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2009年2月28日 (土)

民話をICTで蘇らせる 15

 子どもたちは、グループごとに小部屋に移動して、朗読の練習を行う。これは、たっぷり1時間をかける。どの程度の速さと音量で読めばよいのか。あるいは、間の取り方やイントネーションはこれでよいのか、そのようなことを話し合いながら練習を進めていく。
 ここでも、小さなもめ事が起こることがあるが自力で解決していくしかない。それぞれのグループを回っていくと、リーダーシップを発揮できる子どもがいるグループでは、「声の大きさをチェックする係」を決めたりして効率よくやっている。そのような良いアイデアは私が他のグループに伝えることにしていった。
 子どもたちが苦戦しているのは、方言である。大人でも難しい。しかし、この方言を、それらしく読めるようになることも学習の一つである。もちろん、難しい言葉は私が教える。

 ある程度、練習ができたグループから録音を開始することにした。今回は、コンピュータの内蔵マイクではなく、PCMレコーダーを使うことにした。
 以前は声を記録する機器としてICレコーダーが使われているが、このPCMレコーダーは、高音質・非圧縮のデジタル音声の録音ができるものである。コンピュータとはUSBで簡単に接続できる。しかも、GarageBandにいきなり読み込むこともできるので極めて便利である。
 私が使用している機器は、最初から2ギガの外部メモリやスピーカーがついている。しかも小さくて細いので、一見すると携帯電話のように見える。実際にこの機器を持って空港や電車の音を録音したことがあるが、誰からも怪しまれることはなかった。
 録音してみて驚いた。雑音が全く入らない。しかも、子どもたちの声の大きさもある程度自動的に補正してくれる。極端に小さくもならなければ、レベルオーバーにもならない。(つづく)
 

Renshu1
Renshu2
Rokuon1
Rokuon2

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2009年2月27日 (金)

民話をICTで蘇らせる 14

 子どもたちの作品と音声とでサンプルを制作してみることにした。音声入力はGarageBandでコンピュータ内蔵のマイクを使う。映像はiMovie09である。
 音楽は【SHW】フリー音楽素材集の中から使用させていただいた。
 (sample7.movを参照。動画を高めに圧縮している。)

 サンプルを子どもたちに見せると、見通しが立てられる。
 やってみて分かったことは、「間」の取り方である。子どもたちにとっては、「間」が分かりにくい。すらすらと途切れなく読んでも、かえって聞き取りにくくなるからだ。(つづく)「sample7.mov」をダウンロード

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2009年2月24日 (火)

民話をICTで蘇らせる 13

 音楽をどうするか。この問題は大きい。6年生であれば、自分たちで音楽や効果音を考えさせることもできるだろう。しかし、今回は3年生である。しかも、民話なので和楽器や日本風の旋律が望ましい。

 そこでネットで検索しながら、使用できそうな楽曲を提供しているサイトを探してみる。
 いいサイトを発見。

1、水の宮・和風素材

2、【SHW】フリー音楽素材

3、音楽工房夢見月

4、学校で使える素材集

 それにしても、和風の音を出すのはけっこう難しい。GaregeBandにしても基本的には洋楽系なので、和太鼓や笛、琴、三味線の感じは出しにくい。

 このようなサイトで楽曲を提供して下さっている方々に心より感謝申し上げたい。

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2009年2月22日 (日)

民話をICTで蘇らせる 12

 となりの学級では、「B3画用紙+水彩絵の具」という組みあわせではなく、「A4画用紙+色鉛筆」という組みあわせでやってもらった。メリットは、着彩の時間を短くすることができることと、輪郭線を明確にすることができることである。デメリットは、どうしても部品が小さくなることだ。細かな作業が必要になる。

 今回はデジタルカメラではなく、実物投影機で撮影した。コンピュータと直接つながっているので、状態をモニターで確認しながら作業をすることができる。圧倒的に早い時間で撮影が完了した。しかも、解像度が高いので、後から部分的にアップすることも可能である。

 教育的にどちらが良いかということは判断できない。授業のねらいによって異なるからである。学習には「時間」が伴う。コストとして使える学習時間と、教育効果を考えながら、よいより選択を教師が行っていくしかない。(つづく)Yc430
Yc4302
Neko08
Neko04

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2009年2月20日 (金)

民話をICTで蘇らせる 11

 協同で学習活動を行う際、「けんか」や「もめ事」がおこってくる場合がある。私は、あえて仲裁をせずに次のような話を行うことにしている。
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 グループで活動は、みんなで協力して高い山に登っているようなものです。その途中には、いろいろ苦しいこともあります。がけくずれがあったりすることもあるでしょう。今、「けんか」や「もめ事」で苦しい思いをしているグループは、まさにがけくずれのまっただ中にいるのです。このがけくずれに負けてしまうか、それとも自分たちの力で乗り越えるか、それはあなたたち自身の力にかかっています。このように「協力して困難をのりこえていく力」を高めることも、総合的な学習で学ぶ大切なことなのです。
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 2月10日のある子どもの自己評価カードには次のように書かれている。
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2月10日:今日、○○くんと○○くんがけんかをしました。わたしたちは、先生が言ったように、がけくずれの中なのかもしれません。今まで協力しあったのに、なぜ協力できなくなったのでしょうか。今度は、もめごとがないように、がけくずれからだっしゅつしたいです。
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 不思議なもので、大きなもめ事があった後のグループは次の回は立ち直っている。同じ子どもの2月16日の自己評価カードである。
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2月16日:今日は、がけくずれからだっしゅつできたような気がします。なぜなら前より男女なかよく学習できるようになったからです。
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 一度でも苦しい思いを経験しているグループは以前よりも強くなる。「○○くんに腹が立った」という主観的な見方から、「怒ってけんかしている自分はどうなのだろう」という客観的な見方ができるようになるからだ。
 教育にはコンフリクト(摩擦・衝突)が伴う。

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2009年2月19日 (木)

民話をICTで蘇らせる 10

 着彩を絵の具で行うと4時間もかかってしまった。さて、その後が大変である。撮影を行うことになるからだ。

 各グループに1台ずつのデジタルカメラを配布して、場面を変えながら撮影を行うように指示した。子どもたちは、登場人物の動きや表情を少しずつ変化させながら撮影を行うことになる。アップしたいところは、そのまま登場人物にカメラを近づけて撮影していく。思ったよりもデジカメの操作はスムーズだった。

 問題は8名のグループでどの程度協力ができるかということだ。私の授業における協同学習のための1グループの人数は、中学年で3名、高学年で4名を原則としている。したがって、今回のような8名グループというのは異例なのである。おそらくは、うまく機能しないだろうと考えていた。

 結果としては、まだ絵が完成していないグループは、絵を完成させる子どもたちと、撮影する子どもたちとで役割分担をしていてうまくいっていた。
 ところが、すべての絵が完成していたグループでは、案の定、撮影を積極的している子どもたちとそうではない子どもたちに二分された。そのうちに、「どうして、ちゃんと撮影しないの?」と怒り出す子どもたちと「だって、やることないもん。」と反論する子どもたちとに別れて喧嘩になりそうな状態のところも出てきた。こういう場面のときは、私は、子どもたちの学習の様子をじっと観察することに専念する。喧嘩の仲裁には入らない。(つづく)Satsuei0
Satsuei1
Satsuei3
Satsuei4

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2009年2月18日 (水)

D-project2 春の公開研究会3月20日(祝・金)

今年もD-projectは春の公開研究会を、3月20日(祝・金)に、東京で行います。
テーマは「活用型学習で育むメディアで創造する力」。
当日は、フィンランドメソッドの北川達夫氏の基調講演、6つの実 践発表セッション、3つの参加型ワークショップなど盛りだくさんです。
なお、先着100名でしめきります。
申し込みは下記にアクセスを。お早めに!
http://www.d-project2.jp/kantou2009/index.html

Sidemenu_logo1

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2009年2月17日 (火)

民話をICTで蘇らせる 9

 着彩をしていて感じたことだが、水彩絵の具は難しい。特にB3の画用紙に絵の具を塗っていくのは、かなり時間がかかる。しかも、黒い輪郭線が消えてしまうこともあって、色の濃さが問われる。
 子どもたちには、まだ明度差が分からない。したがって、教師から「背景を薄く塗って登場人物を濃く塗りなさい。」と指示されてもぴんとこないのである。
 だが、1枚の絵を協力して着色していく様子などは、通常の図画工作の授業では見られない光景ではあった。これは、これで面白かもしれない。

 しかし、絵の具のデメリットは大きいと判断して、となりのクラスには、あえて「B3画用紙に水彩絵の具」ではなく、「A4画用紙に色鉛筆」という選択をしてもらった。
 この二つでは、展開が大きく異なることになる。
 
Enogu
Enogukirinuki

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2009年2月16日 (月)

民話をICTで蘇らせる 8

 付箋紙は班長がA4の紙にまとめて貼り付ける。その中から必要なものを選び出して、役割分担をして描くことになる。
 同じ紙芝居を作成するのに、それぞれが違う絵を描いているという不思議な光景であった。案外と難しいのは、色と輪郭線のバランスであった。輪郭線がある程度濃くないと、登場人物が浮き出さないのである。そのためには色をある程度うすく塗る必要がある。
 テレビのアニメーションでは、たしかに輪郭線がくっきりとしている。だから、登場人物が浮き出すのであろう。
 それにしても、子どもたちはこの複雑な作業をてきぱきとこなしていた。これには私もびっくりしてしまった。Fusenkeikaku
Ewoegaku1

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2009年2月13日 (金)

民話をICTで蘇らせる 7

 スケッチがほぼ終了したところで、「背景」と「部品」についての説明を行う。
 以前、子どもたちは図工の時間の「想像画」の単元でも同様のことを行ったのですぐに理解できた。そして、「絵の計画を立てる」ことをめあてとして、次のように説明した。

「ここに大きめの付箋紙があります。みどりの付箋紙には登場人物などの『部品』を描きます。黄色の付箋紙には、山や池、家の中などの『背景』を描きます。みんなで、まず簡単な線で描いてみましょう。そうして描いたものを見せ合って、最終的に誰がどの絵を描くのかということを決めるのです。」

 つまり、すぐに絵を描く前に、一度付箋紙に描いておいて、どの部分を誰が描くのかということを話し合う時間をもうけたわけである。こうすると、同じような絵を何枚も描く必要がなくなる。背景と部品の組みあわせを変えれば、別の絵を作ることが可能になるからである。

 このような付箋紙を使った計画づくりは、協同学習においては極めて有効である。役割分担が付箋紙という具体的なモノによって明確になるからである。

 問題は、この手の学習を行っていく場合の自己評価である。授業の終了間際3分間で自己評価を行わせる。教師は、それを「評価」していく。次の時間に、数名の子どもたちにそれを読ませるところから出発する。(jikohyouka_sougou.pdf参照)
Haikeitobuhin
Fusenshi
「jikohyouka_sougou.pdf」をダウンロード

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2009年2月12日 (木)

民話をICTで蘇らせる 6

 まずは、子どもたちが選んだ四つの話の台本をコンピュータに入力していく。前置きや難しい話題はカットして、話だけにしぼっていく。全てが方言なので通常の日本語入力ができにくい。やたらと時間がかかってしまった。とにもかくにも、一話を3ページ程度にまとめる。(misoccho.pdf参照)どのような絵が何枚必要なのかということは、こちらで示すことにした。たとえば、「七島畑でねむってしまった二人」「火の中をにげる二人」といった文章表現にしておいて、台本右側に示すことにした。どのような絵が何枚必要かということは、台詞の長さにもよるからである。

 子どもたちは8人から9人のグループである。かなり多い。その台本を見せると、子どもたちはすぐに興味を示して読んでいた。その後は、図書室に行ってアイデアスケッチを描くことにした。これがまた大変な作業である。
 「サル」「カニ」「ウグイス」「ミソサザイ」などの動物は、図鑑で調べなくては絵が描けない。また、リアルに写生しても民話っぽくはならない。
 また、昔の人の家や着物、道具なども調べなくてはならない。これは、図鑑というよりは、昔話の絵本を見ながら描いていたようであった。

 私は動物や着物などを「記憶」で描くのだが、子どもたちにとってはそれができるはずがない。図書室での調べながらのスケッチ活動が続くことになった。先は長い・・・・。(つづく)Minwawoyomu
Doubutsuwokaku
Kimono
「misoccho.pdf」をダウンロード

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2009年2月 9日 (月)

民話をICTで蘇らせる 5

 民話の紙芝居。背景と登場人物とを別々に描いて、それを組み合わせると一枚の紙芝居になるはずである。腕や足などの部品を少しずつ動かして、そのたびにデジタルカメラで撮影していくと、様々な絵ができることになる。

 しかし、本当にそんなことが可能なのだろうか。しかも、3年生である。
 そこで、実際に自分で作成してみた。できそうではあるが、それでも様々な問題がある。まず、紙の大きさである。B3程度の大きな紙がいいのか、あるいはA4程度の小さい紙がいいのか。また、着色は、絵の具がいいのか、色鉛筆がいいのか。紙の厚さはどの程度がよいのか、等々。考えなくてはならないことが、山ほど出てきた。

Kamishibai1
Kamishibai2

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2009年2月 8日 (日)

熊本大学教育学部情報教育研究会例会

 毎月一回、熊本大学教育学部で定期的に研究会を行っている。中核となるメンバーは約10名。
 今回はNHKスペシャル「デジタルネイティブ」を視聴して様々なことをディスカッションした。同じ番組を見ても、それぞれが感じることは違う。それらの意見を聞くことで新たな発想が生まれてくる。
 私が教師になったのは24年前。その頃に比べると、「動画」の位置づけがかなり違うことを感じる。その頃の「動画」はテレビであり映画であった。しかし、今は誰もが自由に動画を編集し発信できるようになっている。動画はコミュニケーションの手段となっているのである。若い人たちがテレビを見なくなり、YouTubeなどの動画サイトを見るようになっているのは分かるような気がする。今後、このような「映像によるコミュニケーション」の傾向はますます強くなっていくだろう。

 会の後半、来年度の取組について自由に話し合ってもらった。最終的には、「映像を教育に活かす」ということで方向性がほぼ決まりつつある。それらの意見をまとめて、次回3月7日の定例会で私が原案を作成して提案する。

 それにしても、本当に私は人材に恵まれていると思う。研究会の場所に必ずやってきて我々現場教師を支援してくれる塚本会長をはじめ、それぞれに得意分野のある人が集まってくるから面白い。音楽教育、英語活動、放送教育、図工美術教育、映像メディア活用、ICT技術 等々、優秀な人たちの智恵と技術がそれぞれを刺激し合って創造的な研究活動が行われていく。本当にすばらしい環境で研究できることに心から感謝したい。

Jouhouken

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2009年2月 6日 (金)

授業で役立つメディア活用講座1月31日

 1月31日に「授業で役立つメディア活用講座」を開催した。
 主催はD-project。共催は熊本大学教育学部情報教育研究会である。
 日程は以下のとおり。わずか3時間30分で,「25秒の映像作品」をつくるという難題がタスクであった。参加者は40名。女性が約半数参加しているところが、情報教育の他の研修会とは大きく異なるところなのかもしれない。

9:00~ 9:05 開会
9:05~10:15 オリエンテーションと実技講座
10:15~10:30休憩 
10:30~11:00「21世紀の教育」
       Apple 一瀬裕子氏
11:00~12:00「学校放送番組の活用と映像編集のポイント」
       NHK ディレクター宇治橋祐之氏
12:00~15:30昼食、映像制作
16:00~17:40作品発表会+表彰式

 作品発表会での作品のレベルの高さに驚いた。コンピュータスキルではない、何か別の「映像への感性」のようなものが要求されるのだと感じた。
 そう考えると、やはり作品評価の部分が極めて重要だと思う。NHKディレターの宇治橋さんのコメントはさすがに「なるほど」と思えた。一般の視点と異なるからである。

 あちこちで多くのワークショップが開催されているが、時間がないので「制作して終わり」になりがちである。主催者側が、作品を分析する視点を身につけていく必要があると痛切に感じた。もっと研究しないとならない。
 とにもかくにも、学びの多い研修会であった。企画してよかったと思う。Shapeimage_4

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