑問だ。それを画用紙の真ん中に書いてごらん。」と告げる。それから、思いついたことをみんなで書くように指示した。
 あるチームは、「『おはよう』とか『こんにちは』って、あいさつを言うけど、意味はあるのかな。」という話し合いになっている。そこで、私は、「いいことに気づいたね。『ごめんなさい』ともいうけど、『ごめん』とは何だろう。ふだん使っている言葉の意味を調べるのも面白いよね。」と告げる。
 もう一つのチームは、それこそ何もアイデアがでない状態だった。モチベーションがかなり下がっている。私は、そのチームの男の子に、「自分のことは何ってよぶ?」と聞いた。その男の子は「ぼく」と答える。私は、すかさず「『ぼく』ってどういう意味?」と聞く。子どもたちは「あっ」という表情になる。

 教師としては、子どもの意見を引き出しながらも、それが調べられる課題となりうるかどうかも分かっていなければならないだろう。だから、資料を事前によく読んでおく必要がある。言葉の由来や故事成語、宛字などは、面白い調べ学習となりうる。

 はじめは戸惑っていた子どもたちも、マップができあがってくると次第におもしろがって、どんどん言葉を書くようになっていった。時間いっぱい、みんなで考えていった。
 ちなみに、マッピングについては、フィンランドの授業において「カルタ」という呼び方でよく行われていることもあって、最近は日本の授業でも普及してきているようだ。方法については塚田泰彦編著「国語教室のマッピング」(教育出版)に詳しい。(つづく)
Mappping01
Mapping02

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月19日 (土)

春のうた 1

 4年生は「春のうた」という詩を学習する。草野心平の詩である。こういう詩の授業は面白い。大まかな発問だけ考えておいて、子どもの反応を見ながら、色々と発問の順番を変えてみる。クラスによって、ちがった方法で授業ができるから面白い。
 子どもたちは、詩の内容から、明るく喜びを表しながら読むことは理解できる。だが、それを実際に表して朗読できるかといえば、そうでもない。「分かる」と「できる」は違うのだ。だとすれば、今回は「できる」の方に焦点化してみたらどうだろう。そう思って授業をやってみた。

子どもたちは3人グループになっている。
 まず、次の指示を行う。
 「全員、起立しましょう。この詩を一回音読したらすわりなさい。」
 子どもたちは淡々と読んでいる。
 「作者は誰ですか。話し合いなさい。」これは簡単。「草野心平」である。板書する。
 「話者は誰ですか。話し合いなさい。」これは、ちょっと戸惑っている子もいたが、「かえる」であることが理解できた。
 「『いぬのふぐり』とは何だと思いますか。話し合いなさい。」「文章中から理由を述べられるようにしなさい。」と発問する。子どもたちは「小さな花」といった答え方をしている。
 そこで、「私は『小さな花』だと思います。わけは、『さいている』という言葉があるからです。」という言い方をするように指導する。この「発言の仕方」は重要だ。これは練習でできるようになる。
 ネットで見つけてきた「いぬのふぐり」の画像をプロジェクタで見せる。かわいらしい小さな花であることを示した。

 少人数クラスなので12名全員を一人一人音読させる。他の子どもはじっと聞いている。私は、次のように述べた。
 「今の『読み方』と、授業の終わりの『読み方』が変われば合格です。それだけ学習したということです。」と告げた。

 一番上手に堂々と読んでいた女の子を起立させて、再度音読させる。
 「今の読み方で、上手だと思う人はノートに○を書きなさい。もう少し工夫するべきだ、と思う人はノートに△を書きなさい。」と指示する。( この「ノートに○、△、×を瞬時につけさせる方法」は、野口芳宏先生から教えていただいた方法である。子ども達は、よく聞くようになる。)
 私が「○を書いた人。」と言うと、子どもたち全員がさっと挙手した。
 次に「△を書いた人。」と言って、私だけがさっと挙手した。子どもたちが「えーっ?」とさけぶ。とても上手に読めたのに納得できない、という様子である。

 ここで教師は、「では、どのように読めばいいでしょう。」などと聞いてはいけない。あまりにも抽象的すぎるからだ。子どもたちは「明るく読む」「楽しそうに読む」「うれしさを表して読む」などと答えることはできるが、実際にそのように読めるわけではない。
 言葉に着目させるように限定して読ませるべきだ。だから、次の発問を行う。
 「『ほっ、まぶしいな。』の『ほっ』と、『ほっ、うれしいな。』の『ほっ』は、同じですか。違いますか。」
 子どもたちは3人で一生懸命に話し合っている。「まぶしいときの言葉」と「うれしいときの言葉」は違う、といったことを話し合っている。全員が「ちがう」と答えた。
 「なぜですか。」と問うと、「かえるは、土の中にずっといたので、太陽を見ておどろいている。だから、まぶしいときの『ほっ』は、びっくりた感じを入れて読むべきだ。また、春になってうれしいので、次の『ほっ』は、うれしそうに読むべきだ。」と子どもたちは答える。
 「では、起立して、二つの『ほっ』を違わせて読みなさい。読めるようになったら座りなさい。」と告げる。
 子どもたちは、真剣に練習している。
 数名を起立させて読ませる。明らかに違いが分かるように読めた。全員で拍手。
 参考までに「デジタル教科書」の朗読を聞かせる。微妙な「ほっ」の違いが分かって、面白い。
 私は、「読み方は色々あっていいのです。大切なことは、二つの違いを意識して読めるか、どうかです。」と述べると、子どもたちはうなずいていた。

 そこで、次の発問。
 「『ほっ、いぬのふぐりがさいている』と『ほっ、大きなくもがうごいてくる。』の『ほっ』は、同じですか。ちがいますか。」
 同様の授業展開で進める。子どもたちは「小さな花を見つけたときの『ほっ』と、自分よりもはるかに大きなものが動いていく様子を見たときの『ほっ』は違う。」と答えていた。
 同様に「二つの『ほっ』を違わせて読みなさい。読めるようになったら座りなさい。」と指示する。数名が朗読。明らかに違いが分かる。デジタル教科書の朗読も実に面白い。
 一番最初に音読をした女の子にも読ませた。授業のはじめとは、まるで違う読み方になっている。
 他の子どもたちにも、再度練習の時間を与えた。(せっかく3名で練習するので、それに適した練習のシステムを考えた方がいいと感じた。たとえば、それぞれが交代で音読して、3名全員が納得できる読み方になるまで練習するといった方法である。次のクラスでは、新しい方法でやってみたい。)

 「最初の読み方と、今の読み方がちがっている人は、挙手しなさい。」と言うと、全員が笑顔でさっと挙手した。ここで、第1時の授業が終了。(つづく)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年5月18日 (金)

5年 サクラソウとトラマルハナバチ 5

 第3時間目は、文章全体を大きな4つのまとまりに分ける学習を行った。
 指導書では第2時間目で行うことになっている。「文章全体を、内容のまとまりで大きく四つに分ける。」と記されているが、どうやって子どもたちは「分ける」のだろう。指導書を読んでも、私には理解できない。
 教科書のp33を読んで、分ける視点を提示して、子どもたちに分けさせた。予想に反して3種類の案が出された。
A: 1・・・2、3、4・・・5、6、7、8、9・・・10
B: 1・・・2、3、4、5、6・・・7、8、9・・・10
C: 1・・・2、3、4、5、6・・・7、8、・・・9、10
 正解はBである。上記の答えを板書して「この三つで間違っているものを、根拠を示しながら、つぶしましょう。」と発問した。それぞれが、4人のグループの中で話し合っている。かなり難しかったようで、活発に意見を出せる子どもとそうでない子の差が激しい。
 ここで、多くの班が「Bが間違っている」ということを話し合っている。9の段落では「このように」というまとめの言葉があるからだという。
 全体の話し合いの場では、「Aが間違いである」という意見から取り上げた。つまり、7から話題が変わっているということを明確にしたかったからだ。ところが「Aが間違いである」という意見を出した班が根拠を示すことができなかったのである。どの段落のどの言葉があるからこうなのだ、ということが言えない。
 デジタル教科書で7の段落だけを示して、「話題を変えていることが分かる文をさがしなさい」と発問した。ここでも、半分程度しか手が挙がらない。「次は、それを考えて見ましょう。」という文である。もちろん、分かる子にとっては簡単な問題なのだ。その後、「後半の話題は何ですか?」=「トラマルハナバチの一年間の生活」という発問を行い、「前半の話題は何ですか?」=「サクラソウの受粉にはトラマルハナバチが深くかかわっている」という発問を行った。ここでも反応があまり良くない。
 「そう考えると、前半23456がサクラソウとトラマルハナバチのことになります。後半がトラマルハナバチの一年間の生活のことになります。9の段落は「後半の話題」に入りますか? それとも全体のまとめに入りますか?」という発問を行い、9の段落だけを示して班の中で話し合わせた。
 ここでも、分かる子には分かるのだが、そうでない子は反応に乏しかった。9の段落にも「サクラソウ」の話題が書いてあるからだ。

 結果としては、何とも反応のにぶい授業となってしまった。一斉指導の場合、ある程度読解力のある子どもが「正解」を示して、他の子どもが納得するというパターンで進められるのだろうが、グループ内で話し合わせようとすると、グループ間でかなりの差が見られることが分かった。
 少人数グループでの話し合いは、それぞれが個別にアイデアをもっていたり役割分担があったりした場合に活発になる。だから、写真をみんなで選んだり、アイデアマップを書いていったりする場面では話し合いは実にスムーズに行われる。
 ところが、読解の場となると、「読んで理解している」ことを相手に示すことが難しいために、今ひとつもりあがらない。また、読解の度合いが子どもによって違うために、内容が読み取れていないと話し合いになりにくい。
 代案としては、ある程度、「文章を根拠にして話し合う活動」の話し合い方を焦点化しておく必要があるだろう。たとえば、キーとなる段落を4人みんなが見えるような状態にして、それを元に線を引いたり印をつけたりする作業である。実際の問題として、7の段落は教科書2頁にまたがっているために、検討がしにくいのである。

 そこで、別の学級では、「四つのまとまりに分ける活動」は後に回すことにした。ていねいに段落の要旨を考えていく活動から行っていく。

 それにしても、ますます、指導書の示すところの「とらえる」と「押さえる」の内実が分からなくなってきた。第2時の段階では、「とらえられる子」と「とらえられない子」が出てくるのではないだろうか。(つづく)
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月17日 (木)

5年 サクラソウとトラマルハナバチ 4

 この単元に限ったことではないが、私は毎時間自己評価カードを書かせている。授業終了の3分程度で、子どもたちは「今日、学んだこと」を文章で書く。短い文章なので、子どもたちは取り組みやすい。単元の最後には、「授業の感想」を作文にするのだが、毎回の自己評価が「振り返り」の資料になる。この取組はずっと行っているが、子どもたちの思考力を高めるために良い方法だと思う。アンケート調査でも、子どもたちは「自己評価カードは学習の役に立っている」と答えている。
 授業開始と同時に自己評価カードを返す。よい自己評価がしてあるときは、星印がついている。たとえば、
「『このように』や『つまり』などの言葉は、まとめの役割をしていることが分かりました。」
「音読がすらすらできていないので、家で練習したいと思います。」
といったものは、その時間の学習の振り返りがよくできている。
 授業のはじめに、星印がついている子どもたちに本人の文章を全体の前で読ませる。他の子どもは、それを聞いて、書き方を学んでいく。それを繰り返すと、全体の自己評価のレベルが向上する。さらによい文には、星印を○で囲む。(子どもたちは「マルホシ」とよんでいる。)ほとんどの子どもが星印がとれるようになったら、この「マルホシ」の子どもたちに文を読ませる。シンプルな自己評価のシステムなので継続が楽である。

 さて、第2時間目は、読みの難しい場所を確認するところからスタートした。たとえば「群生地(ぐんせいち)」、「風物詩(ふうぶつし)」などである。また、「その種(しゅ)」、「翌年(よくとし)」なども明確にしておいた。
 次に、リレー音読を行う。4人が1グループになって、一文ずつ交代しながら音読をしていく。この活動のいいところは、他の3人が聞こえるほどの大きさで読むようになるということである。また、読み方を間違えたり分からなかったりした場合、他の子どもたちがたがいに教え合うことができる。
 そして、辞書を使って言葉を調べてノートにまとめていく作業を行う。「群生」「早春」「風物詩」などだ。学級担任時代は、これらのことは「個人の学習」の時間に行っていたことだが、現在は専科なので、その時間もとることにした。
 最後に、次の指示を出す。

「この文章を大きく四つのまとまりに分けるにはどのように分ければよいでしょうか。グループ内でよく話し合って、ワークシートに記入しなさい。」

 子どもたちは、よく話し合っていた。問題提起が第1段落であることは、すぐに理解できたようだ。また、「トラマルハナバチは、なぜいなくなったのでしょう。(中略)次は、それを考えてみましょう。」という文章から、第7段落から話題が変わっていることも話し合っている。
 問題は、第9段落の「このように」という言葉である。これは、第7段落と第8段落をまとめている段落なのであるが、約半分の子どもたちが「全体をまとめている段落」と解釈している。
 つまり、段落構成は次のようになっているのだが、
 1・・・2、3、4、5、6・・・7、8、9・・・10
 下記のように考えている子どもも多いということである。
 1・・・2、3、4、5、6・・・7、8・・・9、10
 ここで授業が終了。次の時間は、どちらが正解なのかを話し合うところからスタートする。(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月16日 (水)

5年 サクラソウとトラマルハナバチ 3

 第1時間目は、デジタル教科書でサクラソウの写真だけを見せた。

 「この写真を見た感想をグループの中で話し合いなさい。」

 それぞれに自由にグループ内で話し合わせる。このグループ内での話し合いを随時入れることで、子どもたちの話し合う力を高めていこうというねらいがある。
 「きれい」「見たことがある」といった感想が出てくる。
 次に同じくデジタル教科書の中にあるサクラソウの解説のページだけを見せる。ここには、「野生のものは、絶滅する危険がある。東京都や神奈川県などでは、すでに絶滅している。」という記述がある。そこで次の発問。

 「サクラソウの解説文を読みなさい。読んだ感想を話し合いなさい。」

 グループ内での話し合いの後、「どうして絶滅するのだろう」といった疑問が出された。そこで、本文の通読に入るために、次の指示を出す。

 「サクラソウは確かに絶滅しそうなのです。そこで、サクラソウを守ろうとしているのですが、花はさいても実が実らないということが起きています。実ができなければ種もできません。なぜ、そうなったのでしょうか。今から先生が、その説明文を読みますから、みんなは追い読みをしなさい。読み終わった後に感想を書いてもらいます。」

 「群生地」や「風物詩」など、けっこう難しい語句が多い。追い読みが終わった時点で、子どもたちは「はじめの感想」を書く。
 「はじめの感想」は大きく次の三つに分かれた。
1、「説明文の内容」に「〜ということが分かりました。」という文
  例「生き物はつながりあっているということが分かりました。」「サクラソウを守るためには、サクラソウ以外のものも守らなくてはならないことが分かりました。」
  31名中23名
  
2、1に加えて「自分の感情」も入れている文
  例「サクラソウがなくなっているので、かわいそうだと思いました。」「サクラソウがなくなるのは、私もいやです。」
  31名中6名

3、1及び2に加えて「自分のこれからの行動」も入れている文
  例「私も花や草や虫などを大切にしていきたいです。」「もっと、みどりを増やしていきたいです。」
  31名中2名

 筆者の主張が最後の十の段落にまとめられているので、主張そのものの理解はしていると考えてよいだろう。感想文の記入で、1時間目は終了した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月14日 (月)

5年 サクラソウとトラマルハナバチ 2

 第1時は、音読をさせた後、「はじめの感想」を書かせたい。さらには、段落構成を子どもたちがどのようにとらえたのか、その実態を知りたい。
 そこでワークシート1を作成した。ワークシートの右側は、第1時で記入させる。左側は最終時に記入させる。子どもたちは、「はじめの感想」にどんなことを書くのだろう。それが楽しみだ。「5nensakurasou1.pdf」をダウンロード

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月13日 (日)

5年 サクラソウとトラマルハナバチ 1

 5年生の国語の説明文は「サクラソウとトラマルハナバチ」である。
 互いにつながりあっている生き物全体を守る必要がある、という趣旨の文章である。4年「『かむ』ことの力」、6年「生きものはつながりの中に」と併せて考えてみると、教科書編集者の意図が見えて面白い。
 それぞれの教材文が、健康、自然環境、命、といった主題をもっており、その向こう側に見える筆者の考えを読み取らせようという意図である。ちなみに、作者は鷲谷いづみ氏。東京大学大学院農学生命科学研究科教授であり、WEB上でも情報が得られる。
 6時間の授業で焦点化すべきことを二つにしぼる。
 一つめは、文章の構成である。この説明文は「サクラソウが絶滅に瀕しているのはなぜか。」という大きな問題提起に対して、「サクラソウの受粉の仕組みは、トラマルハナバチとの協力に依存している」という内容と「トラマルハナバチが生きていくためには他の花々やネズミが必要である」という内容の二つのまとまりで構成されている。この文章の構成を子どもたちが理解することだ。
 二つめは、子どもたちが作者の主張に対して自分なりの意見をもつということだ。ただし、「環境問題が大切だ」などといった抽象論ではすませるべきではないだろう。自分自身の自然環境を見つめ直させたい。

 それにしても、指導書では、このような文章がとても多い。
○「話題提示文をとらえる」
○「指示語の指示内容を丁寧に押さえる」
○「筆者の思いをとらえさせい」
○「指示語を押さえる」
○「トラマルハナバチの役割をとらえる」
○「かかわりについて押さえる」
○「トラマルハナバチの秘密をとらえる」
○「要旨を的確にとらえる」

 「とらえる」と「押さえる」のオンパレードだ。(似たようなものに「読み取る」「つかむ」という言葉もある。)一体、どうやれば、子どもたちは「とらえる」ことができて、教師は「押さえる」ことができるのだろう。
 教師が段落ごとに発問を出して、子どもたちに考えさせ、教師が板書でまとめていく方法もあるだろう。グループ内で子どもに協同で解決させていく方法もあるだろう。
 他の教師はどうやっているのだろう。(つづく)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年5月12日 (土)

教師の仕事術 7

「手帳に思いついたことをメモする」

 私には手帳が手放せない。
 以前は、ファイロファックスや六穴手帳などのビジネス手帳を使っていたが大きすぎて使いにくかった。
 夏場でもズボンのポケットに入るくらいの小さいものがほしかった。いつでも取り出してメモできるからだ。
 今は、ダイゴー株式会社の「ハンディピック」という手帳を使っている。これは、とにかく薄い。
 しかも、リフィルを組み合わせると自分だけのオリジナル手帳ができる。
 これに「年間スケジュール」と「フリーメモ(ミシン目入りなので、いつでも切り離せる。)」を入れている。
 また、学校の「月予定表」をB5に縮小コピーしてはさんでいる。名刺も入れられるので便利だ。

 スケジュールが最重要なのは言うまでもないが、「フリーメモ」が極めて重要だ。
 メモは何かを記録するためだけのものではない。自分の「思いつき」を書き留めておくものだ。そうしないと、思いついたという事実すら忘れてしまうからだ。
 何か常に追いかけているテーマがあるから、ちょっとした時にアイデアが浮かぶ。それをメモする。
 たとえば、授業のアイデアやプレゼンテーションの内容などを短く書いておく。
 バスやタクシーを待っているときや、食堂で料理が来るのを待っているときは、メモ時間として最適だ。
 退屈な研修会のときも、聞いているふりをして、別のことをメモしている。
 このような細切れ時間の方が、なぜか面白いアイデアが浮かぶことが多い。不思議である。(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月11日 (金)

4年 「かむ」ことの力 6

 「『かむ』ことの力」に限ったことではないが、説明文指導では、検討する教材文そのものが教室前面に提示できると、全員での検討が行いやすい。従来は、模造紙に書き出したりしていたが、その準備の時間に膨大な時間がかかっていたし、また、教室の後ろからは見えにくいという問題もあった。
 デジタル教科書では、大きな文字で教材文を投影できるので、文章の検討が実に行いやすい。一枚目の写真は、第一段落の四つの文の中でもっとも大切な文を検討しているところである。一人の子どもが色分けされた文の中で、「書かれていなくても意味が通じる文」を指摘しているところだ。子どもたち全員が、前を向いて、その様子を見ることができる。
 二枚目の写真は、「書かれていなくても意味が通じる文」をマーカー機能を使って、実際に消した様子である。実際に消してみると、「大切な文」が浮かび上がる。
 説明文の場合、教材文そのものが検討される対象となる。その対象が黒板に投影できれば、子どもたちの意識は集中する。
 不思議なもので、デジタル教科書を使った授業が日常的になると、これが「当たり前」になってしまう。ちょうど、教室に黒板があるのが当たり前になっているのと同様である。Digital1
Digital2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月10日 (木)

5年 言葉の研究レポート 1

 5年生は、言葉について調べたことをレポートにしてまとめるという学習を行う。資料を用いて調べながら、課題設定の方法や、レポートとしての構成を学ぶことになる。かなり難しい単元であった。
 「昨年度の私」は、どんなことを「今年度の私」に伝えようとしていたのだろう。昨年度6月2日のブログを読むと、様々な反省点が書かれいてる。「課題設定を学習のシステムとして組み込むべきだ。」という意見である。
 また、6月6日のブログでは、次のように述べている。
***********************
 そう考えると,「言葉の研究レポート」の導入場面では,「四字熟語」「動物などの漢字」「季節に関する漢字」「ことわざ」「慣用句」「流行語」といった様々な言葉を提示して,みんなで気づいたことを話し合ったり,疑問を出し合ったりする方がいいのではないだろうか。(2006年6月6日)
***********************
 導入段階のヒントが書かれている。
 また、6月9日のブログでは、学習設計の代案として、次のように述べている。
*************************
 教科書の例文では「『つゆ』は,なぜ『梅雨』と書くのか」という「問い」に対する結論が書いてある。このように,自分で「問い」を立てられる子どもは問題ないが,実際には「問い」を立てることそのものが難しい。
 ある子が,虫偏のつく漢字に興味をもって,ノートに,たくさん「虫偏の漢字」を書いてきていた。このままだと,単純に「虫偏の漢字あつめ」で終わってしまう。「問題の解決」になっていない。 教師側のサポートとしては,「蝶,蟻,蝉,蛇,蜻蛉,蛙」といった漢字から,「蛇や蛙は昆虫ではないのに,どうして虫偏がつくのかな?」という問いを立てることにした。こうなると,子どもは「虫」が本来もつ意味を調べるようになる。
 別のある子は,植物の漢字を調べていった。「朝顔,向日葵,百合,桜・・・」。私は,「この中で,明らかに読み方が普通と違うのはどれ?」と尋ねた。その子は「向日葵と百合」を指摘した。じゃあ,それを調べてみてごらんと告げる。百科事典が大活躍となる。(ちなみに『百合』は,球根の鱗片がたくさん合わさっているので,そう漢字で書くのだそうだ。)
 もちろん,子どもたちが自分で「問い」を立てられるようになることが理想なのだが,現実は難しい。それは,調べられる資料にも左右されるからだ。たとえば「山茶花は,なぜこう書くのか」という問いを立てた子どもがいたが,辞典には「サンサカの転」という意味程度しか書いていない。「『海女』と書いて,なぜアマと読むのか」という問いを立てた子どもは,資料に山ほど由来が書いてあったので,たくさん調べることができた。(ちなみみ,アマは『うみ』そのものから来た言葉であり,アマは漁業関係者全般を指した。男性を『海士』と書き,女性を『海女』と書く。)
 このような状況が生まれることを前提に考えるならば,以下の改善策が考えられる。
(1)教師は,問いを立てさせるための資料をいくつか準備しておく。
(2)子どもたちは,グループで複数の問いを考える。(4人いれば,8つ以上の「問い」候補)
(3)資料を共有しながら,問いが解決できそうかどうかの見通しをもたせる。
(4)それぞれ,どの「問い」で調べていくかを選択して本格的に調べる。
*************************
 「昨年度の私」からもらったアドバイスを、「今年度の私」が改善・発展させていくことになる。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

4年 「かむ」ことの力 5

 「かむ」ことの力はについては、忘れないうちに改善指導計画を書いておきたい。

1時間目:教材文を通読し、はじめの感想を書く。
2時間目:音読の練習。1と2の段落を要約する。
3時間目:音読の練習。3、4の段落を要約する
4時間目:音読の練習。5、6、7の段落要約する。
5時間目:音読の練習。8、9の段落を要約する。
6時間目:オリジナル教材と「サンゴの海の生きものたち」の段落構成を図にまとめる。
7時間目:「ありの行列」と「『かむ』ことの力」の段落構成を図にまとめる。
8時間目:マインドマップを書いて作者が言いたいことをまとめる。おわりの感想を書く。

留意すべきこと
(1)4年生の実態から考えると要約の方法を身につけさせた方がよい。
 段落の要約は、急がずに少人数で話し合わせながら、キーワードやキーセンテンスを探させる。
(2)2時間目から5時間目までは、辞書で新出語句(「成文」「初期」など)を調べさせる時間をとりながら行う。
 新出語句を辞書で調べさせる時間を一度にとってしまうと、はやく探せる子どもとそうでない子の差が激しく出てしまうからである。また、毎時間辞書を使わせることで、辞書の使い方に慣れさせたい。
(3)音読指導を重視する。全員がすらすら読める程度の練習の時間は確保したい。
(4)デジタル教科書を毎時間活用する。これは極めて便利だ。というよりも、時間的なことを考えると、デジタル教科書がないと成立しないだろう。

発問の方法
 段落ごとに、発問を変えながら進める。一度に要約させようとすると、できない子どもは全くできない状態に陥るからである。また、発問の後は必ず3人グループで話し合いをさせながら進める。
第1段落
「いくつの文章がありますか。」
「もっとも大切な文章を二つ選びなさい。」
 デジタル教科書で、最初と最後の文を消してみると、文の重要度の差がよく分かる。
第2段落
「もっとも大切な文章を選びなさい。その理由を考えなさい。」
ここで大切なことは「脳」である。脳が、筋肉やだえきの指令を出すからである。これが指摘できるようにする。
第3段落
「もっとも大切な文章を選びなさい。その理由を考えなさい。」
ここでは「つまり」の働きが重要である。「つまり」は辞書で調べさせて「短く、まとめると」という意味であることをおさえる。言葉には「まとめ」の働きがあるものがあることを理解させる。
第4段落
「ここは、何のことについて書いてありますか。」
 ここでは「だえき」という言葉がかえってくる。
「だえきの働きが書いてある文章を選びなさい。一つとは限りません。」これは、子どもたちはよく考えた。「また」という言葉に着目できるようにさせる。
第5段落
一文しかないので、敬体を常体に変える。
第6段落
「もっとも大切な文章を一つ選びなさい。その理由も考えなさい。」
 この段落は、キーセンテンスが中にある。これを探せるかどうかがポイントだ。
第7段落
「もっとも大切な文章を一つ選びなさい。その理由も考えなさい。」
 ここでは「ですから」という言葉が重要になる。これもまた、結果をまとめる言葉になる。
第8段落
「もっとも大切な文章を一つ選びなさい。その理由も考えなさい。」
 二つの文章から成り立つ。まとめてあるのは最初の文であり、二番目の文は「朝ごはん」の例である。例よりも、まとめの文章が大切であることに気づかせたい。
第9段落
「第1段落でまとめた『問題』に対する答えが書いてある部分を見つけなさい。」
この段落は「まとめ」の文章である。したがって、問題提起に対する答えがまとめてあるはずだ。問題提起は「かむって、どういうことでしょう。」「よくかむと、どんないいことがあるのでしょう。」なので、この答えにあたるところが、1番目と3番目の文ということになる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月 9日 (水)

生きものはつながりの中に 11

 授業をふりかえってみると、反省点が山ほどある。
 まず、最後の意見文の課題設定。そのための目的意識が低かった。つまり「何の目的で意見文を書くのか」という課題が曖昧だったのである。それで、子どもたちの意識もそれほど高くなかった。
 協同で何かをつくる場合は、その意義や目的が極めて重要な要因になる。協同してプレゼンテーションを行ったり、ニュース番組をつくったりする場合は、それが明確なので、子どもたちも自然と協力しあう。しかし、今回の意見文は、「誰に向けて、何の目的で書くのか」というところが不明確であった。
 それから、それぞれの意見文の内容が似てくる、というデメリットもあった。今回は、「(問題提起)」「まず」「次に」「そして」「(まとめ)」という5段落構成の文章を書いたのだが、もっと短いものにして焦点化してもよかっただろう。「私たちの主張」を一つにしぼって「掲示板にはる」という方法も考えられる。
 意見文を協同で書くと、それぞれの文章を真剣に読むようになるし、論文のまとめ方も考えるようになる。そのメリットは生かしたいが、課題も多く残った。

 なお、今回の「生きものはつながりの中に」では、第1時間目に「はじめの感想」を書いている。たとえば、このようなものだ。
********************
 今まで、ロボットは生き物そっくりだと思っていました。けれども、よく考えると、ロボットは、生き物といっしょではないことが分かりました。ロボットと生き物のちがいも分かりました。ロボットはつながっていけないけど、生き物はつながっていけるなどのことです。私は、この文に書いてあるように、文を読んでいるうちに、生き物として生きていることが、とてもすてきなことと思えました。
********************
 この子どもは、「はじめの感想」と「協同で作成した意見文」を比較して、次のように学習後の感想を書いている。
********************
 中村さんが本当に伝えたいことは、ロボットと生き物のちがいではなく、これからの日本のことを伝えたいのだと思いました。最初に書いた文では、ロボットとの関係ぐらいしか分かっていませんでした。けれども、文の意味をちゃんと分かり、意見文を書いていくと、一つの文からたくさんのことが分かりました。これから、感想文などを書く時は、一つの文からたくさんの自分の考えを出してから書きたいと思います。
********************
 他の子どもたちの「はじめの感想」でも、「ロボットのイヌと本物のイヌの違いがよく分かった」といったものが多かった。「協同による意見文」とを比較すると「自分の学び」がよく見える。説明文の授業においては、「はじめの感想」を残しておくことは有効な方法であろう。読みを深めた「証拠」となるからだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月 8日 (火)

生きものはつながりの中に 10

 第6時は最終段階となる。第5時までに書いた個々の意見文をまとめて、一つの意見文にしていく。
 子どもたちは、まずハサミで自分の意見文を切り取って、メンバーの文章を順番どおりにならべる。そして、互いに読み合って、おかしな文は書き換えて誤字脱字などを修正していく。敬体・常体の統一もはかっていく。
 この作業は、メンバーが同じ方向を見ていないとならない。それぞれが文をチェックしないといけないからだ。
 この方法のメリットは、それぞれが文章表記のおかしなところを修正できるところだ。この作業で8割程度の文章が良くなっていく。
 教師は、それぞれのグループを回りながら、内容面のアドバイスを行っていく。たとえば、「具体的な事実を入れてみよう。」「あなたの生活の事として考えてごらん。」といった具合である。
 教師に「合格」をもらったグループは、清書して色画用紙にはりつけて完成となる。その後は、まとめの作文を書く。この作文は、「教材をはじめて読んだときの感想」と最後に完成した「意見文」を読み比べた感想である。
 これでも、45分間を使い切った。(つづく)
Ikenbunhanashiai
Ikenbun

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月 7日 (月)

教師の仕事術 6

「やるべきことは全て付箋紙に書く」

 今日、行わなければならないことは、大きめの付箋紙に書き出しておく。
 どんな小さなことでも書いておく。たとえば、「○○先生へ電話」「お礼のはがき」といったことも書いておく。小さいことほど忘れやすいからだ。
 提出期限があるものは、別の小さめの付箋紙に書いておく。たとえば、提案文書や雑誌論文などは、執筆までに一定の期間が必要になる。だから、「社会科教育9月号 提出締め切り六月二十日」などと書いておいて、その紙にヒントになりそうな言葉も一緒に書き加えておくと後で役に立つ。
 たとえば、「教師修業への助言」という論文のテーマの付箋紙には「ブログ」「読み返し」「内省」などの言葉も書いてある。思いついたことは、この付箋紙に直接書くので、実際に文章を書き出すときに、それらの言葉が手がかりになる。
 付箋紙をはる場所は、もっとも目に入りやすいところがよい。
 自宅の場合は、コンピュータのディスプレイの下部に貼っている。
 学校では、週案に貼っている。教師の場合、職員室と教室を行き来しないとならないので、職員室か教室かどちらか一方に貼ってしまうと見逃してしまうからである。週案であれば、毎時間見ることになるので見逃しにくい。
 仕事が終わったら、線でしっかりと消しておく。これが快感だ。
 やり残しの仕事は、そのままにしておく。無理に終わらせない。
 次の日に、前の日の付箋紙に残っているものを付箋紙に書き出してから、仕事のスタート。(つづく)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年5月 6日 (日)

教師の仕事術 5

「 書類は整理に時間をかけない」

 書類は、大きく五つに分けることにしている。
 一つ目は、学校の職員向けに書かれた提案書類。たとえば、避難訓練やプール開きなどの各種の方案である。これは、大きなファイルにまとめてとじる。なくさなければいいので、取り出すのに多少時間がかかってもかまわない。職員会議の最中にパンチで穴をあけて、その場でとじてしまう。右袖一番下の引き出しに入れる。
 二つ目は、後ほど資料として役立ちそうなものだ。たとえば、文部科学省、教育委員会、ユニセフ、ベネッセなどの機関が発行しているものだ。これらは袋ファイルに入れて右袖一番下の大きな引き出しに入れる。また、授業で使ったワークシートなども同様に袋ファイルに入れる。
 三つ目は、出張依頼や復命書の類である。特に私の場合は出張が多いので、いつでも取り出せるように、穴をあけないでとじられるZ式ファイルに閉じてある。
 四つ目は、提出書類。簡単なものは、その場で書いてしまう。後日提出しなければならないようなものは、赤いクリアファイルに入れて、中央の一番広い引き出しに入れる。とても目立つ。大事なことは、一つのファイルに必ず一つの書類を入れることだ。
 五つ目は、すぐには捨てられないが、かといって、とじるものでもない、といった書類だ。けっこう多い。それらは、まとめて広い机にほうりこんでおく。すると、一ヶ月もすればたまってくるので、机に入らなくなる。そのときに、必要であるかどうかを判断してまとめて捨てる。
 要は、書類の整理に時間をかけないことである。時間がかかる方法は続かない。(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月 5日 (土)

教師の仕事術 4

「職員室の机上に物を置かない」

 勤務時間に、可能な限り仕事を終わらせることも大事である。特に提出書類や回覧書類など、教材研究とは関係のない事務的な仕事もけっこう多いはずだ。
 そこで、数年前から透明マット以外は一切の物を机上に置かないことにした。
 筆記具やナイフ、ハサミ等は、右袖の一番上の引き出しに入れてしまう。
 ステープラーやスタンプ、パンチなどの道具類は、右袖の上から二番目の引き出しに入れる。
 書類関係は、すべて右袖一番下の大きな引き出しと、中央の広い引き出しに分類して入れてしまう。(書類の分類方法は、後述する。)

 数年前、私の机上は書類と本が山積みされていた。どこに何があるのか、まったく分からない状態だったので見た目が悪いばかりではなく、仕事の効率が極めて悪かった。
 机の上に何も置かないことを一度決めてしまうと、仕事をその場で処理しなくてはならなくなる。机の上に何かがあれば、それは「未処理」なのである。急いで片付けないと、次の「未処理」がやってくることになる。
 筆立てや書類を入れるトレイなどを置くと便利だろうと思って試したこともあるが、結局、小さな「未処理」がたまっていくことになってしまった。
 勤務終了時間の十分前は、「机上整理の時間」にする。午後五時勤務終了であれば、午後四時五十分からは、机の上に何も残らないように、さっさと片付ける。これは習慣になった。(つづく)
Tsukue

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年5月 4日 (金)

生きものはつながりの中に 9

改善案については忘れないうちに記録しておこう。
(1)第1時:全文通読。初発の感想をワークシート1の右半分に記入する。
(ワークシート1:6nenikimono1)
(2)第2時:意味調べ。音読練習。段落構成をまとめる。
 発問1「問題提起をしている文はどれですか。」
 発問2「まとめの文はどれですか。」
 発問3「ワークシート2の右側に段落番号を入れなさい。」
 発問4「8段落に小見出しをつけなさい。」
(ワークシート2:6nenikimono2)
(3)第3時:ロボットと本物のイヌの違いを整理し、生き物の特徴をまとめる。
 これは、2〜6の段落の要点を整理しながら7の段落をまとめる。
 ワークシート2の左側に、班で話し合いながら整理していく。
 デジタル教科書が必需品となった。
(4)第4時:マインドマップを書いて、自分なりの意見をまとめる。
 ワークシート3の右側にマインドマップを書く。
 左側に自分なりの意見文を書く。
(ワークシート3:6nenikimono3)

 ここまでで、4時間分を終了。中身がかなり濃い。
 問題は5時間目である。自分たちの意見文を交換させたい。ワークシート4を使う。
(ワークシート4:6nenikimono4)

 はじめの学級では、グループの構成員をばらばらにする方法をとった。まず、4人1グループが5つある状態からスタート(少人数なので)。グループ内でメンバーにNo.1からNo.4までの番号をつける。各グループからNo.1だけの子どもを集めて、新たな5人のグループ1を作る。同様に、No.4まであらたなグループを作成していく。つまり、5人1グループを4つつくる。
 その新たなグループの中で自分たちの意見文を読み合い、納得したことをノートにメモするように指示する。マインドマップのときに話し合っているメンバーの意見とは違うので、黙って読んでいる。
 10分後、元のグループにもどって、グループで意見文の分担を話し合って決めて、自分の担当を書く。
 この流れは、時間がかかる。家庭訪問のために40分授業であったので、時間が完全に不足した。

 そこで、次の学級では、グループの構成員をばらばらにせずに、元のグループのままで行うことにした。自分のグループの中で意見文を互いに読み合い、納得したところや良い意見には朱線を引かせる。そのあと、グループで意見文の分担を話し合って決めて、自分の担当を書く。これだと時間はかからない。40分授業でも何とか間に合う。

 時間的には2番目の方法がよさそうだったが、子どもたちの自己評価カードを見てみると、そうではなかった。1番目の学級では、「他のグループの友達の意見がとても役だった」と書いている子どもが多かった。このような意見は、自己評価カードを毎日書かせているから分かるものだ。子どもたちの様子を外から見た感じだけでは分からない。子どもたちは黙って読んでいるように見えても、実は多くのことを学んでいたのである。

 そう考えると、1番目の方法を効率的に行う方法がベストのようである。次の時間が最終段階となる。グループで一つの意見を書くことになる。教室で行われている授業は、時間との勝負である。40分授業と45分授業では、まるで違う。同様に、6時間取り扱いの授業と8時間取り扱いの授業とでは、授業設計が全く異なる。時間はコストだ。決められた時間の中で最善の教育効果を上げることが教師には求められる。

 ちなみに、ワークシート4では、「まとめ」の文章が一番難しい。だから、子どもたちには「まとめが一番難しいので、担当者を決めるときはしっかり話し合いなさい。」と指示した。
 まとめ担当の子どもたちには、次の助言を行った。
 「中村さんは『あなたは生き物です。』と書き出して、『あなた』に向かってよびかけているのだから、『わたしたちは〜』という主語を使った文章にして、自分たちの生き方について語るとよいでしょう。」
 この助言を聞いて、頷いている子どもが多かった。何を書くべきか、が見えてきたからだろう。

 第6時は、これをグループで話し合いながら整理して一つのつながりのある意見文に改良していく。これが、また大変な作業である。読んで、話し合って、書いていく活動となる。
「6nenikimono1.pdf」をダウンロード

「6nenikimono2.pdf」をダウンロード

「6nenikimono3.pdf」をダウンロード

「6nenikimono4.pdf」をダウンロード

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年5月 2日 (水)

生きものはつながりの中に 8

 子どもたちは、マインド・マップを見ながら、自分なりの意見文を書くことができた。ここまでで第5時が終了。しかし、まだまだ不十分である。
 そこで、第6時に、子どもたちに次のように指示を出す。
 「意見文としては、まだまだ不十分です。そこで、班の中で話し合って、一つの意見文を作りましょう。そのことによって、よく内容を考え、文章を検討し、筋の通った意見文が書けるようになります。」
 グループで取り組む意見文を5つの段落構成にする。
(1)問題提起「中村桂子さんは、私たちに何を考えてもらいたいのでしょう。」
(2)問題への答え1「まず・・・」
(3)問題への答え2「次に・・・」
(4)問題への答え3「そして・・・」
(5)まとめ
 子どもたちは4人グループなので、(2)(3)(4)(5)を担当することになる。(1)は内容がほぼ決まっているので、誰が書いてもそう変わらない。
 まず、子どもたちはどの段落にどのようなことを書くのかを話し合う。たとえば、(2)が自殺の問題、(3)が環境の問題、(4)が食べ物の問題というように分担する。それからワークシート(ikenbuntan.pdf)に自分の分担分を書く。
 全員分ができあがったら、ならべてみて文章の流れを検討して教師のところに見せに来る。合格したら、色画用紙にはって完成。
 この作業を1時間で行う。かなり厳しい。
 全員で、一つの意見文を書く、という方法は悪くはない。なぜならば、それぞれの文章を検討することになるし、意見文の一つの型を習得することもできるからだ。
 しかし、時間が不足した。書いて並べるだけで1時間かかってしまったからだ。文章をじっくり検討する時間がとれなかった。
 6時間取り扱いの単元なので、ここで終わってしまう。もったいなかった。もっと、自分たちの意見を深めさせたい。そこで、別の学級では、改善策を試みることにした。(つづく)
 「ikenbuntan.pdf」をダウンロード

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月 1日 (火)

教師の仕事術 3

「勤務時間に仕事を終わらせない」

 よい指導方法を学ぶことは、基本的に良いことなのである。
 特に、新卒の頃の教師は、それこそ「何も分からない状態」で教壇に立たされる。だから、とにもかくにも、教育書を読んだり、同僚にたずねたりしながら、指導方法を身につけなければならない。がむしゃらに勉強しないとならない時期だろう。
 だが、次々に押し寄せてくる毎日の授業に、その場限りの対応をしていたのでは、その方法がよかったのかどうか、考察することができない。
 自分が行った指導方法が本当によかったのかどうか、改善の余地はないのかどうか、一日の中で振り返る時間が必要なのだと思う。
 「成功体験の連続」よりも、「振り返りの連続」の方が、教師の習慣形成として重要なのではないだろうか。
 そう考えると、勤務時間の中で教師の仕事を全てこなすことは不可能だ。少なくとも、私のような凡人には、それほど時間を効率的に使える才能はない。
 だから、私は勤務時間内では、学校でしか行えない仕事に専念することにした。たとえば、同僚との打ち合わせや教室設営、大きな教材教具の準備、予備実験などである。
 そうすると、教材研究は自宅でゆっくりとできる。授業の振り返りも、関連する図書を読むこともできる。
 (これは、子育て真っ最中のときは難しいが・・・。)
 今でもそうだが、私は勤務時間終了と同時に学校を出て、家族と一緒に夕食をとることにしている。(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »