2009年3月 6日 (金)

民話をICTで蘇らせる 16

 子どもたちは授業参観に向けて一生懸命に練習を行った。リアルな目標設定が子どもたちの意識を高めていく。子どもたちの自己評価カードには、「けんか」や「もめ事」を「がけくずれ」と表現しているものが多かった。「今、がけくずれがおきそうです。」とか「がけくずれがおきました。」といったものだ。このような表現は、自分たちの学習集団を客観的に見られるようになった証拠であろう。

 授業参観では、見違えるほど朗読が上手になっていた。あまりにもすらすらと読めるようになっていたことと、緊張して速く読んでしまったことが重なって、時間よりもうんと短い発表となってしまった。授業参観でも音楽や効果音を入れてみたが、タイミングを合わせるのが難しい。3年生の子どもだけでは無理であろう。教師の援助が必要だ。今ふりかえってみると、録音は、この発表会の後に行うべきであった。その方が朗読が上手になっていたからである。

 生の朗読で発表を行う場合と、録音によるデジタル紙芝居では、構成の仕方が異なることが分かった。次に同様の学習を組み立てる場合は、その違いを意識できる。これは、私の「学び」だ。これから、音声と音楽と効果音を組み合わせてデジタル紙芝居を編集してみる。(つづく)

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2009年2月28日 (土)

民話をICTで蘇らせる 15

 子どもたちは、グループごとに小部屋に移動して、朗読の練習を行う。これは、たっぷり1時間をかける。どの程度の速さと音量で読めばよいのか。あるいは、間の取り方やイントネーションはこれでよいのか、そのようなことを話し合いながら練習を進めていく。
 ここでも、小さなもめ事が起こることがあるが自力で解決していくしかない。それぞれのグループを回っていくと、リーダーシップを発揮できる子どもがいるグループでは、「声の大きさをチェックする係」を決めたりして効率よくやっている。そのような良いアイデアは私が他のグループに伝えることにしていった。
 子どもたちが苦戦しているのは、方言である。大人でも難しい。しかし、この方言を、それらしく読めるようになることも学習の一つである。もちろん、難しい言葉は私が教える。

 ある程度、練習ができたグループから録音を開始することにした。今回は、コンピュータの内蔵マイクではなく、PCMレコーダーを使うことにした。
 以前は声を記録する機器としてICレコーダーが使われているが、このPCMレコーダーは、高音質・非圧縮のデジタル音声の録音ができるものである。コンピュータとはUSBで簡単に接続できる。しかも、GarageBandにいきなり読み込むこともできるので極めて便利である。
 私が使用している機器は、最初から2ギガの外部メモリやスピーカーがついている。しかも小さくて細いので、一見すると携帯電話のように見える。実際にこの機器を持って空港や電車の音を録音したことがあるが、誰からも怪しまれることはなかった。
 録音してみて驚いた。雑音が全く入らない。しかも、子どもたちの声の大きさもある程度自動的に補正してくれる。極端に小さくもならなければ、レベルオーバーにもならない。(つづく)
 

Renshu1
Renshu2
Rokuon1
Rokuon2

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2009年2月24日 (火)

民話をICTで蘇らせる 13

 音楽をどうするか。この問題は大きい。6年生であれば、自分たちで音楽や効果音を考えさせることもできるだろう。しかし、今回は3年生である。しかも、民話なので和楽器や日本風の旋律が望ましい。

 そこでネットで検索しながら、使用できそうな楽曲を提供しているサイトを探してみる。
 いいサイトを発見。

1、水の宮・和風素材

2、【SHW】フリー音楽素材

3、音楽工房夢見月

4、学校で使える素材集

 それにしても、和風の音を出すのはけっこう難しい。GaregeBandにしても基本的には洋楽系なので、和太鼓や笛、琴、三味線の感じは出しにくい。

 このようなサイトで楽曲を提供して下さっている方々に心より感謝申し上げたい。

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2009年2月22日 (日)

民話をICTで蘇らせる 12

 となりの学級では、「B3画用紙+水彩絵の具」という組みあわせではなく、「A4画用紙+色鉛筆」という組みあわせでやってもらった。メリットは、着彩の時間を短くすることができることと、輪郭線を明確にすることができることである。デメリットは、どうしても部品が小さくなることだ。細かな作業が必要になる。

 今回はデジタルカメラではなく、実物投影機で撮影した。コンピュータと直接つながっているので、状態をモニターで確認しながら作業をすることができる。圧倒的に早い時間で撮影が完了した。しかも、解像度が高いので、後から部分的にアップすることも可能である。

 教育的にどちらが良いかということは判断できない。授業のねらいによって異なるからである。学習には「時間」が伴う。コストとして使える学習時間と、教育効果を考えながら、よいより選択を教師が行っていくしかない。(つづく)Yc430
Yc4302
Neko08
Neko04

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2009年2月20日 (金)

民話をICTで蘇らせる 11

 協同で学習活動を行う際、「けんか」や「もめ事」がおこってくる場合がある。私は、あえて仲裁をせずに次のような話を行うことにしている。
****************************
 グループで活動は、みんなで協力して高い山に登っているようなものです。その途中には、いろいろ苦しいこともあります。がけくずれがあったりすることもあるでしょう。今、「けんか」や「もめ事」で苦しい思いをしているグループは、まさにがけくずれのまっただ中にいるのです。このがけくずれに負けてしまうか、それとも自分たちの力で乗り越えるか、それはあなたたち自身の力にかかっています。このように「協力して困難をのりこえていく力」を高めることも、総合的な学習で学ぶ大切なことなのです。
****************************

 2月10日のある子どもの自己評価カードには次のように書かれている。
****************************
2月10日:今日、○○くんと○○くんがけんかをしました。わたしたちは、先生が言ったように、がけくずれの中なのかもしれません。今まで協力しあったのに、なぜ協力できなくなったのでしょうか。今度は、もめごとがないように、がけくずれからだっしゅつしたいです。
****************************

 不思議なもので、大きなもめ事があった後のグループは次の回は立ち直っている。同じ子どもの2月16日の自己評価カードである。
****************************
2月16日:今日は、がけくずれからだっしゅつできたような気がします。なぜなら前より男女なかよく学習できるようになったからです。
****************************

 一度でも苦しい思いを経験しているグループは以前よりも強くなる。「○○くんに腹が立った」という主観的な見方から、「怒ってけんかしている自分はどうなのだろう」という客観的な見方ができるようになるからだ。
 教育にはコンフリクト(摩擦・衝突)が伴う。

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2009年2月19日 (木)

民話をICTで蘇らせる 10

 着彩を絵の具で行うと4時間もかかってしまった。さて、その後が大変である。撮影を行うことになるからだ。

 各グループに1台ずつのデジタルカメラを配布して、場面を変えながら撮影を行うように指示した。子どもたちは、登場人物の動きや表情を少しずつ変化させながら撮影を行うことになる。アップしたいところは、そのまま登場人物にカメラを近づけて撮影していく。思ったよりもデジカメの操作はスムーズだった。

 問題は8名のグループでどの程度協力ができるかということだ。私の授業における協同学習のための1グループの人数は、中学年で3名、高学年で4名を原則としている。したがって、今回のような8名グループというのは異例なのである。おそらくは、うまく機能しないだろうと考えていた。

 結果としては、まだ絵が完成していないグループは、絵を完成させる子どもたちと、撮影する子どもたちとで役割分担をしていてうまくいっていた。
 ところが、すべての絵が完成していたグループでは、案の定、撮影を積極的している子どもたちとそうではない子どもたちに二分された。そのうちに、「どうして、ちゃんと撮影しないの?」と怒り出す子どもたちと「だって、やることないもん。」と反論する子どもたちとに別れて喧嘩になりそうな状態のところも出てきた。こういう場面のときは、私は、子どもたちの学習の様子をじっと観察することに専念する。喧嘩の仲裁には入らない。(つづく)Satsuei0
Satsuei1
Satsuei3
Satsuei4

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2009年2月17日 (火)

民話をICTで蘇らせる 9

 着彩をしていて感じたことだが、水彩絵の具は難しい。特にB3の画用紙に絵の具を塗っていくのは、かなり時間がかかる。しかも、黒い輪郭線が消えてしまうこともあって、色の濃さが問われる。
 子どもたちには、まだ明度差が分からない。したがって、教師から「背景を薄く塗って登場人物を濃く塗りなさい。」と指示されてもぴんとこないのである。
 だが、1枚の絵を協力して着色していく様子などは、通常の図画工作の授業では見られない光景ではあった。これは、これで面白かもしれない。

 しかし、絵の具のデメリットは大きいと判断して、となりのクラスには、あえて「B3画用紙に水彩絵の具」ではなく、「A4画用紙に色鉛筆」という選択をしてもらった。
 この二つでは、展開が大きく異なることになる。
 
Enogu
Enogukirinuki

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2009年2月16日 (月)

民話をICTで蘇らせる 8

 付箋紙は班長がA4の紙にまとめて貼り付ける。その中から必要なものを選び出して、役割分担をして描くことになる。
 同じ紙芝居を作成するのに、それぞれが違う絵を描いているという不思議な光景であった。案外と難しいのは、色と輪郭線のバランスであった。輪郭線がある程度濃くないと、登場人物が浮き出さないのである。そのためには色をある程度うすく塗る必要がある。
 テレビのアニメーションでは、たしかに輪郭線がくっきりとしている。だから、登場人物が浮き出すのであろう。
 それにしても、子どもたちはこの複雑な作業をてきぱきとこなしていた。これには私もびっくりしてしまった。Fusenkeikaku
Ewoegaku1

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2009年2月13日 (金)

民話をICTで蘇らせる 7

 スケッチがほぼ終了したところで、「背景」と「部品」についての説明を行う。
 以前、子どもたちは図工の時間の「想像画」の単元でも同様のことを行ったのですぐに理解できた。そして、「絵の計画を立てる」ことをめあてとして、次のように説明した。

「ここに大きめの付箋紙があります。みどりの付箋紙には登場人物などの『部品』を描きます。黄色の付箋紙には、山や池、家の中などの『背景』を描きます。みんなで、まず簡単な線で描いてみましょう。そうして描いたものを見せ合って、最終的に誰がどの絵を描くのかということを決めるのです。」

 つまり、すぐに絵を描く前に、一度付箋紙に描いておいて、どの部分を誰が描くのかということを話し合う時間をもうけたわけである。こうすると、同じような絵を何枚も描く必要がなくなる。背景と部品の組みあわせを変えれば、別の絵を作ることが可能になるからである。

 このような付箋紙を使った計画づくりは、協同学習においては極めて有効である。役割分担が付箋紙という具体的なモノによって明確になるからである。

 問題は、この手の学習を行っていく場合の自己評価である。授業の終了間際3分間で自己評価を行わせる。教師は、それを「評価」していく。次の時間に、数名の子どもたちにそれを読ませるところから出発する。(jikohyouka_sougou.pdf参照)
Haikeitobuhin
Fusenshi
「jikohyouka_sougou.pdf」をダウンロード

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2009年2月12日 (木)

民話をICTで蘇らせる 6

 まずは、子どもたちが選んだ四つの話の台本をコンピュータに入力していく。前置きや難しい話題はカットして、話だけにしぼっていく。全てが方言なので通常の日本語入力ができにくい。やたらと時間がかかってしまった。とにもかくにも、一話を3ページ程度にまとめる。(misoccho.pdf参照)どのような絵が何枚必要なのかということは、こちらで示すことにした。たとえば、「七島畑でねむってしまった二人」「火の中をにげる二人」といった文章表現にしておいて、台本右側に示すことにした。どのような絵が何枚必要かということは、台詞の長さにもよるからである。

 子どもたちは8人から9人のグループである。かなり多い。その台本を見せると、子どもたちはすぐに興味を示して読んでいた。その後は、図書室に行ってアイデアスケッチを描くことにした。これがまた大変な作業である。
 「サル」「カニ」「ウグイス」「ミソサザイ」などの動物は、図鑑で調べなくては絵が描けない。また、リアルに写生しても民話っぽくはならない。
 また、昔の人の家や着物、道具なども調べなくてはならない。これは、図鑑というよりは、昔話の絵本を見ながら描いていたようであった。

 私は動物や着物などを「記憶」で描くのだが、子どもたちにとってはそれができるはずがない。図書室での調べながらのスケッチ活動が続くことになった。先は長い・・・・。(つづく)Minwawoyomu
Doubutsuwokaku
Kimono
「misoccho.pdf」をダウンロード

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2009年2月 9日 (月)

民話をICTで蘇らせる 5

 民話の紙芝居。背景と登場人物とを別々に描いて、それを組み合わせると一枚の紙芝居になるはずである。腕や足などの部品を少しずつ動かして、そのたびにデジタルカメラで撮影していくと、様々な絵ができることになる。

 しかし、本当にそんなことが可能なのだろうか。しかも、3年生である。
 そこで、実際に自分で作成してみた。できそうではあるが、それでも様々な問題がある。まず、紙の大きさである。B3程度の大きな紙がいいのか、あるいはA4程度の小さい紙がいいのか。また、着色は、絵の具がいいのか、色鉛筆がいいのか。紙の厚さはどの程度がよいのか、等々。考えなくてはならないことが、山ほど出てきた。

Kamishibai1
Kamishibai2

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2009年1月30日 (金)

民話をICTで蘇らせる 4

 子どもたちには、「飽田ん民話」の冊子を見せながら、こう伝えた。

「飽田町には昔から伝えられている民話があります。それを、昭和57年に境さんと田中さんという方が、後の世まで残そうということで冊子にまとめられました。しかし、その冊子も現在では一冊しか残っていません。このままでは、飽田の民話は消えて無くなるでしょう。
 そこで、わたしたちの手で、この民話を蘇らせることにしましょう。そして、それを紙芝居にして、今年一年間の総合的な学習でお世話になった方々やうちの人に見せましょう。」

 子どもたちは、「民話」「紙芝居」という言葉にすぐに反応した。意欲は高い。

 グループは8人~9人編成の4グループである。1グループあたりの人数が多すぎるが、たくさんの絵を描き台詞を読むことを考えると妥当である。また、指導する側としても、グループの数が多すぎると目が行き届かなくなる。

 子どもたちに、飽田ん民話の6話を選んで読むことにした。さすがに厳選しただけあって、子どもたちも熱心に聞いていた。問題は、方言である。ところどころは、標準語に「訳」しながら読み進めていく。2時間かかった。

 その中から4つの作品を選ばせた。
 子どもたちの好きな話は、ユーモアだけではなく、ちょっぴり不思議だったり怖かったりした方がよいようだ。Akitanominwa

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2009年1月29日 (木)

民話をICTで蘇らせる 3

 紙芝居の最大の問題点は、一枚一枚を一人一人の子どもが個別に担当すると、絵柄がそれごとに大きく異なってしまうところである。同じ「おじいさん」というキャラクターでも、絵によって描き方が異なってしまうと、見ている方も混乱してしまう。
 それに加えて、絵に動きがなくなってしまうことも欠点である。何も指導しないと直立不動型の人間になってしまったり、お人形のような表情になってしまったりする。この問題はぜひとも解決してみたいと考えた。

 1月にハワイ大学の同窓会で神戸に行くことになった。神戸の近くの宝塚には手塚治虫記念館がある。そこで、大阪空港から神戸には直接行かずに、宝塚に寄ることにした。手塚治虫記念館には何かヒントになることがあると感じていたからである。

 手塚治虫記念館は宝塚駅から歩いて8分ほどの場所にある。入り口に「火の鳥」の彫刻があって感激した。中を見ると、手塚治虫の幼少の頃に描いていた絵や、それぞれの作品が展示してある。

 アニメーションの部屋を見ていたときに「切り絵アニメーション」という方法が紹介されていた。絵を切ってならべてアニメーションにするというものだ。その場で、iPhoneを使って「切り絵アニメーション」を検索してみた。これは、紙芝居のヒントになりそうだ。(つづく)Tezukakinenkan

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2009年1月28日 (水)

民話をICTで蘇らせる 2

【民話を評価しながら読む】
「飽田ん民話」の中から20話をまずは読んでみる。全てが方言なので、黙読してみると分かりにくい。声に出しながら読むことにした。
 小学3年生に合うかどうかということを次の5つの観点で評価していく。

1、ユーモア
  話そのものが面白く、聞いていて楽しいか。
2、人数
  登場人物が多すぎたり少なすぎたりしないか。
3、音響
  登場する話に、効果的な「音」がつけられるか。
4、イメージ
  話そのものが、子ども達にとってイメージしやすいか。
5、教訓
  話の中に教訓的な内容が含まれているか。

 この5つの評価基準で三段階で評価していく。こうやって20話の中から6話にしぼることにした。
 問題は、どのような形態で民話を蘇らせるかどうかである。次の三つになる。
 ○ 劇
 ○ 朗読劇
 ○ 紙芝居
 劇では、そうとうな演技力が必要になる。小道具もそれなりに必要になってくる。基本的には「語り」が主となるので、難しいと判断した。
 朗読劇は面白そうだが、発表の場が限られてくる。
 結局は、紙芝居が一番妥当であろう。しかし、そのまま紙芝居だと面白くない。何か手があるはずである。(つづく)

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2009年1月27日 (火)

民話をICTで蘇らせる 1

 勤務校の総合的な学習では、今年度より三学期に「地域の伝統や文化」を取り入れることになった。公民館に行って、資料をさがしていると、「飽田ん民話」という手作りの冊子を紹介してもらった。この町に伝わる面白い民話が40話も記されている。

 昭和57年に作られたものなので、すでに日焼けして茶色に変色している。手書きの文字で、しかも熊本弁で書かれている。たとえば「たいぎゃな、むかしのこつたい。」「うったまがってしもた。」といった言葉がふんだんに使われているのである。
 
 この冊子は現在では一冊しか残っていない。

 この冊子を作成した境謙蔵さんと田中正勝さんは、まえがきでこのように述べている。

****************************
 「民話は、親から子へ、或いは古老から村々の子供達へ、長い年月をかけて、語り継がれた文化遺産である。民話の中には、いろんな階層のいろんな人間をはじめ、紙・仏から、きつね・たぬき・からす等の動物、或いは想像の世界に住むカッパに至るまで、様々なものが様々な形で登場する。そして、それらは実にユーモラスで、いたずらをしても憎めない愛すべきものが多い。これは多分に先祖の人達がそれらを媒介として、人間はこうあらねばならないとする願いをこめ、子孫の繁栄を祈ると共に、生活共同体としての部落の平和と発展を祈念したのではなかろうか。
 このように考えると、私達はその意志を受け継ぎ、更に子孫に伝える義務があると言っても過言ではあるまい。飽田町にも様々な民話が残されているだろうが、今やそれが消え去ろうとしている。その危機感が二人の胸に生じ、義務を果たす意味からしても民話を集めてみようということになった。」
****************************

 この文章を読んで、この民話を現代に蘇らせたいと強く感じた。(つづく)

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2009年1月 3日 (土)

総合的な学習を練り直す 5

 学校で作成する「総合的な学習の年間指導計画」を見ても、私にはいつ何をどうすればよいのかが分からなかった。また、この学習を通して、どのような学習技能を育てようとするのかも分からなかった。総合的な学習に関しては、極めて具体的に「教師がやるべきこと」を残しておかなければ、次年度には活かせないのではないだろうか。

 たとえば、「子どもの学習活動」以外の欄に「教師の準備」という欄をもうけておいた方がよい。その中で、教師が何月にどこに行ってどのような打ち合わせを行うのかということも記載しておくべきである。また、ワークシートや写真等もデータとして残しておくべきである。特にワークシートがコンピュータのファイルで残されていれば改良もできる。

 そう考えると、総合的な学習の反省を年度末に残す際の形式が今までとは異なったものになるはずである。他の学校の教師はどうやっているのだろう。

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2009年1月 2日 (金)

総合的な学習を練り直す 4

 12月の日曜授業参観でプレゼンテーションを行った。子どもたちは3人で1グループとなって調べてきた野菜の発表を行う。

 今回は、子どもたちがサンプルの原稿を見ながら、一人一人が原稿を書き、最後に3人でそれを組あせて1枚の原稿用紙にまとめるという進め方で行った。
 プレゼンの画面は子どもたちの原稿を見ながら教師の方で作成した。「ほしい写真」などの画面を用紙の上の部分に記入できるようになっている。(添付ファイル参照)
 この方法であると、たしかに短時間ですむが、画面を意識した発表にはなりにくい。

 そこで代案としては、プレゼンに使えそうな写真をあらかじめ一覧印刷にしておいて、その写真から子どもたちが選ぶようなものにしておけばよいだろう。そう考えると、各学習の場面での写真による記録はけっこう重要である。4年生になったら、子どもたちが自分たちの手で撮影し一覧印刷できるようになっていれば、かなり効率的な進め方ができるだろう。Happyougenkou_2
「yasaishirabehappyou.pdf」をダウンロード

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2008年12月30日 (火)

総合的な学習を練り直す 3

 11月、公民館で図工などの作品展示会が行われる。一学年の子どもたちの作品のスペースは限られているので、画用紙の大きさだととても入りきれない。3年生だけでも70名いるのである。
 そこで、ナスの絵を出品することにした。一人一本ずつ描いても作品が細長いので何とか全員分が展示できる。

 子どもたちは、じっくりナスを観察しながら、まずは油性ペンでりんかくを描いていった。ナスはの色は紫なのだが、よく見ると微妙に変化している。へたの部分も面白い。むらさき色の絵の具を使わずに、赤や青を微妙にまぜながら色を作り出していった。ここで、水彩絵の具の基本的な塗り方を再度指導しなおした。ペンキを塗るようにするのではなく、絵の具を置くように塗っていく方法である。
 絵の横に小さく名前を書いて完成。並べてみると、一人一人の違ったナスができあがった。70本のナスを遠くから見ると、鮮やかな紫色になって美しい。

 これもまた収穫と同時に行うと、きっと面白いはずだ。(つづく)

Nasunoe1
Nasunoe2
Nasunoe3

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2008年12月29日 (月)

総合的な学習を練り直す 2

 2学期は、公民館を介してナス農家の方に子どもたちに農業体験させてもらうようにお願いした。ナスの栽培から収穫までを実際に体験するのである。1学期の理科の学習「オクラとホウセンカ」で学習したことがぴったりと当てはまったので、かなり効果的であった。苗の観察からつぼみ〜花〜実の様子を観察スケッチさせていく活動を取り入れると良いだろう。
 また、野菜を育てている農家の方の畑も見学に行った。私の学校の地域は農業がさかんなので、子どもたちにとっても良い経験になった。農家の方には事前にどんな野菜を育てているのかを尋ねておいた。キャベツ、大根、にんじん、ブロッコリー、トマト、ナスである。子どもたちはグループで役割分担をして事前に本やインターネットを使って調べていたので、意識はかなり高かっただろう。インターネットは、サイトをしぼりこんでいれば、3年生でも使える。
 大切なことは、社会科との関連である。副読本を使うので、その内容に合わせておく必要がある。3学期に田や畑で働く人々(7時間)という単元があるので、その単元と「まちではたらく人々」(2学期に計画:9時間)を入れ替えるか、その二つを「わたしたちのくらしと商店」(2学期に計画:16時間)と入れ替えるような変更が必要である。いずれにしても、社会科としての学習がそのまま総合的な学習に活かせるようにしておくわけである。

 また、収穫したナスをJA婦人部の方に手伝ってもらって、調理をする時間をもうけた。これは、子どもたちにとっては大変好評であった。自分たちが収穫したばかりのナスをすぐに調理できるからである。しかも、フライドナス、チーズナス、ナスカレーなどの料理であったので、野菜嫌いの子どもたちも抵抗なく食べることができたからだ。12月末で行ったが、できれば12月初旬の日曜授業参観の日の2時間目、3時間目にやっておくとよかったかもしれない。1時間目に総合的な学習で学んだことの発表をすることも考えられる。

 そう考えると、指導のタイミングを綿密に練り直しておくべきだろう。(つづく)Nasuhouse

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2008年12月28日 (日)

総合的な学習を練り直す 1

 ひさしぶりの学級担任だったので、総合的な学習にはかなり苦労した。
 見通しがたたなかったからである。3年生として学校の特産物(ナスなどの野菜)を調べるというコンセプトは良いのだが、具体的にどのタイミングでどのようなことを行うのかが見えなかった。

 1学期2学期を振り返ってみると、上手に反省をして改善すれば良い学習になると感じた。
 少しずつではあるが、来年度のことを考えて、指導計画の改善案をメモしておこう。

 基本的には、3年生の発達段階を考慮して3つの小単元で構成する。

1学期:学校のいいところをうちの人に伝えよう
2学期:地域のいいところをうちの人に伝えよう
3学期:地域に伝わる伝統をうちの人に伝えよう

 1学期は、国語科の単元「面白いもの見つけた」で学習した写真つき作文をプレゼンに応用する。学校の教師や面白い場所を保護者に伝えるためのプレゼンを行う。この場合、「課題を見付ける・調べる・まとめる・伝える・振り返る」の5つのプロセスを理解することと、そのための基本的なスキルを身につけさせることを主たる目的とする。
 大切なことは、学習活動ごとに、学んだことを言葉にする作業をもうけることである。そのためには、毎回の学習活動で気づいたことをメモさせておき、そこで学んだことを文章にさせていく。教師は、それらの文章をきちんと評価して子どもに返す。子どもたちはポートフォリオに蓄積していく。(つづく)
 
 Sougou

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