新聞記者になろう 第2時
子どもたちには以下のように話しかけた。
「みんなで、うちの人に学校の様子を伝える新聞を書きます。でも、うちの人がどんなことを知りたいのかが、みんなには分かりません。そこで、うちの人に手紙を書いてたずねることにしましょう。」
ここまでは、子どもたちもすなおに聞いている。
さらに続けた。
「しかし、自分の親に手紙を書く必要はありません。直接聞けばいいからです。だから、友達の親に手紙を書くのです。同じグループの左側に座っている友達のお母さんやお父さんに向かって手紙を書くのです。」
ここで、子どもたちは一斉に「えーっ!!」と声をあげた。友達の親に手紙を書く経験はなかったからである。いやがった声ではない。驚いた声である。
さらに続けた。
「友達のお母さんやお父さんに手紙を書こうとすれば、ていねいな字で礼儀正しく書かなければなりません。『手紙を書く』で学習したことが生かされます。手紙の書き方がしっかり身につくようになります。」
その後は、以下の手順ですすめた。
1、封筒の表に友だちの親の名前をていねいに書く。(『様』をつけて)
2、もう一枚の封筒(返信用封筒)の自分の名前を書く。(『行き』をつけて)
3、教科書の単元「手紙を書く」を読んで手紙を書く。
初めのあいさつ、本文、終わりのあいさつ、後付け
4、返信用の紙を書く。
「ここに書いて下さい。」「ありがとうございました。」
しかも、グループの3人が必ずおたがいにチェックして教師のところにもってくることを条件とした。手紙の内容は、教師の方でサンプルを読むことにした。たとえば以下のような感じである。
「雨の季節に入り、あじさいがとても美しくさいております。お元気ですか。
私たちは、今うちの人に学校の様子を伝えるための新聞を作る学習をしております。つきましては、学校のどんなことを知りたいのか、教えていただけませんでしょうか。専科の先生のことや遊びのことなど、なんでもけっこうですので、書いていただけるとうれしく思います。おいそがしいところ申し訳ありませんが、月曜日までにお願いします。
七月には授業さんかんもあります。来ていただけると大変うれしく思います。お元気で。」
あえて、板書せずに読み上げた。内容は子どもたちに考えてほしいからである。
しかし、あとで分かったことなのだが、子どもたちは一番大切な「学校のどんなことを知りたいのか、書いて下さい。」という一文を書き忘れる傾向にあるのだ。
初めのあいさつにあまりにも時間をかけすぎてしまったからである。そこで、板書に「学校の中で知りたいことを書いて下さい。」という一文を書くことにした。
教師のチェックが終わったら、手紙と返信用封筒、返信用の紙を折りたたんで入れて終了である。自己評価カードを記入してちょうど一時間。
保護者向けには学級通信で以下のようにお知らせした。
**************************
子どもたちは、国語科の「新聞記者になろう」という単元で、学校の様子をうちの人に伝える新聞をつくることになりました。「国語事典」を使って言葉を修正したり友達と推敲しあったりして記事を書いていきます。そして、デジタルカメラで写真を撮影して、「ローマ字入力」を使ってコンピュータで制作をします。
つきましては、子どもたちが「うちの人たちがどんなことを知りたがっているのか」を調べるために、保護者に手紙を書くことになります。しかも、自分の保護者ではなくて、同じグループの友達の保護者に出します。なぜならば、国語で学習した「手紙の書き方」を活用するための良い機会になるからです。子どもたちは、大人に対して「本物の手紙」を書くことになるわけです。
つきましては、大変お手数ですが、返事を書いていただけませんでしょうか。簡単な内容でけっこうですので、「学校や子どもたちのこんなことを知りたい」ということを書いていただけるとありがたく思います。たとえば、「今、どんな遊びをしていますか。」「専科の先生の授業はどんな様子ですか。」といった子どもたちが取材しやすい内容です。月曜日に子どもにもたせて下さい。
子どもたちの相手意識や目的意識が高まると学習意欲も高まります。ご理解とご協力をよろしくお願いします。どんな新聞ができあがるか楽しみです。
**************************
今回の授業は子どもたちはかなり緊張したらしい。しかし、自己評価カードの「やる気」のところは非常に高かった。リアルで必然性のある設定であったからだろう。自己評価カードの自由記述の部分を抜粋する。
○ ○○くんのお母さんに手紙を書きました。どきどきしたけど書けたのでよかったです。
○ わたしたちはよく話し合えてよかったです。理由は分からないところがあったら、教えてやったりできたからです。
○ 分かったことがあります。それは、話し合うと文もいっぱい見つかって早く終わるということです。
○ 今日は、ていねいごで書くとあいてもよろこぶことが分かりました。すこしむずかしかったです。
○ 今日は、協力できたけど、大人の人へ書くのはむずかしかったです。こんどは、もっと協力したいです。



最近のコメント