2009年11月 7日 (土)

公開授業(11月29日)〜アップとルーズで伝える〜5

 本時の授業をイメージしてみる。
 今回の授業のポイントは、本文に書かれている内容を実際の作業によって確かめるということだ。しかも、「新聞記事の写真」という映像を使って行う。

 本時でとりあげる段落は以下である。
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 写真にも、アップととったものとルーズでとったものがあります。新聞を見ると、伝えたい内容に合わせて、どちらかの写真が使われていることが分かります。紙面の広さによっては、それらを組み合わせることもあります。取材のときには、いろいろな角度やきょりから、多くの写真をとっています。そして、その中から目的にいちばん合うものを選んで使うようにしています。
(中谷日出「アップとルーズで伝える」光村図書出版4年下)
************************************

 本時では、次の大きな課題を投げかける。

「『新聞を見ると、伝えたい内容に合わせて、どちらかの写真が使われていることが分かります』の部分をみんなでたしかめてみましょう。そして、どんなことが分かるのか、考えてみましょう。」

発問1
「今まで集めてきた新聞スクラップをグループの中で見比べて、アップの写真とルーズの写真が、それぞれどんな記事のときに使われているのか書き出しなさい。」と指示を出す。

 ただし、この指示だけだと分からない子どももいるだろうから、いくつかの例を示しながら全体で考えてみる場が必要だろう。たとえば、火事で全焼した家屋の写真(ルーズ)を見せたり、スポーツ選手の一瞬の動きを捉えた写真(アップ)を見せたりする必要がある。

 また、グループで話し合いやすくするために、アップの記事は青色の付箋紙に、ルーズの記事は黄色の付箋紙に書き出すようにするとよいだろう。たとえば、青色の付箋色には「スポーツ」「草花」といったことが記入されていくだろう。黄色の付箋紙には「建物」「自然の風景」といったことが記入されていくだろう。

 1日分の新聞からいきなり取り出すということになると大変だが、新聞スクラップであれば、すでに選ばれたものなので子どもにも理解されやすい。それほど時間はかからないはずだ。

 グループでの活動が終わったら、それぞれ証拠となる記事を実物投影機で映し出しながら、発表する時間をもうける。

 おそらく、ここまでで15分から20分程度であろう。

 通常の授業であれば、ここまででも目的のレベルまでは達している。今回は、もっと踏み込んで考えさせてみたい。

 たとえば、「同じ出来事」なのに、一方の記事ではアップの写真が使われており、別の記事ではルーズの写真が使われているような事例である。
 これだと、「伝えたい内容」「目的に応じた」という部分が、さらにクローズアップされることになる。つまり、「送り手が伝えたいこと」が鮮明になってくると思うのである。

 そんなに都合のよい記事があるものかと探していたら・・・・あった。(つづく)

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2009年11月 6日 (金)

公開授業(11月29日)〜アップとルーズで伝える〜4

Kyounoshinbun  新聞を読む作業というのは、けっこう難しい。
 特に4年生では、1日分の新聞の中で内容が理解できる記事は、せいぜい二つか三つ程度であろう。

 そこで、二学期になって始めた「今日の新聞コーナー」はけっこう効果的だ。
 これは、朝の会の時間に、グループで「新聞中から面白そうだと思って切り抜いたた記事」を一人一つずつ発表していくというものだ。

 子どもたちは、前の日に朝刊と夕刊の中から興味がわいたものを切り抜き、専用の用紙にはりつけてコメントを記入しておく。
 専用の用紙には、1見出し、2事実(書かれていること)、3意見・感想(選んだ理由や、記事を読んで考えたこと)を書くようになっている。
「shinbunworksheet.pdf」をダウンロード

 一人30秒程度の発表なので、3分もあればよい。ただし、簡単に教師の側から補足・説明を行う。

 たとえば、子どもたちは、9月の段階で、総選挙で自民党が敗れて民主党が政治をする権利を勝ち取ったことを知っている。
 11月、「高速無料化反対 フェリー各社」という見出しの記事を取り上げた子どもがいた。写真にはフェリー会社の役員たちが抗議の会見をしているものだ。

 私は次のような補足を述べた。

 「みんなは、選挙で民主党が勝って鳩山さんが総理大臣になったのは知っているよね。その鳩山さんたちは高速道路を無料にしましょう、って言っているんです。たしかに、無料になるとうれしいけど、そうなるとみんなが自動車で遠くに行くようになるので、フェリーを使わなくなっちゃうだね。だから、フェリー会社の人達は反対しているんだ。無料にすればみんなが助かるかというとそうではないんだね。」

 このような説明を子どもたちは熱心に聞いている。記事の意味が分かるからだ。

 考えてみれば、この記事の内容も政権交代が行われたという以前の新聞記事の内容を知っているから理解できるものだ。
 新聞記事の紹介といった単純なものでも、続けていけば知識がつながる。

 こうやって集めたスクラップは、「4年生でも理解できる新聞記事」として集まっていくことになる。毎日の三つ程度の蓄積であるが、これをずっと続けていくと、けっこう膨大な量になるはずだ。このスクラップは使える。(つづく)

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2009年11月 3日 (火)

4年「一つの花」その10:2009

 せっかく、「解釈」型の学習を行っても、市販のワークテストでは、次のような「解読型」の設問が多いので、評価しにくい。

 ○お父さんは、プラットホームのはしの方で、ゆみ子をだいて、どんなことをしていましたか。文章中から二つ書き出しましょう。
 ○ゆみ子が「一つだけちょうだい。」とほしがっているものは何ですか。
 ○お父さんが「一つだけあげよう。」と言って、ゆみ子にあげたものは何ですか。
 ○お父さんから花をもらて、ゆみ子はどうしましたか。文章中から書き出しましょう。

 これだと、ほとんどの子どもが満点を取ることができるからだ。(実際そうだった。)「解読」のレベルで終わってしまっており、読解のテストにはならない。

 そこで、まとめのワークシート(前々回のブログ参照)には、あえて二つの設問を入れた。教科書はもちろんだが、ノートや自己評価カードも見てよいことにした。

一、お父さんが「一つの花」を手渡して、ゆみ子に伝えたかったことは何でしょう?

二、作者の今西祐行さんが、作品を通して、みんなに伝えたかったことは何でしょう?

 一の方は、授業中の学習内容を覚えていれば、何らかの意見が書けるはずだ。
 二の方は、授業で取り扱っていないので、子どもたちは自分なりの意見を書けばよいことになる。

 一の設問は、予想に反して授業の文脈とは関係のない記述をしている子どもが多かった。また、二の方は、さすがに無答はいなかったが、十分とは言えない結果だった。

 自分の授業方法を反省してみたい。
 「自分の学習活動」への振り返りは、自己評価カードで行ってきたが、「学習内容」の振り返りが十分ではなかったのだろう。一見、活発に話し合っているように見えて、「対話」が成立していない子どももいたのである。あるいは、学習内容がしっかりと心に残っていなかったのかもしれない。
 この問題を解決するためには、毎時間の「学習内容のまとめ」をノートに記録させていく必要があるのだろう。
 たとえば、次のような文章をノートに書かせていくわけである。

 「今日は、お父さんがゆみ子にわたした一つの花に意味を考えた。私は、○○だと思う。なぜならば、○ページに○○という文章があるからだ。・・・。」

 最初は、教師が板書して、子どもたちがそれを写す。その後、教師が口頭で話して、子どもはそれを聞きながらノートにまとめる。最終的には、子どもたちが自分の力で学習のまとめを行っていくわけである。読解力をつけるためには、このような学習活動も必要なのだと思う。
 この方法は、金沢の浜上薫先生から教えていただいたものだ。

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2009年10月27日 (火)

4年「一つの花」その8:2009

 第9時は、以下のように板書するところから始めた。
 「食べ物をもらう喜びではない新しい喜びとは何か」

 「この問題を考えながら読みましょう。」と告げて、全文を指名読み。
 この問題に対する答えをノートに各自書かせた後に、グループで話し合う。

 答えがなかなか出にくかったようだ。
 一人の女の子が「何かをもらう喜びではなくて、何かを感じる喜び。」と発言する。私は「   感じる」と板書。

 別の子が「食べものは食べればなくなるけど、なくならない喜び」だと発言した。「なくならないもの」と板書。

 「花をもらう喜び」といった答えも出たので、ここでひとまず問いを変えることにした。

 「それでは、『コスモスの花』は何をあらわしているのかを考えましょう。ノートの上半分に『プラットホームのはしっぽのごみすて場のような所』と書き、下半分に『コスモスの花』と書きなさい。」と告げた。

 「対比」を使うことにしたわけである。(あえて、今の子どもたちには「象徴」や「対比」といった言葉を指導していない。)

 「『プラットホームのはしっぽのごみすて場のような所』と『コスモスの花』をくらべて、『ごみすて場のような所は○○だけど、コスモスの花は○○だ。』というような答えを考えましょう。」と告げて、グループで話し合わせた。

 以下のような答えが出た。

ごみすて場のようなところ    コスモスの花
_________________________________
○人間がつくったもの         ○人間が作っていないもの
○なくなりにくいもの           ○なくなりやすいもの
○命がないところ               ○命があるところ
○きたないところ                ○きれいなところ
○かなしい                        ○けなげ(強い)
○暗い                             ○明るい

 板書した後に、再度尋ねた。

 「コスモスの花があらわしているものは何でしょう。」
 グループで話し合わせた後に発表。

○たくましさ
○生きてほしいという願い
○やさしさ
○美しい心
○明るい時代にしてほしいという願い

 「ごみすて場のようなところがあらわしているものは何でしょう。」
 グループで話し合わせたところで発表。

○今の時代

 ここで、ちょっと意見が途切れたが、意見を言いたそうにしている女の子を見つけたので、挙手をしていなかったが、ここで意見を求めた。

○戦争

 「お父さんは、こんなことをゆみ子に伝えたかったのかもしれないね。」と告げた。

 「国語は算数とちがって、答えがたくさんあります。その答えをみんなで考えていくことで、考える力がついていくのです」と説明した。この言葉が印象に残っていたようで、何人もの子どもたちが、自己評価カードにこのことを書いていた。

 時間がなくなってきたので、最後の課題を板書。

「お父さんが、何も言わず、一つの花を見つめながら行ったのはなぜか。」

 これもグループで話し合わせた後に発表。

○コスモスの花で伝えたから。
○ゆみ子は、願ったように、きっと生きていけると信じたから。
○ゆみ子の顔を見ると、つらいから。
○「さよなら」は、言いたくなかったから。

 子どもたちに「何も言わなかった理由」と「花をみつめながた行った理由」の二つを考えさせたことになってしまった。これは反省点だ。
 ここで授業終了。(つづく)

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2009年10月24日 (土)

4年「一つの花」その7:2009

 第8時は、前時の復習から行った。ノートに書いていることを発表させた後、次のように板書していく。

○一つの花=お父さん
○一つの花=命
○一つの花=新しい喜び
○一つの花=きれいな心
○一つの花=たくましさ

 できるだけ話し合う時間を増やすために、すぐに問いかけた。

 「昨日、みんなは、このような意見を言ってくれました。でも、これらは全て正しのでしょうか。『これは正しいと思う。なぜならば○○だからだ。』とか『これは間違っていると思う。なぜならば○○だからだ。』という話し合いを行って考えていきましょう。」

 プラットホームの場面と最後の場面の指名読みを行わせて、さっそく3人グループで話し合わせた。私はグループの中の話し合いの様子を聞いて回っていたが、「どう思う?」という問いかけが増えてきており、話し合いも良くなってきていた。

 全体での意見発表が極めて面白かった。

 まず、いきなり「一つの花=お父さん」は否定された。

 ○「一つの花=お父さん」は間違っていると思います。なぜならば、最後の場面では「ゆみ子は、お父さんの顔を覚えていません。自分にお父さんがあったことも、あるいは知らないのかもしれません。」と書いてあるので、話がつながらないからです。

 デジタル教科書で確認しながら、聞いていった。最初から「一つの花=お父さん」が否定されたので、この後の話し合いはどうなるだろうと不安に感じたが、次の意見でそれは払拭された。

 ○「一つの花=新しい喜び」は正しいと思います。なぜならば、「ゆみ子は、お父さんに花をもらうと、キャッキャッと足をばたつかさせて喜びました。」と書いてあるので、新しい喜びを感じたからだと思います。

 これも、子どもたちがうなずいていた。私は、文章を根拠にしていることをほめていたら、次の意見でさらに補強された。

 ○「一つの花=新しい喜び」は正しいと思います。なぜならば、前の前の場面で、お父さんが「みんな一つだけの喜びさ。いや、喜びなんて、一つだってもらえないかもしれないね。」と言っているので、お父さんは、ゆみ子に喜びをあげたかったからです。

 これにも、子どもたちはうなずいていた。私は、うなずくことの大切さをほめた。うなずくことで、意見をよく理解することができるからである。

 ○「一つの花=命」は間違っていると思います。なぜならば、命のことはどこにも書かれていないからです。

 これには反対意見も出た。

 ○「一つの花=命」は正しいと思います。ごみすて場のような所にさいていたからです。

 この意見には、うなずく子どもが少なかった。面白いのは、発表している子どもよりも、聞いている子どもの表情である。私が、「だから、さいている花を、つんであげたの?」と問うと、子どもたちが苦笑いをしていた。

 ○「一つの花=たくましさ」は正しいと思います。なぜならば、「ごみすて場のような所にさいていたコスモスの花」なのでたくましいからです。

 このようなやりとりを出し合いながら、話し合いが進んでいった。昨年度はじめて受け持った3年生の子どもたちが1年たつと、こんな話し合いができるようになるのかと思うと、正直うれしくなった。

 どの意見に賛成するかを挙手して聞いてみることにした。何度でも挙手は可能だ。

 全く賛成がなかったのが「一つの花=お父さん」であり、最も指示されたのが「一つの花=新しい喜び」であった。

 そこで、次の発問を板書して考えさせた。

 「食べ物ではない新しい喜びとは何か。」

 この課題で話し合っている時に、残り時間が5分となってしまったので、ここまでで終了。自己評価カードを記入。

 今思えば、「食べ物ではない新しい喜びとは何か。」という発問はよくなかった。「食べ物をもらう喜びではない『新しい喜び』とは何か。」という発問にするべきだった。これは反省点だ。

 それにしても、文学教材の授業は難しいが面白いとも感じた。子どもたちの意見によって、教師はどのようにでも反応しなくてはならないからだ。当初予定していた計画と大きく違ってくることにもなる。授業は、最初からストーリーが作られているものではなく、その場で作られていくものだと感じた。その意味では、まさにLIVEである。(つづく)

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2009年10月23日 (金)

4年「一つの花」その6:2009

 第7時。二つの課題が子どもたちから出されていた。
 「なぜ、ごみすて場のような所にわすれられていたようにさいていた花をあげたのか。」「なぜ、お父さんは一輪のコスモスの花をあげたのか。」

 これをまとめて、「なぜ、お父さんは一輪のコスモスの花をあげたのか。」と板書する。
 グループの中で話し合いなさいと指示を出す。

 このときに私は、指示を加えた。

「 話し合うことは、友達の意見を聞いて自分の意見を返すことです。だから、意見を言った人は、『わたしは、○○って思うんだけど、どう思う?』と、他の人に問いかけなさい。問いかけられた人は、その意見について自分の意見を言いなさい。賛成や反対でもいいのです。」

 この指示は有効であったように思う。聞いているだけの子どもたちが少なくなった。

 グループ間での話し合いを終えた後、意見を求めた。
 最初は次のような意見が出た。

 ○お父さんの形見(思い出)としてわたしたのだろうと思います。
 ○お父さんのかわりとしてわたしたのだろうと思います。

 「コスモスの花=父」という意見である。

 しばらくすると、一人の男の子が、「ごみすて場のようなところに一輪だけたくましく咲いていたので、ゆみ子にたくましく育ってほしい、と願ってわたしたのだと思います。」と語った。それは、ほとんどの子どもたちが、なるほどという顔でうなずいていた。

 また、ある女の子が「ゆみ子はいつも食べ物をもらう喜びしか知らなかったので、新し喜びを知ってほしい、という願いがあったのだと思います。」と告げた。

 このあたりで、まわりの子どもたちも真剣に聞き始めてきた。私は、聞き方の上手さをほめて、「もう一度、グループで話し合ってみましょう。」と指示した。違った展開が期待できると考えたからだ。

 その後は次のような意見が出されたので、板書してまとめる。

 ○お父さんの思い出、お父さんのかわり
 ○命、生き物
 ○新しい喜び
 ○きれいな心
 ○たくましく育ってほしい
 ○弱い人を助けて

 自分の力量不足で、子どもたちの意見をつないでいくことができなかった。これは大きな課題である。ここで授業終了。自己評価カードの記入。

 次時は、もっと深めたい。意見を以下のように集約して、場面を超えて検討していきたい。
 「一つの花=父」
 「一つの花=命」
 「一つの花=きれいな心」
 「一つの花=たくましさ」
(つづく)

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2009年10月22日 (木)

4年「一つの花」その5:2009

「一つの花」の第5時も十分な時間がとれなかった。

 課題は以下の二つ。
 1「お父さんは、なぜ深いため息をつくのか。」
 2「どうして、お父さんは、決まってゆみ子をめちゃくちゃに高い高いをするのか。」

 1「お父さんは、なぜ深いため息をつくのか。」の問いでは、以下の意見が出た。
 ○ゆみ子を心配しているから。
 ○自分が死ぬかもしれないから。
 ○どんな子に育つのかを心配している。

 文章を根拠に発言をしている場合は特にほめた。

 2「どうして、お父さんは、決まってゆみ子をめちゃくちゃに高い高いをするのか。」の問いでは、以下の意見でとどまった。
 ○かなしくて。
 ○いのっている。
 ○今のうちに喜ばせたい。
 ○思い出をつくりたい。

 この問いに答えるためには、その前のお父さんの台詞に根拠を見いださなくてはならないのだが、なかなかそこに行き着かなかった。
 私は「喜ばせたり思い出をつくったりするだけだったら、『めちゃくちゃに』高い高いをする必要はないはずだ。」と問い直したが、ここで授業終了のチャイム。

 そこで、「うちの人と今日の夜に話し合ってきてごらんなさい。」と告げた。宿題にしたのである。これは禁じ手なのかもしれないが、親としての意見を尋ねることも重要だと考えたからだ。

 自己評価カード記入をして終了。

*****************************************************************************

 第6時は、2の問いの続きからはじめた。自分の親と話し合っているので、よく意見が出ていた。以下のような意見が出た。

 ○ゆみ子が不憫に思えたから。
 ○ゆみ子に幸せになってほしいから。
 ○ゆみ子に幸せになってほしいという気持ちが強いから。
 ○「一つだけ」じゃなくて、十分な喜びを知ってほしい。
 ○自分はゆみ子に何もしてやれないという、いらだちがあったから。

 文学教材の「読み」としては、最後の「父親のいらだち」という解釈が深い。しかし、私は「深い解釈」を導き出すことに意味があるのではなく、深く考えていこうとする学習の過程にこそ意味があると考える。その意味では、保護者に意見を聞かせたのは、子どもたちにとってはプラスに働いていると思う。そこに「対話」が生じているからである。

 授業の後半は「お父さんは、どうして戦争になんか行く人ではないかのようにしていたのか。」という課題を話し合った。次の意見が出た。

 ○悲しんだら、別れがつらくなるから。
 ○悲しませたくなかったから。
 ○二度と会えないという別れにしたくなかったから。
 ○自分が戦争に行くのを、ゆみ子に知らせたくなかったから。

 「二度と会えないという別れにしたくない」という意見には、なるほどと思ってしまった。ここで授業終了のチャイム。自己評価カードを記入。(つづく)

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2009年10月19日 (月)

公開授業(11/29)〜アップとルーズで伝える〜2

 授業の構想をメモしておこう。
 子どもたちの活動のイメージから入ることにする。

 まずは、復習。アップとルーズの違いを本文の中から出し合うという作業。

 それから、一つの例を取り上げて、アップとルーズは、それぞれどんな記事のときに使われているかということを出し合う。

 各グループに分かれて、それぞれの新聞記事を比較して、その違いを付箋紙に出し合う。
 付箋紙は、アップは青、ルーズは黄色などの色分けをしておくと分かりやすいだろう。
 問題は、どの新聞記事を使うかである。いきなり新聞紙一日分を与えてしまってはは、あまりにも情報量が多すぎる。第一、子どもたちは記事の中から該当するものを探すのに時間がかかってしまうだろう。かといって、教師側から限定するのも、広がりがなさすぎる。
 そこで、現在行っている新聞記事スクラップの中から選ばせてみてはどうだろう。そうすると、子どもたちは自分が選んだ記事という意味で愛着もあるはずだ。また、小学校4年生でも内容が分かるレベルの記事にしぼられることになる。

 グループでの活動が終了したら、それぞれの意見を発表してまとめることになる。

 通常の授業だったら、これでも良いだろうが、これだけだと、アップとルーズの違いに関する意見の拡散に終始してしまう可能性がある。つまり、「広がって終わり」になるのである。

 そこで、もう「一ひねり」を加えると面白くなるのではないだろうか。
 たとえば、「同じ出来事を伝えるのに、新聞社によって異なった写真を使っている」といった素材を提示する。「同じ出来事なのに、どうして全く別の写真が使われているのだろう。」といった問いかけが可能となる。そこで本文の「伝えたい内容に合わせて」という文章に返っていくことが可能となる。しかし、そんなに都合のよい素材が見つかるだろうか。(つづく)

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2009年10月18日 (日)

公開授業(11/29)〜アップとルーズで伝える〜1

 成り行きで、熊日新聞社で授業を公開することになってしまった。
 11月29日の日曜日であるが、学級の子どもたちも参加する。学校とは異なる場所で授業を行うのは初めての経験だ。

 教科は国語科。単元は「アップとルーズで伝える」である。

 授業の内容としては、7の段落の以下の文章。

「写真にも、アップでとったものとルーズでとったものがあります。新聞を見ると、伝えたい内容に合わせて。どちらかの写真が使われていることが分かります。」

 これを実際の新聞を使って検証するという学習になる。第4時の授業だ。

 国語科ではあるが、「見る」活動が中心となる。
 いったい、どんな授業にすればよいだろう。(つづく)

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2009年10月17日 (土)

4年「一つの花」その4:2009

 第4時は、来週の連絡(午後から出張のため)と新出漢字指導の時間をとってしまったので、実質的には20分ほどの時間しかとれなかった。

 本時にめあてである「一の場面を読んでお母さんの気持ちを考える」ということを告げる。
 前時に出された課題「お母さんは、なぜ自分の分をゆみ子に分けるのか。」を掲示する。

 一の場面を指名読みした後、グループの中でこの問題を考えるように指示した。
 3分ほど、子どもたちが話し合った後、次の意見が出された。

○自分よりも、ゆみ子に生きてほしい。

 その後、「めんどうくさいから、わけた」という意見が出された。
 時間がなかったので、つい「今の意見については、どう思いますか。」と、私が子どもたち全体に返してしまったが、ここはそうするべきではなかった。
 一度、全部意見を出させて板書した後に、検討させるべきだ。反省。

○もともと食料が不足しているので、せめてゆみ子には食べさせてやりたい。
○ゆみ子に大きくなってほしい。
○ゆみ子の笑い顔を見たいから。
○大切な命だから。

 このような意見が出されたところで、授業が終了した。
 このあと、子どもたちは自己評価カードを記入。

 次のような意見があった。
○今日、お母さんの気持ちを考えました。ぎもんがとけた時、とても気もちがよかったです。ぎもんをとくと、とても気もちがいいです。
 お父さんが「算数はクイズだ。とければおもしろいだろう。」と言っていました。たしかに、とけなかったものがとけたらうれしいです。(以下、略)
○今日は、あまり意見を出せませんでした。でも、ほかの人の意見を聞いたら、なるほどと思いました。みんなで考えると、たくさんの意見が出るということが分かりました。みんながいるから勉強ができるということが分かりました。

 もちろん、話し合った内容そのものへの意見もある。

○昔の人は、すごいなーと思いました。理由は、今は子どものことなど、ほったらかしにする母親が多いからです。この物語を書いた人も、その事に気づいてほしくてそう書いたのかもしれません。私も親になったら、子どもを大切にしたいです。
○お母さんは、なぜゆみ子に自分の分を分けるかという問題でした。「大切な命だから」という意見が出ました。わたしは、とっても、ゆみ子のことを大事に持っているんだなと思いました。

 意見を出し合っただけでは分からないが、自己評価を書かせてみると、子どもたち一人一人の学んだことが明確になる。対話で重要なことは、「話し合う」という「形式」ではなく、自らの内面を変化させていくことだ。(つづく)

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2009年10月16日 (金)

4年「一つの花」その3:2009

 子どもたちは、前時で疑問点をノートに書き出している。そこで、場面ごとに指名読みを行い、その疑問点を発表させることにした。
 ときどき、「なぜ、みんな戦争に行くのにばんざいをするのか」といった、その時代の状況を知らないことから起こる疑問も出されたので、私の方から説明を行っていった。

Hitotsunohana02  疑問点は画用紙を縦に切った短冊に書いていった。後の学習にも使用できるようにするためである。
 (それにしても、デジタル教科書をプロジェクターで使用すると、スクリーンが黒板を占有してしまうのが問題点の一つだ。その意味では、電子黒板があると、この問題は解決する。)

 以下のものが子どもたちから出された疑問点である。

○ どうして、お父さんは、決まってゆみ子をめちゃくちゃに高い高いをするのか。
○ お父さんは、なぜ深いため息をつくのか。
○ お父さんは、どうして戦争なんか行く人ではないかのようにしていたのか。
○ なぜ、お父さんは一輪のコスモスの花をゆみ子にあげたのか。
○ なぜ、お父さんはごみすて場のような所にわすれられていたようにさいていた花をあげたのか。
○ なぜ、ゆみ子は花をもらって喜んだのか。(食べ物がほしかったはずなのに。)
○ なぜ、お父さんは、ゆみ子のにぎっている一つの花を見つめながら行ってしまったのか。
○ なぜ、お父さんは何も言わずに汽車に乗って行ってしまったのか。
○ なぜ、ミシンの音だけが聞こえてくるのか。
○ なぜ、コスモスの花がたくさんあるのか。

 ちょうど、最後の場面まで書いたところで時間がきた。子どもたちは自己評価カードを記入して終了。

 自己評価カードの中に、「グループで考えたときは、そんなに疑問点が出なかったけど、みんなで話し合うとたくさんの疑問点が出された。みんなで話し合うことの大切さが分かった」というものがあった。(つづく)

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2009年10月15日 (木)

4年「一つの花」その2:2009

 「一つの花」の第二時。

 今回の国語の授業は1時間目で,なおかつ最初に漢字のミニテストを実施したために,時間が短くなってしまった。(日常の授業とは,そんなものだと思う。)

 まず,自己評価カードに書かれたものの中から,私が印をつけているものを発表させる。このときの発表意見はけっこう後の学習に影響を及ぼす。たとえば,以下のような意見である。

 ○今日,はじめて感想を書きました。それで思ったことがあります。それは,どうしてゆみ子さんのお父さんはコスモスの花をゆみこさんにわたしたんだろうと思いました。(以下略)

 子どもが読んでくれた後に,私は「そうだね。いいことに気づいたね。どうして,お父さんはコスモスの花をわたしたんだろう。こうやって,疑問に感じたことをみんなで話し合うと,そのときのお父さんの気持ちを考えることができるよね。」とコメントする。

 そこで,本時の学習のめあてとして「ぎもんに思うことを話し合う」ということを説明する。

 「グループで話し合いながら,疑問に思うことをノートに書いていきなさい。」と指示。子どもたちはグループの中でどんどんと話し合っていく。私は,グループを回って,良い疑問を指摘してほめていく。たとえば,以下のような疑問がノートに書かれていった。
 ○どうして,お父さんは,ゆみ子をめちゃくちゃに高い高いをするのか。
 ○どうして,お父さんは,ごみすて場のような所から花をさがしてきたのか。
 ○どしして,お父さんは,何も言わずに,汽車に乗って行ってしまったのか。

 疑問をノートに5つ以上書いたグループから自己評価カードを書かせて終了。実質的には25分程度の時間になってしまった。(つづく)

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2009年10月14日 (水)

4年「一つの花」その1:2009

「一つの花」

 「一つの花」の第一時。できるだけ、ふだんの授業としての記録を残すことにする。

 まず、黒板に「一つの花」と板書。
 次に、一輪のコスモスの花を印刷した写真を黒板にはる。
 「一つの花を見て、感じることを話し合いなさい。」
 子どもたちは、机をつけて3人グループでそれぞれに意見を出し合う。

 話し合いの後に、意見を言わせる。はじめの子どもが「きれい」と発言。
 私は、「『感じること』と聞いているので『きれいさ』や『美しさ』などという言い方にしましょう。」と告げた。
 ここでは、あえて「美しさ」と板書してしまったが、あとで考えると、ここは全員に「〜さ」という言い方で答えましょう、と指示するべきだった。
 その後は、以下のように発言が続いた。
Hitotsunohana01  ○美しさ
 ○かなしさ
 ○さびしさ
 ○元気
 ○たくましさ
 ○明るさ

 理由を行っている子どもはほめた。ここでは、「一つだけの花なので、かなしく感じる」「一つだけさいているからたくましいように感じる」という意見が出た。
 ここは、学習の伏線となるだろう。

 自己評価カードには、「『一つの花』を読んで、はじめの感想を書く」というめあてを書かせた。このカードは毎時間使うことにしている。

 

 次に、デジタル教科書の朗読を聞かせた。ところどころは一時停止をして、「配給」や「ぼうくうずきん」などの語句の説明をしていった。

 読みが終わったら、最後の次のページの「学習」の部分を指名読み。
 学習のめあてとして、以下のことを告げた。

 「この物語には、お父さんやお母さんの気持ちは一切書かれていません。そこで、言葉の中から、お父さんやお母さんの気持ちを考えていくという学習を行います。」

 「学習のめあて:お父さん、お母さんの気持ちを考える。」と板書。

 その後、原稿用紙に子どもたちは「はじめの感想」を記入する。
 感想を提出して、自己評価カードを書いて終わり。正味45分であった。

 感想文を読んでみると「どうして、お父さんは一つの花をゆみ子にわたしたのだろう。」という意見が比較的多かった。これは、2時間目につなげられる。
 また、「ゆみ子は、お父さんのことを忘れてしまったので、お父さんがかわいそうだ。」という意見も多かった。今後の展開が楽しみになってきた。(つづく)

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2009年9月14日 (月)

「伝え合う」ということ2009その1

 国語の単元「『伝え合う』ということ」は、点字や手話などの「伝え合う方法」を調べて発表する単元である。

 一昨年は、国語専科をしていたので、学級を二つに分け、一方のグループを学級担任が指導し、もう一方を私が指導した。それぞれテーマを「手話」と「点字」にしたので、調べて発表することもスムーズにいった。おたがいに発表し合ったので、目的意識も高かった。

 今回は、学級担任として一つの学級を指導することになる。指導書では調べる方法として「実地の取材」「図書館利用」「インターネット」と書いてある。しかも「実地の取材」を推奨している。リアリティという意味は全くその通りなのだが、この活動をどのように行えばよいのだろう。
 また、発表とあるが、目的と相手意識がどうしても薄くなりがちだ。この問題も解決しなければならない。

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2009年9月 5日 (土)

「ぼく」 木村信子 その2

 「ぼく」の2時間目。

 休み時間のうちに,詩を板書しておく。
1,発問5「昨日の続きをやります。前半には「小さなぼく」,後半には「大きなぼく」ということが書かれていました。では,『宇宙』は何を表していますか。グループで話し合いなさい。」
 この発問も難しい。あえて「象徴」という言葉を教えずに,どこまで授業ができるかやってみたかった。
 子どもたちからは次の答えが返ってきた。
 ○ 大きな心
 ○ 大きな考え
 ○ 大きな気持ち
 ○ 大きな存在

 それぞれの答えをほめていった。

2,発問6「この詩の題名は『ぼく』です。『自分』ではありません。でも,『自分』に換えても意味は分かります。(『自分』に換えて朗読。)では,『ぼく』と『自分』とでは,どう違いますか。」
 これは比較的分かりやすい問いであった。子どもたちからの答えは以下である。
 ○「ぼく」は男の子だが,「自分」は大人でもよい。
 ○「ぼく」の方がやわらかい感じがする。

3,発問7「『ぼく』ということは『子ども』であるということでしょう。では,『ぼく』が子どもであるということを考えて,『宇宙』が表していることを,もう一度考えてみましょう。」
 この問いは,面白かった。「大人」ではなく「子ども」こそが多くもっていることだと考えさせてみたかったからだ。次の意見がかえってきた。
 ○ 大きな夢
 ○ 大きな希望
 一人の子が次のようなことを語り出した。
 「子どもはこれから先にいろいろなことができるようになる,とうことだと思います。」
 私は,そのようなことを『可能性』といいます,と説明して,次のように板書した。
 ○ 可能性

4,発問8「木村信子さんは,わたしたちに何を伝えたかったのでしょうか。グループで話し合ってみましょう。」
 この後に,意見を求めていった。集約すると,次のようになった。
 ○ 私たち子どもはまだ小さいけれど,大きな可能性をもっているので,あきらめないで,色々なことにがんばろう。」

 残りの20分ほど残った。家庭学習の方法を説明して授業を終了。
***********************************
 今回は,教師がかなり引っ張ってしまった反省もあるが,子どもたちはよく考えていた。4年生も2学期以降になってくると,抽象的な思考が少しずつできるようになってくる。

 

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2009年9月 4日 (金)

「ぼく」 木村信子

「ぼく」という詩が教科書に掲載されている。木村信子さんご自身のサイトにも掲載されている。
NORRA'S PAGE"EPILOGUE"

 なかなか面白い詩だと思う。
 忘れないうちに授業の記録を書いておこう。

1,指名読み
2,音読練習(回り読み)
3,詩を板書。子どもたちはノートに全文を視写する。

4,発問1「気づいたことをグループで話し合いなさい。」
  発表。次の意見が出た。
  ○ 真ん中の部分。
   「ひとりのぼく」と書けばいいのに,わざわざ「ひとり」と「の ぼく」を分けて書いている。
  ○ 句読点がない。
  ○ いきなり「たとえば」から書いてある。
  なかなか,面白い意見が出てきた。

5,発問2「この詩を真ん中から分けると,どこで分けられますか。その理由も一緒にグループで話し合いなさい。」
  発表。次の二つの意見に分かれた。
  A案:「地球の上の」の前。
  B案:「だけど」の前。
  この後,どちらが正しいかグループ内で検討する。結局,「だけど」から先が内容が変わっているということでB案で決着が着く。その反応を見て,次の発問を行う。

6,発問3「たしかに,『だけど』の前半と後半とでは,違うことが書かれています。どう違いますか。」
  この発問は難しいが,あえてやってみた。子どもたちは「前半は地球のことで,後半は宇宙のことが書いてある。」「前半は一人のことで,後半は宇宙ことが書いてある。」などと意見を述べていった。ある子が「前半はぼくのことで,後半はぼくの存在のこと。」と述べた。それを受けて,次の発問を行う。

7,発問4「たしかに,この詩の題は『ぼく』です。つまり,ぼくのことが書かれているのです。前半のぼくと後半のぼくとでは,どう違いますか。『前半は○○なぼく,後半は○○なぼく』というふうに答えなさい。」
  子どもたちの回答としては「前半は地球上のぼくで,後半は宇宙のぼく」といったものが多かった。「前半は『小さなぼく』,後半は『大きいぼく』」という意見が出た。

8,発問5「木村信子さんは,この詩で何を言いたかったのでしょう。」
  あえて,「主題」という言葉を使わなかった。「宇宙とは何か」ということを話し合いはじめたところで時間切れ。

 詩の授業は面白い。子どもたちの反応を見ながら,その場で発問を作っていけるからだ。(つづく)

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2009年7月 2日 (木)

新聞記者になろう 2009 16

新聞記者になろう 第13時・第14時

 見出しを考えさせる前に、新聞の割り付けを行うことにした。文章はコピーアンドペースト、写真はドラッグコピーなので1時間でできると思っていたが、案外と難しかった。グループによっては2時間かかってしまった。子どもたちは、「コピー」「ペースト」の概念が分かっていないからなのだろう。だが、一度経験しておくと、その後の展開は楽だ。

 割り付けは難しい。A4程度の決められた枠で3段組程度のものを作成しようとすると、すでにレイアウトが決まってしまうからだ。
 ソフトウェアの改良点を挙げておきたい。
1、フォントの大きさはデフォルトで10ポイントにしたほうがレイアウトの自由度が高まる。
2、自由にレイアウトできるのはメリットだが、ある枠に入れ込む方が、子どもは悩まずにすむ。
3、見出しの文字のデフォルトは黒が望ましい。(青だと違和感がある。)
4、簡単な図形(四角など)を入れられる機能がほしい。
5、文章は文字枠の大きさにかかわらず、全文がペーストできるようにする。

 他にもあるが、ここでは割愛する。子どもたちは、とりあえず完成したものを白黒で拡大印刷をする。はりつけて、黒板に掲示。これから見出しを考えることになる。
Waritsuke
Waritsuke2

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2009年6月26日 (金)

新聞記者になろう 2009 15

新聞記者になろう 第9時

 本時のめあては、「文字をコンピュータに入力する」である。
 最初にワープロソフトの使い方について簡単に説明を行った。しかし、子どもたちには「グループ全員の推敲と清書が終わらないと入力はできません。」と指示をした。だから、子どもたちはまずグループで残りの作業を行うところからスタートすることになった。一人の子どもの原稿が合格せずに、すぐに終わらないグループもある。私は「三人で山登りをしていて、一人が穴に落ちた状態です。その人を見捨てて山に登りますか?今が苦しい時です。でも、それを乗り越えなさい。」と告げた。このような言葉かけが大切だと思う。

新聞記者になろう 第10時・第11時・第12時
 ここは、ひたすらコンピュータに入力を行う時間となった。二人ペアになって5分交代で入力するようにさせた。最初は、キーボードにひっかっていたが、だんだんと上手になってくるから、子ども達はすごい。両手でローマ字入力ができるようになってきていた。
 はじめてのローマ字入力ということもあって心配していたが、ほぼ第12時までに入力が完了した。私は、最終的なチェックを「教師機」で行う。教師機では、全ての子どもたちのファイルを開いてチェックできるから極めて便利だ。パソコンで推敲すると、段落と読点のチェックが実に簡単にできる。手書きにはない利点である。

Nyuuryoku1
Nyuuryoku2
Nyuuryoku3

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2009年6月23日 (火)

新聞記者になろう 2009 14

新聞記者になろう 第8時

 本時のめあては「推敲して清書する」である。

 推敲カードを配布して、子どもたちに「推敲の手順」を実物投影機で示すことにした。辞書を使って言葉を調べて、赤鉛筆で修正をしていく。
 推敲カードは、表記の誤りを指摘するのには効果的であった。少なくとも、「敬体と常体の区別」「誤字脱字の指摘」「助詞の誤りの指摘」はできるようになる。

 問題は、「伝えたい中心が相手に伝わるか」という内容の部分である。たとえば、「インタビューによって、給食ベスト3までが分かった」という事実に対して、どのような意見を述べるかということが子どもによっては難しいのだ。教科書の例文では「大なわ大会でのゆうしょうはのがしたけれど、目標は達成されたのではないか」という意見が書かれている。このような意見が書ける子どもは、案外と多くはない。ここは、一つ一つ子どもたちの記事を読んで、教師側から指摘していくしかなかった。

 ほぼ1時間で推敲までは可能だが、清書まで入れると、やはり2時間はほしいところだ。

 それにしても、新聞制作は、「写真撮影」「アンケートとその分析」「インタビュー」などが含まれた複合的な「書く単元」である。どうして一学期の五・六月に配列されているのかが分からない。「インタビュー」「生活を見つめて」「アップとルーズ」などを学習した後に新聞制作をもってきた方がよほど効果的だと思うのは私だけだろうか。Suikou1
Suikou2

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2009年6月21日 (日)

新聞記者になろう 2009 13

 新聞記者になろう 第7時

 前回からの続きなので、いきなり記事の執筆を行わせた。
 「原稿用紙に記事を書きましょう。ただし、グループ全員が書き終わらなければ、出してはいけません。3人が協力して記事を完成させるのです。」
 
 最初はどこから始めればいいのかが分からずに、ぼーっとしていた子どももいたが、前回に配布した「記事の例文」がかなり役立った。これを見ながらだと、なんとか記事を書く事はできる。
 3分の1のグループは1時間で書くことができたが、残りのグループはまだ時間がかかっていた。別の時間の課題が終わったら仕上げるように指示した。
 4行ほど残して「もう書けません」と言っている子どもには、叱咤激励。試練の場であることを説明した。
 各グループごとに、A4の袋を配布して、写真や例文資料、記事の原稿などは全てその中に入れられるようにする。

 授業が終わって、全員の文章をあらためて読んでみると、欠点がかなりある。たとえば、事実と意見・感想が入り交じっている文。常体と敬体が入り交じっている文。誤字脱字などなど。これは、推敲の指導がかなり必要だ。

 そう考えながら、学習指導要領解説の国語編を見てみると、推敲のところで以下のように記載されている。

*******************************

 低学年の「エ文章を読み返す習慣を付けるとともに,間違いなどに気付き,正すこと。」を受けて,間違いを正したり,よりよい表現に書き直したりすることを示し ている。
 指導事項ア~エを基に,どのようなところに注意して推敲するのかを明確にすることが大切である。「文章の間違いを正」すことでは,主語と述語及び修飾と被修飾の 関係の明確さ,長音, 拗音,促音, 撥音,助詞などの表記の仕方のほかに,敬体と常体,断定や推量,疑問などの文末表現の使い方などに注意する。「よりよい表現に書き直」すためには,相手や目的に応じているかや,自分の考えを明確に記述しているかなどから表現を検討することが必要となる。
 児童自身が間違いなどを正したり,よりよい表現に書き直したりすることによって 整った文章になることが実感できるように,下書きと推敲後の文章を比べるなどの工夫をすることが大切である。

「学習指導要領解説  国語編」
*******************************

 教師が推敲するのではなく、子どもたちが推敲できるように指導するのである。
 これは難しい。教科書にも詳しい内容が書かれていない。たとえば、次のような視点が記載されている「推敲カード」のようなものが必要なのではないだろうか。

*******************************
 文章を見直そう。

1、「事実の文」と「意見・感想の文」が、はっきり分かりますか。

2、うちの人が知りたい内容になっていますか。

3、主語と述語がきちんと合っていますか。

4、「〜は」「〜を」などの表現は正しいですか。

5、常体の文章(〜である。〜だ。)になっていますか。

6、漢字や送りがなは正しく使われいますか。

7、同じ文末が繰り返されていませんか。
  次にあるような文末を使ってみましょう。

  〜である。 〜だ。 〜ではない。 〜だろう。
  〜とは言えない。 〜ではないのか。 〜になったのだろう。
  〜なのだ。  〜と思われる。 〜ということだ。
  〜ということであった。  〜している。 etcKiji1
Kiji2
Kiji3

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2009年6月19日 (金)

新聞記者になろう 2009 11

新聞記者になろう 第5時

 アンケート用紙の記入と取材活動となる。

 アンケートに関しては、朝の自習の時間に記入させることにした。「いくつ○を書けばいいの?」「〔〕の中は何を書けばいいの?」といった書き方が分からないという不満が続出した。ここはアンケート作成者に直接答えさせることにした。アンケートは実際にやってみてはじめて色々なことが見えてくる。

 国語の時間は、いよいよ取材開始となる。一グループが3人なので、11のグループができる。アンケートを集計するグループもあれば、ノートとデジタルカメラをもって職員にインタビューをするグループもある。
 インタビューのしかたを簡単に指導して行かせた。デジタルカメラはかき集めたものなので一つ一つの操作は異なるのだが、子どもたちは簡単に使いこなす。逆光に気をつけることと、同じ人や物でも様々な方向から何枚も撮影しておくことを指導した。

 この時間は、複数のグループが一度に動き出すので、指導する側も大変である。なんとか、取材を終えた。Shuzai01
Shuzai02
Shuzai03

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2009年6月16日 (火)

新聞記者になろう 2009 8

 新聞記者になろう 第3時

 (はじめの7分ほどは、漢字のミニテスト。)

 金曜日に持って帰った手紙の返事をもってきている日である。
 大変ありがたいことに、どのご家庭も一人も忘れることなく、子どもたちに手紙をもたせてくださった。

 授業開始と同時に、前回の自己評価カードの反省。さらに、本時のめあて「グループで新聞の内容を決める」を述べる。
 それから教科書の「どんな新聞を作るか どんな話題をのせるのかを考えよう」の部分を音読。

「それでは、自分に返ってきた『友達のお父さん・お母さんからの返事』を読んでみましょう。」と指示する。
 子どもたちはわくわくしながら。友達の保護者からの手紙を読んでいた。
 これは本当に楽しい時間だった。
 あらためて手紙の良さを実感した。その人の文字で、その人の文で、心をこめて書くことによって、相手に伝わるものがある。子どもたちにとっては、大人からもらう初めての手紙だったのだろう。夢中で読んでいた。

 また、返事の内容が子どもたちとっても良かった、たとえば、時候の挨拶。

 ○ 梅雨入りしたというのに、あまり雨もふらず植物さんたちは少しのどがかわいてるかもしれません。でも、学校に歩いて通うのには気持ちのいいお天気が続いていますね。
 ○ とうとう梅雨に入りむし暑い日が多くなりましたね。暑さに負けず、勉強がんばっていますか。

 そのまま生きた教材になっている。
 さらに、運動会のダンスの感想なども書いてあるものも多かった。

 ○ 先日の運動会、がんばる姿がとてもステキでした。
 ○ 運動会のよさこいソーラン。堂々として上手でした。また、リレーでは、一人ひとりが一生けん命バトンをつなぐ姿に感動しました。

 子どもたちとっては、自分のがんばりが評価されたことになる。
 また、最後の一言も効いていた。

 ○ どんな新聞ができあがるか楽しみです。
 ○ 新聞を作ることは大変な事だと思いますが、みんなでがんばって成功させて下さい。
 ○ 授業参観を、とっても楽しみにしています。

 このあとは、グループ内で互いの手紙を読み合った。
 教師は「それでは、手紙の内容をもとにして、グループで新聞の内容を決めましょう。」と指示した。ただし、以下のことを条件とした。
 ・写真やグラフなどをのせることができる。
 ・授業中や休み時間に取材ができる。
 
 保護者からの質問項目としては以下のようなことが多かった。

 ○ みんなが一番好きな給食のメニューは何ですか。
 ○ 休み時間に何をしてすごしていますか。
 ○ 学校の怪談みたいなものはありますか。
 ○ 学校ではやっている遊びは何ですか。
 ○ 理科ではどんなことを勉強していますか。
 ○ 前田先生はどんな先生なのですか。教えて下さい。
 ○ 総合的な学習の時間は何をやっていますか。
 ○ 学校の電気代ってどれくらいかかるのでしょうか。

  それから、各グループで一人一つの記事が書けるように話しあった。「遊び」ということを中心テーマとして「室内での遊び」「みんなで遊ぶ日」「外での遊び」というふうに分担しているところもあれば、「総合について」「好きな遊び」「今はやっていること」というふうに中心となるテーマを決めないグループもあった。
 悩んでいるグループには、この保護者から手紙がよい材料となっている。私は「手紙を見せて。ほら、こんなことって調べてみるとおもしろいよ。」などと話しかけていった。

 時間が不足気味であった。最初の漢字ミニテストをさしひけば、ちょうど45分程度の時間でおさまるだろう。

 それにしても・・・「友だちのお父さん・お母さんからの手紙」の魅力はすばらしい。あらためて、保護者のご協力に感謝申し上げたい。(つづく)Tegami01
Tegami02
Tegami03

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2009年6月13日 (土)

新聞記者になろう 2009 7

 新聞記者になろう 第2時

 子どもたちには以下のように話しかけた。

 「みんなで、うちの人に学校の様子を伝える新聞を書きます。でも、うちの人がどんなことを知りたいのかが、みんなには分かりません。そこで、うちの人に手紙を書いてたずねることにしましょう。」

 ここまでは、子どもたちもすなおに聞いている。
 さらに続けた。

 「しかし、自分の親に手紙を書く必要はありません。直接聞けばいいからです。だから、友達の親に手紙を書くのです。同じグループの左側に座っている友達のお母さんやお父さんに向かって手紙を書くのです。」

 ここで、子どもたちは一斉に「えーっ!!」と声をあげた。友達の親に手紙を書く経験はなかったからである。いやがった声ではない。驚いた声である。

 さらに続けた。

 「友達のお母さんやお父さんに手紙を書こうとすれば、ていねいな字で礼儀正しく書かなければなりません。『手紙を書く』で学習したことが生かされます。手紙の書き方がしっかり身につくようになります。」

 その後は、以下の手順ですすめた。
 1、封筒の表に友だちの親の名前をていねいに書く。(『様』をつけて)
 2、もう一枚の封筒(返信用封筒)の自分の名前を書く。(『行き』をつけて)
 3、教科書の単元「手紙を書く」を読んで手紙を書く。
   初めのあいさつ、本文、終わりのあいさつ、後付け
 4、返信用の紙を書く。
   「ここに書いて下さい。」「ありがとうございました。」

 しかも、グループの3人が必ずおたがいにチェックして教師のところにもってくることを条件とした。手紙の内容は、教師の方でサンプルを読むことにした。たとえば以下のような感じである。

 「雨の季節に入り、あじさいがとても美しくさいております。お元気ですか。
  私たちは、今うちの人に学校の様子を伝えるための新聞を作る学習をしております。つきましては、学校のどんなことを知りたいのか、教えていただけませんでしょうか。専科の先生のことや遊びのことなど、なんでもけっこうですので、書いていただけるとうれしく思います。おいそがしいところ申し訳ありませんが、月曜日までにお願いします。
  七月には授業さんかんもあります。来ていただけると大変うれしく思います。お元気で。」

 あえて、板書せずに読み上げた。内容は子どもたちに考えてほしいからである。
 しかし、あとで分かったことなのだが、子どもたちは一番大切な「学校のどんなことを知りたいのか、書いて下さい。」という一文を書き忘れる傾向にあるのだ。
 初めのあいさつにあまりにも時間をかけすぎてしまったからである。そこで、板書に「学校の中で知りたいことを書いて下さい。」という一文を書くことにした。

 教師のチェックが終わったら、手紙と返信用封筒、返信用の紙を折りたたんで入れて終了である。自己評価カードを記入してちょうど一時間。

 保護者向けには学級通信で以下のようにお知らせした。
**************************
 子どもたちは、国語科の「新聞記者になろう」という単元で、学校の様子をうちの人に伝える新聞をつくることになりました。「国語事典」を使って言葉を修正したり友達と推敲しあったりして記事を書いていきます。そして、デジタルカメラで写真を撮影して、「ローマ字入力」を使ってコンピュータで制作をします。
 つきましては、子どもたちが「うちの人たちがどんなことを知りたがっているのか」を調べるために、保護者に手紙を書くことになります。しかも、自分の保護者ではなくて、同じグループの友達の保護者に出します。なぜならば、国語で学習した「手紙の書き方」を活用するための良い機会になるからです。子どもたちは、大人に対して「本物の手紙」を書くことになるわけです。
 つきましては、大変お手数ですが、返事を書いていただけませんでしょうか。簡単な内容でけっこうですので、「学校や子どもたちのこんなことを知りたい」ということを書いていただけるとありがたく思います。たとえば、「今、どんな遊びをしていますか。」「専科の先生の授業はどんな様子ですか。」といった子どもたちが取材しやすい内容です。月曜日に子どもにもたせて下さい。
 子どもたちの相手意識や目的意識が高まると学習意欲も高まります。ご理解とご協力をよろしくお願いします。どんな新聞ができあがるか楽しみです。
**************************

 今回の授業は子どもたちはかなり緊張したらしい。しかし、自己評価カードの「やる気」のところは非常に高かった。リアルで必然性のある設定であったからだろう。自己評価カードの自由記述の部分を抜粋する。

○ ○○くんのお母さんに手紙を書きました。どきどきしたけど書けたのでよかったです。
○ わたしたちはよく話し合えてよかったです。理由は分からないところがあったら、教えてやったりできたからです。
○ 分かったことがあります。それは、話し合うと文もいっぱい見つかって早く終わるということです。
○ 今日は、ていねいごで書くとあいてもよろこぶことが分かりました。すこしむずかしかったです。
○ 今日は、協力できたけど、大人の人へ書くのはむずかしかったです。こんどは、もっと協力したいです。


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2009年6月12日 (金)

新聞記者になろう 2009 6

 新聞記者になろう 第1時

 授業のスタート。授業はじめの10分間は新出漢字の指導を行った。
 次に教科書を音読。めあてを板書。子どもたちはノートにうつす。
 「今回は、うちの人が知りたいと思う内容を新聞にします。しかも、コンピュータを使います。」と説明した。
 自己評価カードを配布して、今日のめあての「新聞記事を見て気づいたことを話し合う」と告げる。
 次に、教科書の中の「新聞記事を見て気づいたこと」を音読。
 「今から、いくつかの新聞記事をくばりますから、気づいたことを話し合いながらノートに書きなさい。」と指示。
 子どもたちはグループの中で話し合う。
 新聞は以下のものを利用した。
 (1)産経子どもニュース
 (2)時事フォト
 (3)朝日小学生新聞
 大人が読む一般的な新聞ではなかったので、子どもたちにとっては何の抵抗もない。様々なことを話し合っていた。たとえば以下のようなことである。
 ○写真があると分かりやすい。
 ○見出しの文字は太くて色を変えてある。
 ○地図がついていると、場所が分かりやすい。
 ○いつどこでといったことが書いてある。
 いくつかの要点は子どもたちが前に出て発表する。
 後は、子どもたちが自己評価カードを記入して終わり。


 気になったのは、朝日小学生新聞のようなものを見ている子どもたちは「どんな記事があるのか」ということと「レイアウト」について話し合っていたのに対して、産経子どもニュースを見ていた子どもたちは写真の中身や文章の内容を話し合っていたところである。

 考えてみれば、教科書ではレイアウトや見出しのことなどは資料と掲載してあるのだが、「新聞の文章」は詳しくは書かれていない。本当は、この「新聞記事の文章」について検討する時間が必要なのではないのだろうか。(つづく)

Shinbun01
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2009年6月 3日 (水)

新聞記者になろう 2009 5

 「新聞記者になろう」の配当時数は16時間である。昨年度の反省としては「記事を練り直す活動が不足した」と「面白い見出しを出し合うといった活動もあった方がよかった」ということが挙げられた。それを考慮しておおまかな指導計画を立て直してみた。

【課題設定】
1:実際の新聞を見て新聞の書き方の工夫を調べる。
2:友達の保護者に「どんなことを知りたいか」を問う手紙を書く。
3:手紙の返事をもとに記事の内容を話し合う。計画を立てる。
【情報の収集】
4:写真を撮影したりインタビューをしたりして取材する。
5:前時の結果を振り返り、さらに不足分を取材する。
【整理分析】
6:取材したことを選材・整理する。
7:「いろいろな符号」を読み、記事の下書きを書く。
8:辞書を活用しながら記事の下書きを書く。
【まとめ・表現】
9:ローマ字入力を使ってコンピュータに記事を入れる。1
10:ローマ字入力を使ってコンピュータに記事を入れる。2
11:記事を印刷してみて、辞書を使いながらグループ内で推敲する。
12:推敲された記事を修正して、コンピュータでレイアウトを考える
13:面白い見出しをみんなで考える。レイアウトを練り直す。
14:新聞を完成させる。
15:それぞれの新聞を読み合う。友達の保護者に手紙を添えて送る。
16:保護者からの感想をみんなで読み合い、学習の振り返りを行う。

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2009年5月31日 (日)

新聞記者になろう 2009 4

 新聞づくりにおける「書くこと」の言語活動例としては,どんなものがあるのだろう。学習指導要領解説編から抜粋しておこう。

**************************

イ疑問に思ったことを調べて,報告する文章を書いたり,学級新聞などに表したりする言語活動

 調べたことを基に報告する文章を書いたり,それを学級新聞などの記事として生かしながら編集したりする言語活動である。
「疑問に思ったことを調べ」るとは,例えば,自分の経験したことの中から不思議に思ったことや,身の回りの事柄や学習した事柄について疑問に思っていることなどを調べることである。調べた結果を友達に説明するなど,書く相手や目的を明確にもつことのできる場面の設定が必要となる。設定した相手,目的や場面に応じて,書く材料の収集や選択の仕方,まとめ方などを様々に工夫することになる。その際,報告する文章や学級新聞などの特徴に基づいて書くことが必要となる。例えば,調査を報告する文章では,調査の目的や方法,調査の結果とそこから考えたことを明確に書くことになる。学級新聞では,複数の種類の文章を集めて編集し,見出しを付けたり記事を書いたり,割り付けをしたりする
とになる。

ウ収集した資料を効果的に使い,説明する文章などを書く言語活動

 資料を使い,説明する文章などを書く言語活動である。
「収集した資料を効果的に使い」とは,説明する相手や目的に応じて,本や文章,図表,絵画,写真,具体物などの資料を収集し,考えを高めることと,構成や記述のためにこれらの資料を活用することとである。書くべき「説明する文章など」には,文章だけでなく,図鑑や小冊子などの形も考えられる。ここでは,例えば文章を図解する資料となっていることや,写真やグラフなどを具体的に解説した文章となっていることなど,文章と図表などの資料とが相互に密接な関連をもつものであることを意識できるようにすることが大切となる。
       (文部科学省「小学校学習指導要領解説 国語編」)
**************************

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2009年5月29日 (金)

新聞記者になろう 2009 3

 新聞づくりを活用型の学習として,設計しなおしてみたい。

 まず,新聞づくりそのものは,課題設定〜情報の収集・選択・整理・発信までが一連の流れとなっているので,基本的には課題解決型の学習となる。

 そこで,知識・技能の「活用」という視点で見直すとどうなるだろう。思いついたことをメモしておこう。
1,手紙文
 どのような新聞を作りたいかという前に,読者は何を読みたがっているのか,ということを掴む必要があるだろう。今回は,保護者が対象なので,子どもたちがそれぞれの保護者に尋ねればよいことになるのだが,そこは一工夫がいる。具体的には,同じ班のメンバーの保護者あてに手紙を書いて尋ねるという形にする。そうなると,子どもたちは,一学期に学習した「手紙の書き方」を思い出すことになるだろう。なおかつ,相手が大人であるからていねいな言葉遣いや文字も必要になる。ホンモノの手紙を書かざるをえなくなる。

2,ローマ字
 教科書の配列では,新聞作りの後に「ローマ字」の単元がくるが,これを入れ替える。ローマ字の学習をして,コンピュータによるローマ字入力に慣れてから新聞作りに入ることにする。今回は,コンピュータを使うことで,推敲やレイアウトを吟味しやすくしたい。
 ちなみに,「ローマ字入力」を重視していない人もいるのだが,学習指導要領の総則編には以下のように書いてある。
**********************
 小学校における各教科等の指導に当たっては,コンピュータで文字を入力するなどの基本的な操作や情報モラルを身に付け,適切に活用できるようにするための学習活動を充実することを示した。
 (小学校学習指導要領解説 総則編)
**********************

3,辞書
 子どもたちは3年生の時に,国語辞典の使い方を学習している。私の教室にも国語辞典はいつでも使えるようにしてある。今回の新聞づくりでは,国語辞典を積極的に活用させて言葉の吟味ができるようにしていきたいと考える。

(つづく)

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2009年5月21日 (木)

新聞記者になろう 2009 2

 2005年度の実践は、壁新聞になっていたが、ポイントが押さえられなかった。
 2006年度の実践は、印刷物としての新聞にした。保護者向けにしたのだが、フィードバックが得られなかった。ただし、コンピュータで制作したために推敲は極めて便利であった。
 2007年度の実践は、再び壁新聞にもどした。新聞らしいレイアウトにもなった。しかし、記事の内容が「○○先生の紹介」というものが多くなってしまった。学校に掲示したが、フィードバックが得られなかった。また、手書きであったために推敲に時間がかかった。

 今回の2009年度の実践では、今までの反省をふまえて授業を組み立てたい。まずは、思いついたことをメモしよう。
1、伝える相手は「うちの人」にする。壁新聞の形にする。
2、授業参観の時に掲示して、その場で見てもらいうちの人に感想を書いてもらえるようにする。
3、伝える内容は、うちの人に伝えたい、学校や学級の様子ということにする。
  例:少人数算数の授業、学級ではやっている遊び、給食の様子 など
4、記事の内容が重ならないように、グループでテーマを分担する。
5、コンピュータで制作する。
6、日常的な様子をデジタルカメラで撮影できるようにする。
7、参考とする壁新聞は以下のもの
 (1)産経子どもニュース
 (2)時事フォト
 (3)朝日小学生新聞

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2009年5月18日 (月)

新聞記者になろう 2009 1

 4年生の国語の単元に「新聞記者になろう」がある。
 今年度で4回目の挑戦になる。
 2005年,2006年,2007年と国語専科の時に実践を行ってきたが,どれも納得できなかった。そこで,過去のブログからその記録だけをひっぱりだして,読み返してみる。(shinbunkisha_kirokuを参照)
 過去の自分が試行錯誤しながら教材研究をしていることがよく分かる。
(それにしても,授業というものは記録していないと,自分が何をやったのかほとんど記憶に残らないものだ。その意味では授業記録は重要だと思う。)

 書店の教育書コーナーに行ってみたが,国語の棚には「新聞作り」に関する本がほとんど見あたらない。文学教材の読み取りや作文の本は山ほどあるのに,どういうわけだろう。
 むしろ,総合的な学習やNIEのコーナーにはあったりする。

 2009年の「新聞記者になろう」は,どんな授業になるのだろう。
「shinbunkisha_kiroku2005.pdf」をダウンロード

「shinbunkisha_kiroku2006.pdf」をダウンロード

「shinbunkisha_kiroku2007.pdf」をダウンロード

「shuzai_sheet.pdf」をダウンロード

「kiji_sheet.pdf」をダウンロード

「shinbungenkouyoushi.pdf」をダウンロード

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2009年4月17日 (金)

三つのお願い 2

 プレテストは、朝の自習の時間に行った。子どもたちは黙々と書いていた。時間は長目にとることにした。
 結果は以下のようになった。
一、お話を語っている「わたし」とはだれですか。本当の名前を書きましょう。
 答えは「ゼノビア」なのだが、「レナ」「レナ=ホーン」と書いている子どももいた。正答率は63.6%。

二、お話に出てくる「わたし」の友だちは何という名前ですか。
 答えは「ビクター」である。正答率は96.7%。

三、「わたし」は他の人たちから何とよばれていますか。
 1、お話に出てくる友だちから
 2、みんなから
 3、ママから(ふつうのとき)
 4、ママから(あらたまってよぶとき)

 これは、順番に「レナ」「ノービイ」「ノービイ」「ゼノビア」という答えになる。完全正答率は51.5%。「2、みんなから」の回答で「レナ」と記入している子が目立った。

四、ママは、お願いを一つかなえてもらえるとしたら何をお願いすると答えましたか。
 答えは「いい友だち」である。正答率は、84.8%。誤答としては「塩のびん、こしょうのびん」の記述があった。

五、「わたし」は「三つのお願い」として何をたのみましたか。
 1、一つ目のお願い
 2、二つ目のお願い
 3、三つ目のお願い

 答えは、順番に次のようになる。「この寒さ、何とかならないかな。」という願い。「あんたみたいな人、ここにいてほしくない。帰ってよ。」という願い。「いい友だちがいなくなって、さびしいよ。もどってきてくれないかな」という願い。意味があっていれば正解とした。完全正答率は57.6%。4名は無回答である。

 昨年度の9月のブログでも書いたが、読解には解読のレベルと解釈のレベルがある。
 物語の内容を正確に把握するのは解読のレベル。直接的な意味を指す「ディノテーション(denotation)=表示義」という言葉を用いる。今回のプレテストで測定できる程度のものである。

 一方、解釈のレベルでは、内包された意味を指す「コノテーション(connotation)=共示義」という言葉を用いる。「三つのお願い」でたとえると、「なぜ、ママは『いい友だち』と答えたのでしょうか。」とか「この物語の主題は何でしょうか。」といった問いによって測定できる。

 「三つのお願い」が導入単元であることを考えると、授業の中で解読レベルのことをきちんとおさえていく必要があるだろう。

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2009年4月16日 (木)

三つのお願い 1

 4年生の国語科のはじめの単元として「三つのお願い」という物語がある。一読して、この物語を全員が正確に理解できるのだろかという疑問が起きた。指導書には「三つの願いについての個々の読み取りの様子から、身につけてきた力を把握し、これからの『読み』の学習に役立てるようにする・。」と記載されている。この物語の理解は、子どもたちによって、かなりばらつきが出るのではないだろうか。
 そこで、プレテストを実施することにした。問いは以下である。
****************************

三つのお願い はじめのテスト
年  組  号 氏名
お話をよく読んで次の問いに答えなさい。
一、お話を語っている「わたし」とはだれですか。本当の名前を書きましょう。


二、お話に出てくる「わたし」の友だちは何という名前ですか。


三、「わたし」は他の人たちから何とよばれていますか。

 1、お話に出てくる友だちから

 2、みんなから

 3、ママから(ふつうのとき)

 4、ママから(あらたまってよぶとき)

四、ママは、お願いを一つかなえてもらえるとしたら何をお願いすると答えましたか。

五、「わたし」は「三つのお願い」として何をたのみましたか。

 1、一つ目のお願い

 2、二つ目のお願い

 3、三つ目のお願い

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2008年12月27日 (土)

すがたをかえる大豆 3(作文)

 ずいぶんと時間がたってしまった。「すがたをかえる大豆」の後は「食べ物はかせになろう」という単元になって、「はじめ」「中」「おわり」の構成を考えた作文を書くことになっている。

 子どもたちは、説明文で学習したのですぐに書けそうなのだが・・・、実際は難しい。できる子とできない子の差がはげしい。「わかる」と「できる」は違うのである。いきなり原稿用紙に書かせると、段落がごちゃごちゃしたものになる。そこで、添付したような原稿用紙とサンプル原稿用紙を見せて書かせることにした。ここまで限定すると全員が書ける。

 この後、通常の原稿用紙に書かせると、かなり段落構成を意識した作文が書けるようになった。

 「できる」状態にもってくるためにはステップが必要なのだろう。「sakubun.pdf」をダウンロード

Sakubun

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2008年12月25日 (木)

ていねいな字

 2学期が終了した。2学期の成果は、子どもたちが少人数での話し合いを上手にできるようになってきたことと、「学びの日記」が書けるようになってきたことだ。「学びの日記」とは生活の中から学んだことを書く日記である。たとえば、「○○くんとけんかをしました。でも、○○くんの方が先にあやまってきました。ぼくは自分も悪いところがあったなあと反省しました。あやまることの大切さを学びました。」といったものである。つまり、体験から学んだことを言葉にしていくわけである。毎日継続していると、次第に書けるようになってくるから不思議なものだ。
 2学期の課題としては、字が多少なりとも雑になってきたことだ。この部分を私が評価しなかったからであろう。また、3年生になって毛筆の時間が増えて硬筆の時間がぐっと少なくなってきたことも理由の一つだろう。(もっとも、硬筆に活かされない毛筆の指導に問題はある。)
 そこで、ていねいな字を書くための教材を試験的に作成してみた。原版はエクセルで作成したものである。左側の字を入れ替えるだけで、なぞるための字が自動的に入れ替わる。もっともパソコンに教科書体フォントが入っていないと適切に表示されない。子どもたちは、かなり熱心に取り組むことができた。

 ちなみに、けっこうWEBサイトには「ペン字練習」のものが多い。小学生のためのものでは「きれいな字をを書こう! 小学生の漢字!」は役立つ。「teineinaji.pdf」をダウンロード

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2008年11月30日 (日)

すがたをかえる大豆 2

 第4時は、全文を「はじめ」「中」「終わり」の三つに分ける活動を行った。指導書では、「中」の部分を一つ一つていねいに「工夫」と「食品」とを書き出す活動をまず行うのだが、私はそれを行わなかった。それを行うと簡単に「はじめ」「中」「終わり」が分かってしまうと判断したからだ。
 一応の結論は以下のようになる。
「はじめ」の段落:1、2【大豆の説明】
「中」の段落:3、4、5、6、7【工夫のいろいろ】
「おわり」の段落:8、9【まとめ】

 黒板のスクリーンにプロジェクターで全文を提示する。子どもたちにも全文を一覧できるプリントを配布する。発問はそのまま「「はじめ」「中」「終わり」に分けましょう」である。
 これが予想以上に時間がかかっててしまった。子どもたちの思考では分ける規準ができていないのである。ましてや、それを3人のグループで話し合わせて結論を出させようとしたので、かなり混乱してしまった。根拠が曖昧のまま結論を出そうとした班は、メンバーがそれぞれ納得していない状態になる。
 結局7通りに分かれることになった。

 話し合わせ方としては、この中で「おかしい」と思うものを根拠をもってつぶさせていくことになるのだが、これもまた3年生では難しすぎた。
 ポイントをしぼらせないと、子どもたちは分けることに必死になって内容から遠ざかっていくように感じた。(つづく)

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2008年11月28日 (金)

すがたをかえる大豆 1

 3年生の説明文「すがたをかえる大豆」である。大豆が様々な食品に加工されて使われているという内容だ。3年生の読み取りはどのように行うべきなのだろうか。

 いつもは指導書をまず読み、自分なりに作りかえて指導を行ってる。今回も同様に作りかえた。しかし、子どもたちの実態を読み間違えた。授業記録と改善案を同時にメモしておこう。

 第1時は、本物の大豆を見せて全文の音読を行った。これは指導書どおり。子どもたちは、けっこう興味深く読んでいた。今、思い返せば、そのときに出た感想などを模造紙に書き写せばよかった。読み取りの方法論だけでは内容理解が薄くなる。子どもたちが出した率直な「はじめの感想」が常に掲示できるようにしてあれば、時々授業中にそれを読み返すことができるはずだ。

 第2時3時は、指導書では「食べ方の工夫がいくつあるかを予想する」「食べ方の工夫を書き出して整理する」となっている。
 第2時では、私は語句調べを行わせた。「いる」「にる」や「ニガリ」などを辞書を使わせながら確かめた。その後、デジタル教科書の朗読を聴かせ、音読の練習をさせていった。
 改善案としては、語句を調べるところまではよいが、「食べ方の工夫の予想」がやはり必要だと感じた。子どもたちは、工夫の数までは読み取っていないからである。その後に音読の練習をさせるべきだった。

 第3時は、教科書うしろに掲載されている「加工された大豆の写真」(きなこや納豆など)を小さく印刷したものと、全文を一覧印刷したものを準備した。それらの写真が、本文のどこに書かれているのかを考えさせようとしたわけである。これが子どもたちにとっては案外と難しいということが分かった。「いり豆」がどこにくるのかが分からない子どもが多数いた。
 指導書では、ワークシートを使って、おいしく食べる工夫を一つひとつ整理するようになっていた。こちらの方が授業としてはよい。それは、その後の展開で分かってきた。


 子どもたちの実態が把握できていないと、授業設計がうまくいかないということを痛感した。その点、指導書の方が確実な授業展開をしている。(つづく)

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2008年11月21日 (金)

ちいちゃんのかげおくり12 GarageBand

 朗読劇を「方法論」として子どもたちに作品解釈をさせていく学習を設計するとなると、どこを注意して読ませるかがポイントとなるだろう。漫然と練習をさせても意味がないからだ。
 そこで次のように再設計することにする。全11時間の単元計画である。
 大切なことは、「なぜ、そのように読むべきなのか」ということを子どもたちに文章を根拠にして話し合わせることであろう。また、解釈ができれば、すぐに朗読ができるというわけではない。役割を変えながら、多くの子どもたちが読み、何度も練習するような場も必要であろう。
 また、子どもたち一人一人には、本文を印刷したプリントを準備する。そのプリントに「読み方」や「心情」「情景」などを書き込めるようにしていく。そのプリントは評価でも使えることになる。
 読解したことは表現しないと伝わらない。それが文であっても朗読であっても同様である。

1時:デジタル教科書の朗読を聞いて初発の感想を書く。朗読劇をゴールにすることを知る。

2時:戦時中の資料を見て当時の生活の状況を知る。新出漢字の練習を行う。

3時:1の場面の朗読のし方をみんなで話し合って練習する。
   キーになる言葉:
   「ね。今、みんなでやってみましょうよ。」
   「すごうい。」
   「今日の記念写真だなあ。」
   「大きな記念写真だこと。」
   「体の弱いお父さんまで、いくさに行かなければならないなんて。」
   ちいちゃんとお兄ちゃんは、かげおくりをして遊ぶようになりました。

4時:2の場面の朗読のし方をみんなで話し合って練習する。
   キーになる言葉:
   「さあ、急いで。」
   「お母ちゃん、お母ちゃん。」
   「お母ちゃんは、後から来るよ。」
   「お母ちゃん。」
   でも、その人は、お母さんではありませんでした。

5時:3の場面の朗読のし方をみんなで話し合って練習する。
   キーになる言葉:
   ちいちゃんは、なくのをやっとこらえて言いました。
   「おうちのとこ。」
   ちいちゃんは、深くうなずきました。
   ちいちゃんは、また深くうなずきました。
   「お母ちゃんとお兄ちゃんは、きっと帰ってくるよ。」

6時:4の場面の朗読のし方をみんなで話し合って練習する。
   キーになる言葉:
   「まぶしいな。」
   ちいちゃんは、暑いような寒いような気がしました。
   「かげおくりのよくできそうな空だなあ。」
   「ね。今、みんなでやってみましょうよ。」
   「ひとうつ、ふたあつ、みいっつ。」
   「ようっつ、いつうつ、むうっつ。」
   「ななあつ、やあっつ、ここのうつ。」
   「とお。」
   「お父ちゃん。」
   「お母ちゃん、お兄ちゃん。」
   夏のはじめのある朝、こうして、小さな女の子の命が、空にきえました。

7時:班で役割分担を行って、自分たちが担当する場面を話し合いながら朗読の練習を行う。
  (絵本の挿絵は23枚。それを班の数で割る。)

8時:録音1:それぞれの班で録音を行う。

9時:自分たちの録音を聞いて、改良点を出し合って再度朗読の練習を行う。

10時:録音2:それぞれの班で再度録音を行う。

11時:朗読劇を視聴して感想を話し合う。初発の感想と比較して学習全体を振り返る。

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2008年11月18日 (火)

ちいちゃんのかげおくり11 GarageBand

 朗読劇と音読発表会の違いは大きい。音読発表会では、子どもたちは自分自身の声を検討することが少ないが、朗読劇だと一度録音された自分たちの声を再度検討することができる。しかも、部分修正も簡単だ。
 そう考えると、朗読劇で学習を設計した場合、最後に作品発表会をもってくるよりは、途中で録音された声を検討する時間を設けた方がよいはずだ。
 たとえば、音声だけを場面ごとにグループに切り分けて、それを各グループのコンピュータで再生させる。それらの音声を子どもたちは聞いて、「ここは、さびしい感じを出すために、間をあけたらどう?」「ここは『叫んでいます』と書いてあるので、叫ぶように言おうよ。」といった意見を出していくわけである。

 そこで、朗読劇の特性を考えて、授業を再設計してみることにする。(つづく)

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2008年11月13日 (木)

ちいちゃんのかげおくり10 GarageBand

 GaregeBandのよいところは、コンピュータに音声を直接録音することができるところである。
 録音はコンピュータ室で行った。防音のためである。

 なお、音楽に関しては秋山裕和氏の「FANTASY MUSIC H/MIX GALLERY」のサイトがすばらしい。このMUSIC GALLERYの音楽をダウンロードして使わせていただいた。
 効果音は、キングレコードの「効果音ベスト」を使用した。これには、悲鳴や飛行機の音などの198の効果音が入っている。

  絵本の1ページごとに録音を行う。
 完成した朗読劇は、iTunesという音楽ソフトにいったん書き出して、iMovieという映像編集ソフトに読み込む。朗読劇に合わせて絵本の絵を配置すれば完成である。
 つまり、映像に音を合わせるのではなく、音に映像を合わせるのである。

 作品をアップしたいところだが、著作権の都合上、音声の一部分(sound)だけをアップさせていただく。

 Rokuon「sound1.mp3」をダウンロード

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2008年11月12日 (水)

ちいちゃんのかげおくり9 GarageBand

 GarageBand(ガレージバンド)は、マッキントッシュ用の音楽ソフトである。しかし、音声や効果音なども重ねることもできる。
 これを使えば朗読劇が可能になる。
 一番上のトラックが「通常の音声」。その次のトラックが「エコーのかかった音声」。三番目のトラックが「音楽」。4番目から下は「効果音」となる。
 まずは、子どもたちの音声のない音楽と効果音だけのものを作成しておく。

 劇にするために絵本を活用することにした。「ちいちゃんのかげおくり」(あまんきみこ作、上野紀子絵、あかね書房)である。これだと教科書以上に挿絵があるので、そのページごとに割り振りを決める。
 役割分担で1時間。(けっこう時間がかかった。)練習で1時間。録音で1時間である。(つづく)
Garageband

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2008年11月11日 (火)

ちいちゃんのかげおくり 8

第7時。最後の場面。指導書の発問では「ちいちゃんが失ったものは何か」を考えさせた。
 また、指導書では「ちいちゃんは幸せだったのか。」という発問がある。
 これは3年生には難しい。なぜならば「幸せ」という感覚は相対的なものであるからだ。絶望と悲しみの極致と比較すれば天国で昇ったちいちゃんは「幸せ」とも言える。しかし、家族で幸せに暮らしていた生活と比較すれば死を迎えたちいちゃんは「不幸」だと言える。
 「幸せ」と「不幸せ」が二つに分かれたまま議論にならなかった。

 第8時からは音読発表会となっているが、ここではあえて朗読劇にする。
 ガレージバンドというソフトを使う。(つづく)

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2008年10月29日 (水)

ちいちゃんのかげおくり 6

 指導書によると、第3時ではサイドラインの箇所と感想を話し合うことになっている。
 私の学級では第4時において、この活動を行うことにした。ところが、子どもたちの方から山ほど意見が出てしまって、一時間では完全に不足してしまった。たとえば、一の場面の「ちいちゃんとお兄ちゃんを中にして、四人は手をつなぎました。」という文だけでも、「父さんとお母さんが、子どもたちを大切にしていることが分かる」といった意見がたくさん出るのである。また、「ちいちゃんとお兄ちゃんは、かげおくりをして遊ぶようになりました。(中略)いろいろなかげを空に送りました。」という文からは、「ちいちゃんとお兄ちゃんは、自分たちが元気でいることをお父さんに知らせたかったんだろう。」「ちいちゃんの気持ちは空にある。」といった意見も出て、子どもたちがそれぞれの意見に感心していた。解釈を楽しむとは、このような状態をいうのだろう。

 そこで、第5時からは、子どもたちが引いたサイドラインをもとにしながら授業を組み立てることにした。
 第5時では、主として二の場面(空襲)を中心にして読む。特に「『お母ちゃん、お母ちゃん』ちいちゃんはさけびました。」のところは、数名の子どもたちに音読させて、その善し悪しを問うた。子どもたちは「ここは、さけんでいるので、もっと大きな声で読まないといけない。」「二回目の『お母さん』を強く読んだ方がよい。本当に探してるように読むべきだ。」といった意見が多く出た。また、ちいちゃんが、お母さんらしい人を見つけて発する「お母ちゃん。」との違いも実際の音読を通しながら考えさせる。
「ちいちゃんはどんな気持ちだったのでしょう。」という直接的な発問よりも、「『お母ちゃん。』のところを音読しましょう、といった指示の方が授業展開としては望ましいだろう。

 また、「知らないおじさんは、どうして『お母ちゃんは、後から来るよ。』と言ったのだろう。」という発問を行った。その後の文章「そのおじさんは、ちいちゃんをだいて走ってくれました。」というところを根拠として「ちいちゃんを、まずは逃げさせたい。」「お母さんを探している間に逃げ遅れてしまうから。」といった意見が出た。

 子どもたちのモチベーションはかなり高い。(つづく)

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2008年10月28日 (火)

ちいちゃんのかげおくり5

 テストをの結果を見て驚いたことがある。
 それは二の問題「ちいちゃんが、お母さんとはぐれた後、声をかわした人は何人ですか。」である。
 正解は「二人」なのだが、「知らないおじさん」や「はす向かいのおばさん」と答えている子どもたちが多いのである。
 45.5%が、このように答えている。6.1%が無回答なので、正答率は48.4%ということになる。
 つまり、「問題は何を問うているのか」ということを読み取っていない子どもが半数いるのである。したがって、問いに正対する回答を出すことができない。
 ここは課題として指摘しておかなければならない。

 通常の授業の単元の終了時に行うテスト(ワークテスト)は、極めて問題がやさしい。たとえば、「『かげおくり』をちいちゃんに教えてくれたのはだれですか。」「お父さんがつぶやいた言葉を書き出しなさい。」といったものである。
 多くの子どもたちが80点以上をとるだろう。しかし、読解力を測ることにはならないのではないか。(つづく)

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2008年10月17日 (金)

ちいちゃんのかげおくり 4

 子どもたちの「読み」の実態を把握するために以下のテストを作成した。朝自習の時間に行った。教科書を読みながら答えることになるが、友達との相談やヒントはない。

****************************

ちいちゃんのかげおくり
                 年 組 号 名前
問題を読んで答えましょう。

一、 ちいちゃんがくうしゅうにあった日を一日目とすると、ちいちゃんが空に消えたのは何日目ですか。

二、 ちいちゃんが、お母さんとはぐれた後、声をかわした人は何人ですか。

三、 ちいちゃんは三つのかげおくりをしています。それぞれだれとしていますか。

一回目

二回目

三回目

四、 知らないおじさんがちいちゃんに「お母ちゃんは、あとから来るよ。」と言ったのはなぜだと考えますか。

五、 「ちいちゃんは、暑いような寒いような気がしました。ひどくのどがかわいています。」という文章から、ちいちゃんのどのようなことが分かりますか。

六、 「ちいちゃんのかげおくり」を読んで、あなたはどんなことを考えましたか。

****************************
 前半の三つの問いは、文章を読めば分かる問題である。

 一の問題。くうしゅうの日の夜に、ちいちゃんは「たくさんの人たちの中」でねむっている。二日目は、家のあとにもどって「こわれかかった暗いぼうくうごう」の中で眠っている。三日目は、同じく「こわれかかったぼうくごう」の中でねむっている。明るい光で目が覚めたのは四日目であり、その日にちいちゃんは空に消えている。

 二の問題。「知らないおじさん」と「はす向かいのおばさん」なので、二人が正解。

 三の問題。一回目は一の場面なので、お父さん、お母さん、お兄ちゃん。二回目は、お兄ちゃんとやっている。三回目は、現実と非現実の間の中で一人でやっている。

 後半の三つの問いは、読み手が自分なりに解釈をしなければならない問題である。

 四の問題。知らないおじさんは「逃げ惑う群衆の中で、母をさがすちいちゃん」に対して、まずは逃げることを優先させたからだと考えるのが妥当であろう。なぜならば、彼はこの言葉のあとにちいちゃんをだいて走ってくれている。

 五の問題。「暑いような寒いような」「ひどくのどがかわている」という言葉は、ちいちゃんに死が近づいていることを示唆するものだ。この文章があるから、ちいちゃんの命が消えてしまう理由が分かる。極度の緊張や疲労、体調の不良などが解釈できればよい。

 六の問題。主題にかかわるところである。「あなたはどんなことを考えましたか。」なので、基本的には自由に読めればよいのだが、部分的な読みの感想であるよりは、作品全体を捉えて感想を書いている方がのぞましい。たとえば、「かげおくりは面白そうだ。」「ほしいいは、どんな味だろう。」といった感想よりも、「戦争は多くの人が死ぬので、あってはならない。」といった感想の方が、作品を深く読んでいることになるだろう。(つづく)

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2008年10月16日 (木)

ちいちゃんのかげおくり 3

 第3時は新出漢字の練習にあてた。
 1学期は1時間に3文字ずつ指導していたが、煩雑になったのでやめることにした。たしかに、一度に指導するには文字の量が多い。しかし、一日3文字のほうが定着率が良いかといえば分からない。一度、比較して測定する必要があるだろう。

 ところで、いつもは手書きで黒板に書いていたが、今回はデジタル教科書の「新出漢字」の映像を使ってみた。筆順のアニメーションが遅いので、子どもたちには書きにくそうだ。
 「手書き」と「映像」はどちらの方が分かりやすいですか、と尋ねたら次のような結果となった。

 「手書き」22人、「映像」12人

 「手書き」派は「タイミングがちょうどいい(遅くない)」「文字が黒板に残る」という意見であり、「映像」派は「大きくて見やすい」という意見であった。
 これらのことを考えると、筆順アニメーションのタイミングを早くするよう改良を行う必要があるのだろう。また、一つ一つの文字を黒板や紙に残していく指導者側の配慮も必要である。

*****************

 「ちいちゃんのかげおくり」も表示義レベルの読みと、共示義レベルの読みが必要なのだろう。では、今の段階で子どもたちは、どの程度読んでいるのだろう。
 ここは調査してみる必要があるように思える。
 たとえば、以下のような問題をいくつか出してみてはどうだろう。少なくとも子どもたちの読解のレベルを測ることはできるだろう。

 例題1:(表示義レベル)
 ちいちゃんがくうしゅうにあった日を一日目とすると、ちいちゃんが空に消えたのは何日目ですか。

 例題2:(共示義レベル)
 知らないおじさんがちいちゃんに「お母さんは、あとから来るよ。」と言ったのはなぜだと考えますか。

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2008年10月15日 (水)

ちいちゃんのかげおくり 2

 第2時のめあては「気持ちの分かるところに線を引きながら音読をする」とした。子どもたちは、自己評価カードにそれを記入する。(ちなみに、第1時のめあては「はじめの感想を書く。」である。)
 私が一文ずつ音読をするので、子どもたちは追い読みをしていく。

 「出征」などの戦争に関する言葉については、図書室にあった歴史資料集の写真を実物投影機で示しながら説明した。焼夷弾や防空壕も同様におこなった。
 写真を実物投影機に映し出したとたん、子どもたちは興味を示した。質問がどんどん出てきた。
 「どうして日本は戦争をしたんですか。」
 「爆弾はどれくらいの大きさなんですか。」
 「男の人だけが戦争に行ったんですか。」
 「大人の男の人だけが行ったんですか。」等々。
 とにかく、子どもたちの興味・関心の高さは異常なほどであった。

 空襲の場面では、実際の大空襲後の焼け野原になってしまった東京の写真を映した。子どもたちの真剣なまなざしが印象に残った。
  子どもたちは、サイドラインを教科書に引いている。場面を大きく5つに区切ったところで、授業が終了。

****************************************
 ところで、この物語が不思議なところは、空襲の場面である。
 お母さんと行動をともにしていたちいちゃんには三人の大人がかかわることになる。

 一人目は「知らないおじさん」である。「お母ちゃんは、後から来るよ。」と行って、ちいちゃんをだいて走ってくれる人だ。(この台詞をどう朗読するかで、おじさんの立場はまるで変わってしまう。)

 二人目は、「ちいちゃんがお母さんと勘違いしてしまう女性」である。台詞はない。

 そして、三人目は、ちいちゃんの手をつないでうちまで歩いてくれた「はす向かいのおばさん」である。

 この三人の大人がかかわっては、ちいちゃんの前から姿を消していく。三人とも、悪気はない。悪気はないが、ちいちゃんのことを考えられるほどの余裕もない。もしも、この三人の大人が登場しなければ、段階的にちいちゃんの気持ちが下降していくという文脈は成立しなかったであろう。(つづく)

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2008年10月13日 (月)

ちいちゃんのかげおくり 1

 「ちいちゃんのかげおくり」については授業記録を載せておきたい。
 第一時は、光村のデジタル教科書を提示しながら、その朗読を聞かせた。
 難しい言葉(出征や焼夷弾など)は、一時停止しながら説明を加えることにした。

 効果的だったのは、資料として含まれている「空襲警報」と「爆弾」の音だった。これを聞かせると、子どもたちは「こわい」とつぶやいていた。子どもたちが「解読」するためには、知識や経験が必要である。ましてや戦時中の話なので、このような情報は必要不可欠なものであろう。

 朗読が終了したら、教室がしーんとなってしまった。子どもたちも感動したのだろう。私は何も語らずに、ノートに「はじめの感想」を書かせて終わった。私がよけいな感想を言うことで、子どもたちのじゃまをしたくなかったからである。
 泣きそうになっている子どもたちもいた。実際、「涙が出た」「泣いてしまった」という感想を書いている子どももいた。

 今回は、あえてワークシートを作成せずに、ノートだけで授業をやろうと考えている。この「はじめの感想」が授業の終わりにどのような感想に変わるのかが楽しみだ。(つづく)

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2008年9月28日 (日)

「一つの花」6

 「一つの花」の全発問・全指示を示す気はない。それは、子どもたちの学習歴によっても異なるからである。象徴や対比といった言葉で学習を行ってきていない子どもたちが、それをいきなり使うことはできない。

 前提として、教師は教材文を自分なりに「解釈」をしなければならない。自らの解釈をしないままに、他人がつくった「発問」や「指示」を投げかけても、底の浅い実践になってしまうだろう。
 子どもに「解釈」のための思考力をつけさせたいのであれば、教師自身がその力をつけないとならない。思考のプロセスを教師自身がつかんでいることが重要であるからだ。

 しかし、教師が教材を解釈したとしても、子どもたちがよりよく学習できるかどうかといえば、必ずしもそうではない。読解学習の基本プロセスが必要になるのではないだろうか。
 たとえば、私であれば以下のような活動を基本的な流れとして位置づける。

(0)日常的に共示義レベルの文を書く。(日記や振り返りカードなど)
(1)作品を読んで、課題に関連すると思われる文章を抜き出して書く。
(2)課題に関して自分なりの「解釈」の文を書く。
(3)自らの解釈をもとにして、話し合う。
(4)話し合って分かったことや気づいたことを、さらに文にする。

(0)は、単元に入る前の段階として位置づける。日常的に取り組んでいくことが重要であろう。「読書活動」は必要条件であるが、十分条件ではない。表示義のレベルでとどまるからである。
(1)は、個別作業の段階。「一つの花」であれば、「お父さんのゆみ子に対する思い」が分かる文章を抜き出して書くような作業である。
(2)は、「一つの花が象徴するものは何か」といった課題に対する「自分なりの考え」である。象徴を学習していなければ「お父さんが、ゆみ子に手渡したかったものは何か。」といった課題も成立するだろう。
(3)での話し合いが重要である。単に意見を交流するだけだと深まらない。全員の考えを出し合った後に、その根拠を「文脈」から導いていく活動になるだろう。このときに(1)で抜き出した文章が生きてくる。「どの解釈がもっとも納得できるだろうか。」という話し合いをしてもよい。討論に慣れている学級であれば「この解釈の中で、前後の文章から考えると納得できないというものを指摘しなさい。」という課題も成り立つ。
(4)では、(2)で書いた記述と(3)で話し合ったことをふまえて、自らの学びをふりかえることになる。重要なことは、(2)で一度自分の考えを文章にしておくということだ。これがあるから、自らの「学び」が明確になる。いきなり話し合ってしまっては、自分のどこがどのように伸びたのかが分からない。

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2008年9月27日 (土)

「一つの花」5

 「一つの花」の指導時間は10時間である。この時間数で、4年生が物語全体を解釈することは難しい。
 また、前述したように、次のような「心情」を問う発問は避けたい。

「お父さんはどんな気持ちだったでしょう。」

 時間数から逆算すれば、考えるべきところを焦点化するべきだろう。次のように問うていけば、焦点化はしやすい。

「お父さんは、ゆみ子に対してどのような思いを抱いていたのでしょう。」

 しかし、これでも、読み手が意味を形成していく作業にはなりにくいだろう。もっと、「読み手」が作品そのものを主体的に意味づけなくてはならない。たとえば、以下のように問う。

「『一つの花』が象徴するものは何ですか。」

 「一つの花」を意味づけるのは、あくまでも読み手である子どもたちということになる。しかも、前後の文脈から考えなくてはならない。「大きくなって、どんな子に育つのだろう」という思いをゆみ子に抱いている父が、最後に手渡した「花」である。しかも、その花は「プラットホームのはしっぽの、ごみすて場のような所に、わすれられたようにさいていたコスモスの花」だ。

 おそらく様々に意味づけられるだろう。その意味づけを交流することで、読み手の様々な見方・感じ方が見えてくる。(つづく)

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2008年9月26日 (金)

「一つの花」4

 よく授業で行われる方法として、「心情を問う発問」がある。「お父さんの気持ちはどうだったでしょう。」というものである。

 この方法がたびたび問題視されるのは、心情では文脈との整合性が問われないからである。心情であれば何を言ってもOKということもなる。
 たとえば、「ゆみ子と別れるときのお父さんの気持ちはどうだったでしょう。」と発問した場合、子どもたちが次のように答えることもある。

 ○ゆみ子、お父さんのことを忘れないでくれ。
 ○このコスモスをお父さんと思って大事にしてね。

 いずれも「正解」となるのだろう。しかし、これでは文脈にしたがって解釈したことにはならない。

 父は、はじめの場面で次のように深いため息をついて言っている。

「この子は、一生、みんなちょうだい、山ほどちょうだいと言って、両手を出すことを知らずにすごすかもしれないね。一つだけのいも、一つだけのにぎり飯、一つだけのかぼちゃのにつけ・・・。みんな一つだけ。一つだけの喜びさ。いや、喜びなんて、一つだってもらえないかもしれないんだね。いったい、大きくなって、どんな子に育つだろう。」

 ゆみ子に対して、このような思いを抱いている父である。
 さらに、最後の場面では次の記述がある。

それから、十年の年月がすぎました。
ゆみ子は、お父さんの顔を覚えていません。自分にお父さんがあったことも、あるいは知らないのかもしれません。

 この二つの文を考えた場合、「○ゆみ子、お父さんのことを忘れないでくれ。」「○このコスモスをお父さんと思って大事にしてね。」という答えは、文脈に従っていると言えるだろうか。(つづく)

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2008年9月25日 (木)

「一つの花」3

 解釈(内包された意味を文脈に従って意味を形成させていく行為)は、慣れていないと容易ではない。
 国語科の一つの単元だけで養われるものではないように思える。

 国語科の研究授業の中で数名の子どもが自らの解釈を述べている場面を見ることがあるが、他の子どもたちはどう考えているのだろう。解釈できる子どもたちだけが活躍している授業では面白くないはずだ。

 すべての子どもたちが解釈できるようにするためには、他の学習場面でも、そのような取組が必要になる。

 たとえば、理科の学習で「観察」を行うことがある。子どもたちはスケッチをした後、ノートに言葉を書く。
 たとえば、「ホウセンカの実」を観察して次のように書いたとしよう。

○ ホウセンカの実を観察しました。面白かったです。

 これでは、感想を書けても、観察して得た情報から記述したことにはならない。
 これが次のように書かれたとしたらどうなるだろう。

○ ホウセンカの実をさわると、種がはじけて出てきました。

 これは表示義レベルでの意味を形成したことになる。観察した事実を直接的に言葉に言い換えただけだからだ。
 共示義レベルでの意味を形成するためには、ホウセンカの実のつき方や今までの植物の観察の結果から、その内包された意味を考えることが必要になる。たとえば、以下のような記述である。

○ ホウセンカは、種を遠くにとばして広げようとしているのかもしれません。

 理科の場合は、このような記述ができるように「気づき」の指導をしていくべきであろう。

 図画工作の授業でも同様である。ピカソのゲルニカを鑑賞した場合、次のレベルの記述が出てくるだろう。
○ ピカソの絵を見ました。こわいと感じました。
○ ピカソは白と黒だけを使っています。
○ ピカソは白と黒だけを使うことによって、地獄の様子を描きたかったのでしょう。
 
 教師は子どもたちの記述を見極めて評価しなくてはならない。

 これは、あらゆる学習活動でも言えることである。観察・鑑賞したことや体験したことを、共示義レベルで記述できるようにしていくことが、解釈する力を高めていくことになるはずだ。(つづく)

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2008年9月24日 (水)

「一つの花」2

 言葉は記号であるというと違和感をもつ人が多い。
 しかし、たとえば下記の文字を見せられて意味がすぐに分かる人は少ないだろう。
 ヒンディー語である。

उसने मुझे एक गुलाब दे दी है.

 ヒンディー語を使っている人には簡単だが、日本人の多くにとっては何かの記号のようにしか見えない。書かれた意味を知るためには、作成された意味を解読するための「決まり」を知らなくてはならないからだ。

 この言葉を英語に翻訳すると

He gave me a rose.

となる。英語を学習してきた日本人にとっては、意味が分かりやすい。それは、英単語の「決まり」(「He」は「彼」を意味するといったこと)や、英文法の「決まり」を知っているからである。だが、英語を学習していない小学生には意味は分からない。

彼は、私にバラを贈った。

となれば、意味は分かる。(それでも、バラを見たことも聞いたこともない人には正確な意味は分からない。)

 つまり、言葉が情報伝達の手段として機能するためには、意味を発信する側と受信する側が共通の「決まり」が分かっていることが前提となる。この決まりのことを記号論では「コード(code)」とよぶ。

 ここまでは解読のレベル。直接的な意味を指す「ディノテーション(denotation)=表示義」という言葉を用いる。

 「彼は、私にバラを贈った。」という文章を解釈するためには、どのような文脈でその行為が行われたたのかという情報が必要になる。彼が私にとってどのような存在であるのか、といったことや、贈られた状況などで、その意味が異なるからだ。
 たとえば、「彼」が「私」の恋人であれば、それは「愛情表現」の一つとして解釈されるはずだ。「彼」が「私」の友人であり、「私」が新装開店した店のオーナーであれば、「お祝い」として解釈される。
 このような文脈のことを「コンテキスト(context)」とよぶ。

 このような解釈を行うレベルでは、内包された意味を指す「コノテーション(connotation)=共示義」という言葉を用いる。

 国語科の読解力を養うためには、この「内包された意味」を子どもたち自身が、「文脈」に従って形成していくことが目的となるはずだ。(つづく)

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2008年9月23日 (火)

「一つの花」1

 昨日、勤務校で国語の研究授業が行われた。授業者は4年の学級担任の先生。「一つの花」である。私も微力ながら授業者へアドバイスを行った。

 研究授業前後で、自分なりに考えたことを忘れないうちにメモをしておこう。

 有名な「一つの花」ではあるが、授業にのせるとなると難しい。「戦時中」の話であることに加えて、「父親」としての心情を想像しなくてはならない。4年生の子どもにどこまで読解できるのか、ということはどうしても授業を組み立てる際に気になるところだ。

 さて、そもそも「読解」とは何なのだろう。今はやりの「PISA型読解」ではない、従来の意味での「読解」である。
 辞書的な意味では、それこそ「文章を読んで、その意味を理解し解釈すること」である。
 では、「意味を理解し解釈する」という行為とは具体的にはどのようなことを指すのであろう。

 まず、言葉の意味を理解するためには知識や経験が必要になる。たとえば、「お父さんは、プラットホームのはしっぽの、ごみすて場のような所に、わすれられたようにさいていたコスモスの花を見つけたのです。」という文章を理解するためには、「プラットホーム」「はしっぽ」「ごみすて場」「わすれられた」「さいていた」「コスモスの花」といった一つ一つの言葉に対する知識や経験が必要になる。

 しかし、それは読解のための必要条件であって十分条件ではない。「意味を理解する」という「解読」のレベルにとどまる。「解釈」のレベルまで引き上げるためには、情報の受け手側からの視点で意味を形成する必要が生じる。
 たとえば、恋人から中身が入っていない封筒が送られてきたとしよう。その恋人がたまたま中身を入れ忘れていただけだったとしても、受け取った本人は「中身のない手紙」に対して様々な「解釈」をすることになる。「あなたとの関係を白紙にしよう」という意味にとってしまうかもしれない。あるいは、「あなたへの愛情は封筒には入りきれない」という意味にも成り立つ。

 したがって、読解の学習活動で必要なことは、子どもたち自身が意味を形成させていく活動ということになるはずだ。
 たとえば、

 プラットホームのはしっぽの
 ごみすて場のような所に
 わすれられたようにさいていたコスモスの花

を、娘にわたした「父親の行為」を、子どもたちが自らの視点で意味づけることである。

 しかも、「一つの花」の単元名は、「気持ちを想像して読もう」ではない。

「場面をくらべて読もう」

である。
 ここに授業づくりのポイントがある。(つづく)

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2008年9月15日 (月)

子どもの思考力をどう高めるか 2

 そのような評価を続けていくと、次第に☆印をもらう子どもが増えてくる。
 子どもたちは不思議なもので、☆印をもらった子どもの中から、また別な表現ができる子どもが出てくる。たとえば次のような文章である。

 「今日は、オクラの実のかんさつをしました。そこで、気がついたことが二つあります。一つは、実には小さな毛がはえているということです。もう一つは、上から見ると実が星形になっているということです。」

 これは「気がついたことは○つあります。一つは〜。もう一つは〜です。」という型である。このような文章をはじめに書いた子どもには☆を○でかこんだホシマル印をつけて発表させる。

 また、次のような文章も出て来た。

 「今日、買い物しらべをしてぎもんに思ったことがあります。それは、どうしてスーパーマーケットの品物は安いのか、ということです。」

 これは「ぎもんに思ったことがあります。それは〜です。」という型である。このような文章をはじめに書いた子どもにも☆を○でかこんだホシマル印をつけて発表させる。

 こんなことを繰り返していくと、子どもたちの文書は少しずつ変化していく。

 思考力を高めるには、「思考の型」が必要だ。しかし、その型を教師側が最初に一度に示してしまっては、子どもたちは消化しきれない。あくまでも、子どもたち自身が書いた文章を取り上げながら、じょじょにゆっくりと高めていく必要があると思う。時間はかかるが、このようなことを毎日繰り返していくことによって「自分の考えを発信できる力」を高めることになるのではないだろうか。

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2008年9月14日 (日)

子どもの思考力をどう高めるか 1

 13日(土)の午後は、熊本大学教育学部情報教育研究会の話し合いを行った。現在は、国語科の学習において情報活用能力をどう高めていくかという研究を行ってる。
 塚本会長がメンバーに問いを出した。「子どもたちの思考力はどう高めるか」というものだ。
 考えてみれば、新聞やニュース、スピーチやレポートなど、どの言語活動であっても、「自らの考え」を発信しなければならない。その力はどうやって高めるのであろう。

 私は「書く」ことを重視してきた。国語専科のときは「自己評価」で文章を書かせてきた。担任をしている現在は「日記」で文章を書かせる。
 しかし、日記を継続すれば子どもの思考力を高められるかといえば、そうでもない。
 たとえば、子どもたちが次のような日記を書いたとする。

 「今日は遠足でした。お弁当を食べました。木下くんたちとじんとりをして遊びました。とっても楽しかったです。」

 まじめな教師だったら、日記に「楽しい遠足でよかったね。」といったコメントを書いて返すだろう。

 しかし、このようなコメントでは思考力は育たないのではないだろうか。子どもたちが記述したことは「自分の行動」と「感想」だけだ。
 私だったら、容赦なく「□ もっと書こう」「□ 何を学んだの?」の項目にチェックを入れる。

 日記は目的をもって書かせるべきだ。私は「遠足で何を学んだか」ということを子どもたちに求める。
 たとえば、次のようなことを書いた場合は、高く評価できる。☆印をつけて、帰りの会のときに、本人に読ませる。

 「今日は遠足でした。お弁当を食べていると、木下くんが遊ぼうってさそってくれました。木下くんとはあまり遊んだことがなかったので、とってもうれしかったです。ふだんはあまり遊ばない人にも声をかけると、あいてがうれしいと感じることを学びました。」

 これは、思考のための一つの型である。「〜をしました。そこで、〜ということを学びました。」という書き方に、まずは慣れさせることが大切なのだと思う。これを聞いた他の子どもたちは、そのような書き方ができるようになっていく。(つづく)
 

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2008年9月 6日 (土)

キリン その2

 「キリン」の2時間目
 指導書では、次の二つの活動を行うようになっている。
(1)好きな詩を選んで音読する
(2)身近な題材を選び、詩を作る。

 時間的に、上記の二つの活動は難しいと判断した。

 そこで少し変えた。
(1)「キリン」の朗読を聞く。(音読練習)
 ここでは、デジタル教科書に収録されている朗読を聞かせた。
 プロによる朗読はゆっくりとしており、微妙な間がある。しかも、本当に語りかけるような朗読である。子どもたちは、「じょうずだ」とつぶやいていた。
 発問:どこが上手でしたか?
 ○ゆっくりしていて、感じが出ている。
 ○間があいている。
 ○気持ちが分かる。
 指示:それでは、自分も気をつけて音読をしましょう。

 デジタル教科書の朗読を「模範」とすることに対しては賛否両論あるだろう。しかし、子どもたちとは全く異なる「読み」を聞かせることは、大きな意味がある。子どもたちは「朗読の良さ」を実感できるからだ。

(2)まどみちおの「動物の詩」を読む。
 図書室からまどみちおの詩集をもってきて、実物投影機で見せる。指名読み。
 これは、子どもたちもしっかりと興味をもって読んでいた。
 動物の詩は楽しい。

(3)自由に動物の詩をつくる。
 指示:ノートに動物の詩を書いてもってきましょう。
 これは、一人一人にさせたが、やはりかなり難しい。書ける子どもと書けない子どもの差がはげしくなった。
 改行をどこでやるのかが分からない子どもが多かったので、教師の方で指示することにした。完成した子どもは、A4のノートに清書。下の方にはイラストなどを入れさせた。
 予想はしていたが、数名の子どもが「キリン」の形式をそのまま真似していた。
 ○○をごらん
 ○○があるくよ
 ○○がおしていく
 空の中の○○

といった具合である。ということは、詩を作る前段階がやはり学習活動として必要であるということだ。

 そこで、忘れないうちに改良案を記しおきたい。
 まず、デジタル教科書の「朗読」は第1時に回すことにする。第1時では、詩の分析と音読だけを活動とする。
 第2時では、詩を作ることにしぼりこむ。以下のような展開である。

(1)まどみちおの他の詩を読む。
 3点ほど選んで、提示する。
 発問:どの詩にも同じところがあります。それは何でしょう。
 ○行がすぐに変わる
 ○文章が短い
 ○動物の様子が分かるように書いてある
 ○動物に対する自分の気持ちが分かる

(2)詩を書いて、3人グループで話し合う。
 ここでは、子どもたちが書いた詩が(1)で考えた条件を満たしているかどうかを考えさせることにする。
 指示:動物の詩をノートに書いてみましょう。一人三つ以上書いてみましょう。
 「三つ以上」としたのは、気軽に書けるようにするためである。「一つ」となると、子どもたちは躊躇する。
 指示:互いのノートを見合って、もっとよい詩になるよう話し合いましょう。
 ここでは「改行」や「短い言葉」などを意識させる。また、「キリン」の安易な真似になっていないかどうかもチェックさせていく。

(3)3人そろってノートを教師に見せる。
 3人そろうところがポイントである。相互評価した後の作品となると質も高くなる。教師は、一人一人の詩をしっかりと読み、評価したり添削したりする。

(4)清書を書く。
 教室の背面に掲示できるようにA4の紙に書く。

 これだけの活動をやると、おそらく45分ぎりぎりとなるだろう。
 個人作業となる「詩」であっても、相互評価を入れることができるはずである。

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2008年9月 5日 (金)

キリン その1

「キリン」という短い詩がある。
 授業記録を忘れないうちに書いておこう。全ての発問に対して、子どもたちは三人グループで一度しっかり話し合って答える。また、ノートに書き写した詩の行間に主な答えを記入させていくようにした。

1、音読する。
 「キリン」を指名読み。
 その後、子どもたちに「回り読み」*で4回音読するように指示。
 *前向き、左向き、後ろ向き、右向きという具合に身体の向きを変えながら音読すること
2、ノートにていねいに視写する。
 指示「先生と同じスピードでノートに視写しなさい。」
3、「キリン」について想起する。
 発問「キリンは、どんな動物ですか。そのとくちょうを言いましょう。」
 ○首が長い ○背が高い ○舌が紫色 ○黄色と茶色 ○足が長い
4、疑問を出し合う。
 発問「この詩を読んで、日本語としておかしいなと感じる部分をさがしなさい。」
 ○「足があるくよ」 ○「そらのなかの顔」 ○「くびがおしてゆく」
 ○句点がない
5、「足があるくよ」の表現について考える。
 発問「足があるくよ」は、本当はどのように言うべきですか。
 ○「キリンがあるくよ」
 発問「キリンがあるくよ」と「足があるくよ」ではどのように違いますか。
 ○「キリンがあるくよ」にくらべて「足があるくよ」は足だけが歩いている感じがする。
 発問「作者は、なぜそのように表現したのでしょうか。」
 これは難しかったようだ。しかし、子どもたちなりに話し合っていた。
 ○詩を楽しませるため
 ○詩をおもしろくするため
 ○足だけが見えているようだから
 ○足全体が歩いているように見えたから
6、「そらのなかの顔」について考える。
 発問「そらのなか」に顔はありません。なぜ作者は「そらのなかの顔」と表現したのでしょうか。
 ○顔がそらたかく見えたから
 ○キリンの背が高いから
 ○作者はキリンの下に立ってキリンを見上げている。だから、首がうんと高いところに見える。
 最後の答えは、子どもたちに「視点」を与えたことになった。それで、子どもたちは、最初の「足があるくよ」も理解できたようだった。
7、「間」について考える
 発問「足があるくよ」と「首」との間をあけているのはなぜでしょうか。
 この発問は難しかった。
 一人の子どもが「最初は足を見ていて、その後首を見たから」と答えてた。
8,最後の音読を行う。

 考察
 ほぼ指導書どおりに行った。これが分析批評であれば「話者は今どこにいますか。」「話者が見えているものは何ですか。」といった発問になるだろう。
 あえてデジタル教科書を使わなかった。詩が短いので板書が容易であるとからだ。また、作者に見えているものを考えさえるためには、むしろ挿絵のキリンがない方がいいと考えたからである。

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2008年9月 1日 (月)

授業日記改良

 授業日記を改良することにした。
 子どもによって文の量に差が出るからである。だから、どれだけ書いてもよいことにした。書き終わったところで線を引く。
 さて、子どもたちはどんな反応を示すだろう。明日が楽しみである。

 私は何かを創るのが楽しい。ワークシートもその一つである。ワークシートの形や文言をわずかに変えるだけでも、子どもたちの思考は変わってくる。
 Nikki2
「jugyounikkih20_2.pdf」をダウンロード

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2008年8月31日 (日)

メディアと言語活動 5

ホンモノで評価規準を明確にして「気づき」を増やす

 メディア創造の授業においては、実社会で実際に使われている「ホンモノ」を見ることが重要である。ポスターにしてもガイドブックにしても、そこには伝える側の工夫があるからだ。
 子どもたちは制作の過程でホンモノを見ることによって、その工夫点に気づくことができる。その気づきは、よりよいものを制作するための評価規準として機能する。
 たとえば、「印象を強めるためのキャッチコピー」「分かりやすいレイアウト」といったものである。

 ラフスケッチでアイデアを練り上げるときはアナログ的な作業となる。子どもたちは、そのときもキャッチコピーやレイアウトについてホンモノを参考にしながら考えていく。不思議なもので、ふだんは何も気づかなかったのに、自分が作るとなると様々なものが見えてくるようになる。文字の色一つとってみても、様々な工夫がなされている。「見る」ことによって「気づく」ことができるようになる。そして、前述した自己評価によって「気づき」を「言葉」にしていく。

 仕上げはデジタルで行う。デジタルのメリットは、ホンモノに近づけることができるようになるということだけでなく、試行錯誤ができるということもある。子どもたちは、ホンモノから得た評価規準で何度も改良していく。文字の色や背景の色を瞬時に変えることもできる。キャッチコピーなどの文章を入れ替えることも簡単である。何度も何度も繰り返し試すことで子どもたちの思考力は高められる。

 ホンモノがなければ、おそらくは一人よがりの作品となるだろう。子どもたちの満足感は低いままになってしまう。

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2008年8月30日 (土)

メディアと言語活動 4

自己評価で学習者の内言を促す

 私のメディア表現学習の授業では必ず子どもたちは毎時間自己評価を行う。子どもたちは活動したことを記述するのではなく、活動して学んだことを記述していく。たとえば、「写真の写し方で印象が変わることを学びました。」といったものである。

 自己評価は知的な作業であり、継続的にトレーニングしていく必要がある。しかし、「やらせっぱなし」では力はつかない。教師が、子どもの「自己評価」そのものを評価しないとならないのである。
 教師が一人一人にコメントしていくことが理想ではあるが、それでは継続が難しい。そこで、次のようにした。

 ○よい自己評価には星印をつけるだけにする。
 ○次の時間に、星印のついた子どもたちを立たせて自分の自己評価の文章を読ませる。

 まわりの子どもは、それを聞くことで「自己評価の方法」を学んでいくことになる。すると、星印のついた子どもが増えていく。そこで、さらに良い自己評価には星に丸印をつける。(子どもたちは『星丸』とよんでいる。)次の段階では、星に丸印のついた子どもたちを立たせて読ませることになる。
 特定の子どもたちだけが立ってしまう状態にならないようにするために、いつもより伸びた子どもや、みんなとは違うことを書いている子どもに星印をつけることがある。
 さらに、コメントの欄は以下のようにした。

 コメントをはじめからいくつかのコメントを記入しておいてそれにチェックを入れるようにする。
 □ もっと書こう   □ 理由を書いて   □ 何を学んだの?
 □ 次の課題は?   □ がんばって!   □ 伸びています!
 □ よい自己評価   □ すばらしい

 このように、教師が評価していくと、子どもたちは自己評価カード記入をいやがらない。自分の「考え」を表した「文」が確実に評価されてもどってくるからだ。この星印を書くだけのシンプルな評価システムは、子どもたちの自信とモチベーションを高めていく。

 自己評価において評価すべき記述を以下の5点である。

① 自らの学びや気づきを明確にしている記述

  例:「ニュース原稿を書いてみて、文章を短くすることの大切さを学びました。」

② 自らの伸びを実感している記述
  
  例:「昨日よりも、話し合う力がつきました。」

③ 自らの課題を明確にしている記述
  
  例:「時間を考えていなかったので、終わりませんでした。次は時計を見ながらやりたいです。」

④ 学習内容と生活経験とをむすびつけた記述
  
  例:「今まで何も考えずにテレビを見ていたけれど、この学習で見方が変わりました。」

⑤ 友達からの学びを意識した記述
  
  例:「田中君が、いいねと言ってくれたので、話しやすくなりました。」

 子どもたちの自己評価の記述の中に上記のようなものがあれば、☆印をつけて返す。
 だが、一定の評価基準があるわけではない。いつも☆をとっている子どもでも、油断していると☆をとれないこともある。また、ふだん☆がとれない子どもでも、記述の中にいいところがあれば、○☆がとれるようにしている。つまり、マンネリ化しないようにしているわけである。

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2008年8月29日 (金)

メディアと言語活動 3

協同学習で言語活動を活性化する

 メディア制作の授業では、私の場合、そのほとんどがプロジェクト型の協同学習である。子どもたちは常に協同作業を行う。
 協同制作のためには、頻繁に互いの意見を聞き合いながら決定しなければならない。たとえば、見出しの言葉を選ぶ場合、その根拠を仲間に言葉で説明しなくてはならない。また、文章の内容をそれぞれに推敲してよりよい文章に練り上げる場が生じることにもなる。つまり、協同学習は相互作用を促し言語活動を活性化させる働きがあると言えよう。

 教師側は、協同でこそ解決できるレベルの課題を設定しなくてはならない。また、それぞれが役割を明確にしてできるような学習活動を想定しなければならない。こういったことが、実は案外と難しい。

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2008年8月28日 (木)

メディアと言語活動 2

撮影することで映像の文脈を記述できるようになる

 デジタルカメラの普及によって、子どもたちが写真を撮影するという活動が非常に増えた。写真の撮影は、機器の操作そのもので興味・関心が高まると考えられがちであるが、はたしてそうであろうか。

 子どもたちは「伝える」という課題意識をもって撮影をする。だから、その映像の文脈を述べることができるようになる。たとえば、本の多さを伝えるために撮影した図書室の写真を示しながら、「図書室には三千冊もの本があります。」ということを記述できる。つまり、撮影は写真の文脈を記述するための活動として重要なのである。
 人が撮影した写真は文脈を語ることができない。想像はできるが、撮影者の意図までは分からない。それを逆に利用すれば、写真の意味を語り合うという活動が展開できる。

 いずれにしても、具体的だが意味は曖昧なメディアとしての写真は言語活動にはかなり有効である。

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2008年8月27日 (水)

メディアと言語活動 1

 一般的に国語科は「言葉にかかわらせるための教科」として捉えられている。たしかしに、「かかわる素材」としては言葉によるものが多かった。それは説明文であったり物語文であった。
 しかし、ここ数年は写真や映像、表やグラフといったものが素材として登場していきている。ここに抵抗を感じている教師が多いのは事実であろう。
 ましてや、それらを組み合わせてスライドショーやガイドブックを制作するといった「メディア創造の学習」には、教師の間でかなりの違和感が生じることは容易に想像できる。

 だが、メディア創造と言語活動は密接に関係していると思う。
 それを主張するためには整理が必要であろう。
 たとえば、第6学年の「みんなで生きる町」という国語の単元では、4人グループで提言のあるスライドショーを作成した。
 その学習の中で、子どもたちは以下のようなことをやっていった。
 (1)現実の意味づけ
 (2)言語による共有
 (3)個々の学びの記述
 (4)映像制作のための話し合い
 (5)提言のための作文
 (6)作文をまとめるための朗読
 (7)感情をこめた朗読
 (8)個々の作品へのコメント
 (9)学習全体を振り返るための
 
 子どもたちが、スライドショー作成のために言語活動を総合的に行っていることが分かる。もっとも、そのためには教師側の授業設計が必要になることは事実である。(つづく)Medialanguage

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2008年8月13日 (水)

学習指導要領解説国語科 言語活動例 高学年

 高学年の活動例。「報告」という言葉がキーワードになりそうだ。また、「新聞を読む」というのも面白い。これもどんな単元として登場してくるのか興味深いところだ。

***********************
第5学年及び第6学年

「A話すこと・聞くこと」
ア資料を提示しながら説明や報告をしたり,それらを聞いて助言や提案をしたりすること。
イ調べたことやまとめたことについて,討論などをすること。
ウ事物や人物を推薦したり,それを聞いたりすること。

「B書くこと」
ア経験したこと,想像したことなどを基に,詩や短歌,俳句をつくったり,物語や随筆などを書いたりすること。
イ自分の課題について調べ,意見を記述した文章や活動を報告した文章などを書いたり編集したりすること。
ウ事物のよさを多くの人に伝えるための文章を書くこと。

「C読むこと」
ア伝記を読み,自分の生き方について考えること。
イ自分の課題を解決するために,意見を述べた文章や解説の文章などを利用すること。
ウ編集の仕方や記事の書き方に注意して新聞を読むこと。
エ本を読んで推薦の文章を書くこと。

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2008年8月11日 (月)

学習指導要領解説国語科 言語活動例 中学年

 間があいてしまったが、学習指導要領解説の国語科の言語活動例を抜粋して整理したい。
 面白いのは、「図表や絵,写真などから読み取ったことを基に話したり,聞いたりすること。」という活動だ。教科書では、どのような単元になるのだろう。

*********************************
第3学年及び第4学年

「A話すこと・聞くこと」
ア出来事の説明や調査の報告をしたり,それらを聞いて意見を述べたりすること。
イ学級全体で話し合って考えをまとめたり,意見を述べ合ったりすること。
ウ図表や絵,写真などから読み取ったことを基に話したり,聞いたりすること。

「B書くこと」
ア身近なこと,想像したことなどを基に,詩をつくったり,物語を書いたりすること。
イ疑問に思ったことを調べて,報告する文章を書いたり,学級新聞などに表したりすること。
ウ収集した資料を効果的に使い,説明する文章などを書くこと。
エ目的に合わせて依頼状,案内状,礼状などの手紙を書くこと。

「C読むこと」
ア物語や詩を読み,感想を述べ合うこと。
イ記録や報告の文章,図鑑や事典などを読んで利用すること。
ウ記録や報告の文章を読んでまとめたものを読み合うこと。
エ紹介したい本を取り上げて説明すること。
オ必要な情報を得るために,読んだ内容に関連した他の本や文章などを読むこと。

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2008年8月 4日 (月)

国語とメディアを追究する夏季セミナー2008

 8月3日(土)に、国語とメディアを追究する夏季セミナーが開催された。主催は、国語と情報教育プロジェクトである。私もそのメンバーの一人。
 国語ではあるが、新聞や映像などのメディアを有効に活用して情報活用能力を育成することをテーマにしたセミナーであった。斬新な切り口であったと思う。
 私は、ワークショップC「非連続型テキストを読む」を担当した。ベネッセの資料「第4回学習指導基本調査」の中の「教員の日常生活」から解説文を削除した4ページ分の帯グラフを参加者に読み取ってもらうというものである。そして、最後は、そのグラフを提示しながら「教師の質や生活を向上させる主張」をプレゼンしてもらう。それを、わずか1時間で行うというものだ。時間配分は次のようになる。

13:00-13:10 PISA型読解プロセスの知識を得る(西田素子先生より)
13:10-13:25 学習のイメージをつかむ(事例報告:前田)
13:25-13:30 ワークショップの概要説明(前田)

***ワークショップ開始***
13:30-13:50 情報を取り出そう(気づいたこと等)
13:50-14:10 テキストを解釈しよう(知識・経験)
14:10-14:30 主張点をまとめよう(練習を含む)
  1グループ 2分間:はじめ(問題提起)→中1→中2→おわり(主張)
14:30-14:50 紙プレゼンで主張を発表しよう
14:50-15:00 ふりかえり (奥泉香先生より)
15:00-15:05 自己評価の評価について (前田)

 参加された先生方のレベルが極めて高かったので、わずか1時間でプレゼンまで完成した。

 自分なりに反省点も多く感じたので、忘れないうちにメモをしておこう。
 まず、1時間ではやはり時間不足であった。情報の取り出しと解釈まではできるのだが、それから焦点化して論理を構築するまでは、あと30分はほしい。そうしないと、文章化ができないからである。前半と後半では別の思考が必要なのである。
 それに関連して、ワークシートは原稿用紙だけにしていたが、やはり不親切であった。子どもたちに対しては、「型」にきっちりそったワークシートを使わせていただけに、ここは大人向けとはいえ、工夫が必要だろう。たとえば、「はじめ」「中」「おわり」の枠があるものだけでもよい。
 また、発表時間を2分に限定していたが、実際は3分から5分程度かかってしまった。もしも、きっちりとやるのであれば、時間を3分程度にした方がよいだろう。実物投影機のプレゼンも慣れないと難しい。
 さらに、実物投影機を使う場合は、カメラの下に枠を作っておくともっと使いやすかったであろう。

 色々と反省点も多かったが、参加者の先生の協力のおかげで終了できた。あらためて、その方々に感謝したい。

****************************

 このセミナーは、私にとっては刺激的であった。なぜならば、私は国語科が専門ではない。新卒当時から行ってきたことは「鑑賞のための名画の読み取り」である。「『分析批評』による名画鑑賞の授業」という書籍も出版した。また、ここ10年ほどは、「情報教育」を研究の中心に据えていた。つまり、「図像の読み取り」「情報活用能力」という視点で「国語教育研究」に参加することになったのである。面白い巡り合わせだと思う。

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2008年8月 3日 (日)

学習指導要領解説国語科 言語活動例 低学年

 新学習指導要領解説を読む。
 言語活動例というのが気になる。子どもたちの学習活動と情報活用の実践力と密接につながっているからである。ここでは抜粋して、整理しておきたい。

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第1学年及び第2学年

「A話すこと・聞くこと」
ア事物の説明や経験の報告をしたり,それらを聞いて感想を述べたりすること。
イ尋ねたり応答したり,グループで話し合って考えを一つにまとめたりすること。
ウ場面に合わせてあいさつをしたり,必要なことについて身近な人と連絡をし合ったりすること。
エ知らせたいことなどについて身近な人に紹介したり,それを聞いたりすること。

「B書くこと」
ア想像したことなどを文章に書くこと。
イ経験したことを報告する文章や観察したことを記録する文章などを書くこと。
ウ身近な事物を簡単に説明する文章などを書くこと。
エ紹介したいことをメモにまとめたり,文章に書いたりすること。
オ伝えたいことを簡単な手紙に書くこと。

「C読むこと」
ア本や文章を楽しんだり,想像を広げたりしながら読むこと。
イ物語の読み聞かせを聞いたり,物語を演じたりすること。
ウ事物の仕組みなどについて説明した本や文章を読むこと。
エ物語や,科学的なことについて書いた本や文章を読んで,感想を書くこと。
オ読んだ本について,好きなところを紹介すること。

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2008年7月 2日 (水)

道あんないをしよう 1

 「道あんないをしよう」は基本的には指導書どおりの展開で行ってる。
 威力を発揮するのは、CDの教材とデジタル教科書である。
 CD教材は、音声だけなので、子どもたちは聞き取ろうと必死になる。
 デジタル教科書は地図上の地図を確認するときに極めて便利である。

 第1時は、森さんの最初の説明だけで児童館の位置を探すことにした。子どもたちの回答をデジタル教科書の地図上で確認していく。次に、森さんの二回目の説明で探させる。
 発問は「2回目の説明は、1回目とくらべてどこがよいのでしょう。」である。子どもたちは、「方向を伝えている。」「めじるしを伝えている。」「場所のとくちょうを伝えている」と答えていった。
 それらを板書にまとめていく。
 最後に3年生版の「自己評価カード」に記入をさせて終了した。「michiannnai.pdf」をダウンロード

Michiannnai

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2008年6月27日 (金)

学んだことを日記にしよう

 3年生の段階では、どの程度の自己評価ができるのだろうか。現在は、このような日記枠を作成して毎日書かせることにしている。不思議なもので、毎日書かせていると質も良くなり量も増えてくる。
 大切なことは、教師が毎日読んで評価をしていくことだろう。コメントを書いていくのは理想的だが、継続は難しい。
 この形式もまた改良されていくはずだ。

「jugyounikkiH20.pdf」をダウンロード

Manandanikki

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2008年6月19日 (木)

国語とメディアを追究する夏季セミナー2008

 国語とメディアを追究する夏季セミナー2008のお知らせ

 メディアと聞くと、「国語には関係ないのでは?」と考える先生もいらっしゃると思います。しかし、メディアを有効に活用することは、「話す・聞く」「書く」「読む」と密接な関係にあり、日ごろ、意識していないだけなのです。当日は、基調講演、実技をともなったワークショップ、そしてパネルディスカッションと、盛りだくさんの一日なります。どうぞご参加ください!

日時:2008年8月3日(日)
テーマ:国語科における情報活用能力
会場:きゅりあん(東京都品川区総合区民会館)

10:30~10:45
主催者あいさつ
10:45~11:45
基調講演
新学習指導要領を読み解く-国語とメディア活用(仮題)
 高木まさき先生(横浜国立大学教授)
13:00~15:00
ワークショップ 言語活用力実践
A. 映像制作で言葉の力をつける授業作り
 中橋 雄(武蔵大学准教授)
 石川 等(甲府市立大国小学校)
 鈴木 彰(横浜市立大綱小学校)
B. デジタル教科書を活用した授業作り
 佐藤幸江(横浜市立高田小学校)
 青山由紀(筑波大学附属小学校)
C. 非連続型テキストを読む
 前田康之(熊本私立飽田東小学校)
 西田素子(金沢市立犀川小学校)
※各ワークショップの定員は25名
15:15~16:25
パネルディスカッション
言葉の力、メディアの力-情報活用能力の育成を目指して
司会
中川一史(メディア教育開発センター教授)
パネリスト 石川 等(甲府市立大国小学校)
青山由紀(筑波大学附属小学校)
西田素子(金沢市立犀川小学校)
鈴木 彰(横浜市立大綱小学校)
指定討論者 奥泉 香(日本体育大学女子短期大学部教授)


参加料 1,000円 (資料代) 

定 員  75名 
  (定員になり次第申し込み受付は終了いたします)
  ご参加は教職員・学校関係者および学生・院生に限らせていただきます。

主 催 国語と情報教育研究プロジェクト
後 援 言語教育振興財団

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2008年6月11日 (水)

6年 学級討論会 まとめ

服部いずみさんより、質問がきていたので、とりあえず「学級討論会」の授業をまとめたものを添付します。
なお、映像教材資料は以下のサイトです。

http://web.mac.com/maeda12/kokugo/Blank.html


「minitouron.pdf」をダウンロード

「minitouroncard.pdf」をダウンロード

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2008年4月30日 (水)

漢字の読み方練習

 国語の時間は、毎時間漢字の読み方を練習する。わずか1、2分の活動だ。
 パワーポイントに漢字を書き出しただけのシンプルなフラッシュカードである。国語や算数のように、習熟が必要な教科の場合は反復して練習する学習も必要である。
 この手の反復練習は学年が下がるほど子どもたちのモチベーションも高いように感じる。
 参考までに、PDFファイルにしたものを添付した。AdobeReaderでひらいて全画面表示にすればそのまま使用できる。
「3nen_kanjiyomi01.pdf」をダウンロード

「3nen_kanjiyomi02.pdf」をダウンロード

Kesa

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2008年4月 2日 (水)

「伝える極意」で授業を構想する

 NHKの「伝える極意」で授業を構想してみたい。
 まず、前提として、放送番組を授業で活用するために以下のことが必要であると考える。
1、番組の内容を子どもたちが必然性をもって視聴できるようにすること
2、番組の内容が、その後の子どもたちの学習活動に直接つながること
3、番組を視聴する前と後では、子どもたちに向上的な変容があったことを子どもたち自身が実感すること

 光村の5年の国語「お願いの手紙、お礼の手紙」で考えてみたい。
 「お願いの手紙」の前に「お礼の手紙」を2時間だけあてる。
(1)リアルで必然性のある課題として、「4年生のときにお世話になった担任の先生に葉書を書こう」という設定にする。当然、旧担任には事前にお願いしておかなければならない。
(2)第1時では、まずは葉書大の大きさに下書きを書く。おそらく「お世話になりました」「先生の授業は分かりやすかったです」「楽しい思い出がたくさん作れました」といった比較的抽象的な内容が多いと考えられる。(実際、子どもたちが寄せ書きなどで書いてくる内容はそのようなものが多い。)葉書というところがポイントだ。小さな紙に必要なことを書かねばならないからだ。ここでは10分程度使う。
(3)グループの中でそれぞれ読み合って、問題点を出し合う。(5分程度)
(4)その後番組を視聴する。「きみたちと同じように、お礼の葉書を書こうとした男の子の様子です。どう書けばよくなるのか、ポイントをまとめながら見ましょう。」(15分)
(5)旧学級のメンバーでグルーピングを行って、旧担任に関わる具体的な事柄を話し合いながらメモをする。ここでは、旧担任の具体的な言葉や、学級で行った活動が具体的な言葉として出てくるはずだ。(15分)
(6)教室の外に出て、季節を感じることをメモする。(休み時間等)


(7)ここからが第2時。第1時で書いたメモと外に出て書いたメモを参考にして、お礼の葉書を書く。(15分程度)
(8)書いた葉書を相互批正しあったり辞書を使ったりして、朱書きを入れていく。(15分程度)
(9)朱書きの入ったものを見ながら、太くていねいに葉書に清書する。(10分)
(10)最初に書いた葉書を最後に書いた葉書を見比べながら、学習したことを文章にまとめる。(5分程度)

 あとは、旧担任に葉書を届けて、短かくてもいいので子どもたち一人一人に返事を書いてもらう。(旧担任に時間をとってもらうことになるが・・・。)一言でもコメントをもらうと、子どもたちもうれしいだろう。

 最初に書いた葉書と後で書いた葉書を比較するところが重要である。子どもたちが学習したことが自覚できるからだ。

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2008年4月 1日 (火)

「伝える極意」を視聴する

 NHK教育放送の新番組「伝える極意」を視聴した。
 テーマは「ありがとう! の気持ちが伝わるように」。お世話になったサッカーのコーチに礼状を出すというものだ。
 番組構成としては、5年生の男の子が礼状を書くが、どうもうまく書けない。そこで、アドバイザーとしての作家あさのあつこ氏が登場する。アドバイスをうけて、その男の子が上手に書けるようになるというものだ。
 5年国語の単元「お願いの手紙、お礼の手紙」には、うまく合うだろう。教科書では、比較的手紙の形式的なことや構成のことに触れているが、気持ちをどう伝えるかという「極意」までは触れられていないからだ。
 この番組では、それをうまくまとめてある。最後の「あさの流 おれいの手紙の書き方」は、まとめられていて分かりやすい。

 しかし、よくできているだけにディテールが、すごく気になった。たとえば、その男の子が最後に書いた葉書の一文に次のものがある。

 「教えてもらって変わったことは、ボールが上がるようになったし、距離も伸びました。」

 日本語としては正しくない。「教えてもらって変わったことは、ボールが上がるようになったことと、距離が伸びたことです。」または、「教えてもらったおかげで、ボールが上がるようになりました。また、距離も伸びました。」という文にすべきだろう。
 (ひょっとしたら、この男の子が書いた文章がワークシートになっていて、「さらに良い文になるように、みんなで修正しましょう。」という学習課題を前提につくってあるのかもしれない。だとするならば、それはそれで教材になる。)
 伝えるためには、まずは正しい日本語でなくてはならないからだ。

 それからもっとも重要なことである「相手に伝わったかどうか」ということだ。相手からの返事が来たところは良い。しかし、この部分はもっと大きく扱うべきだ。手紙の画面を見ると「言葉の重み」といったことも書いてある。自分が送った手紙を相手がどのように受け取ったのか、ということは「伝える」という行為が上手に遂行されたかどうかを評価するための重要な要素だからである。

 番組としてはよくできている。考えてみれば、教科書には書かれていない「伝える極意」を番組の中核に据えることによって、必要性が高まっている。

 教室の現場にいる側としては、教科書単元の構成と番組の放送日をリンクさせなくてはならない。
 具体的には、教科書の単元一覧と、放送予定一覧を比較して計画を立てることになる。
 この作業が難しい。たとえば、5年生では「インタビュー名人になろう」が一学期に入っているが、放送では2学期に「聞きたいことを聞き出すために〜インタビュー〜」が入っている。また、「ビデオ番組の制作」は2学期だが、放送では3学期になっている。
 また、「伝える極意」は対象が5、6年生に設定してあるが、内容を見ると4年生にも当てはまるものが多い。クイズ、アンケート、新聞、写真などは4年生の国語にも登場するからだ。

 「伝える力」が教育現場で重要視されている現在だからこそ、このような番組の効果的な活用が求められている。
 
 

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2008年3月13日 (木)

4年 言葉遊びの世界〜実物投影機プレゼン〜

 4年生の「言葉遊びの世界」は、自分たちで調べたり考えたりした言葉遊びを発表するという単元である。
 そこで、今回はA5のカードに書いたカードと実物投影機で拡大して見せるという学習にしてみた。
 プレゼンテーションといえば、「パワーポイント」というイメージが強いが、実物投影機でも十分迫力のあるプレゼンができる。
 答えを厚紙で隠して提示して、なぞなぞの問題だけを見せて答えを考えさせた後に、全部見せるという方法も面白い。
 また、クロスワードパズルのようなものは、答えをそのまま鉛筆で記入させるところも、そのまま見せることが可能だ。このようなことは、むしろパソコンでは難しい。

 実物投影機は、高解像度のものが安価で出るようになった。教育機器としての効果は大きい。
Jitsubutsutouei2
Jitsubutsutouei1

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2008年2月29日 (金)

5年 物語を作ろう 7

 「物語を作ろう」は3学級で授業を行った。どうすれば、子どもたちのアイデアは広がるのだろうか。
 指導書では「写真を一枚選び連想言葉マップを作る」とある。しかし、過去にやってみて感じたことは、どうもこの活動が効果的だとは思えないということだ。
 写真から、すんなりと言葉は思いつかないし、言葉が思いついたところで、それが「物語」になるかといえば、そうでもないからだ。

 授業が終わって、次のようなアンケートをとってみた。
****************************
物語を書くために役だったかどうか○をつけましょう。
1、写真そのものが役だった。
(1)ぜんぜん、そう思わない。
(2)かなり、そう思わない。
(3)少し、そう思わない。
(4)少し、そう思う。
(5)かなり、そう思わない。
(6)すごく、そう思う。
2、画用紙の上に写真をはって、思いついた言葉を書いていくことが役に立った。
 (以下、(1)〜(6)同じ)
3、友達との話し合いが役に立った。
 (以下、(1)〜(6)同じ)
4、「大まかなすじ」を一人ずつ回して書いていくのが役に立った。
 (以下、(1)〜(6)同じ)
5、「大まかなすじ」を書いたプリントが役に立った。
 (以下、(1)〜(6)同じ)
6、表現の工夫(色・音・におい、話し言葉、書き出し、地の文、など)を知ることが役に立った。
 (以下、(1)〜(6)同じ)

****************************

 はじめに行った二つの学級では、指導書にあるように「連想する言葉」を話し合いながらマップに書かせるようにした。
 そのときにできたマップとグラフ1を示す。

 グラフ1を見ると、「写真」や「マップをかいた画用紙」は、それほど効果的ではないことが分かる。むしろ、効果的だったのは「話し合い」であり「物語をシートを回して考える活動」であった。

 そこで、3番目の学級では、「連想する言葉」ではなく、「その場で思いついたストーリー」をそのまま記入させるようにしていった。この方が、話し合いはもりあがる。しかも、時間を決めて、集中して話し合うようにさせていった。そのときできたマップとグラフ2を示す。
 グラフ2を見ると、予想どおり「画用紙」が増えている。(逆に必要感が低くなった「物語をシートを回して考える活動」が低くなった。)

 マップを一人で書くのか、協同して書くのか。協同して書くとすれば、「連想する言葉」を書くのか、「その場で思いついたストーリー」を書くのかでは、授業が大きく異なってくる。
 来年度、行うとすれば、画用紙による協同作業によるストーリー作成を出発点とするだろう。「物語を回して考えるシート」は割愛して、場面設定とストーリー展開を熟考させる時間をもうける。
 わずか4時間の単元だからこそ、方法論を吟味しなくてはならない。


 Mindmap1
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2008年2月22日 (金)

5年 物語を作ろう 6

 第4時は、交流ワークシート(monogatarimatome.pdf)を使って、全員で物語を読み合う。
 「表現の工夫」がすばらしい箇所には傍線を引かせるようにした。読み終わった後は、「表現の工夫」についての感想を3行でまとめて書いていく。
 子どもたちは、あちこちの机を回って熱心に読んでは感想を書いていた。
 
 最後の8分ほどで、この4時間の単元を振り返らせるためのシート(monogatarimatome.pdf)を準備し、その中に以下のアンケートを入れた。
****************************
物語を書くために役だったかどうか○をつけましょう。
1、写真そのものが役だった。
(1)ぜんぜん、そう思わない。
(2)かなり、そう思わない。
(3)少し、そう思わない。
(4)少し、そう思う。
(5)かなり、そう思わない。
(6)すごく、そう思う。
2、画用紙の上に写真をはって、思いついた言葉を書いていくことが役に立った。
 (以下、(1)〜(6)同じ)
3、友達との話し合いが役に立った。
 (以下、(1)〜(6)同じ)
4、「大まかなすじ」を一人ずつ回して書いていくのが役に立った。
 (以下、(1)〜(6)同じ)
5、「大まかなすじ」を書いたプリントが役に立った。
 (以下、(1)〜(6)同じ)
6、表現の工夫(色・音・におい、話し言葉、書き出し、地の文、など)を知ることが役に立った。
 (以下、(1)〜(6)同じ)

****************************
 子どもたちが、物語をつくるのに最も役だったと感じたものは一体何だったのか。その結果が面白かった。(つづく)

「monogatarimatome.pdf」をダウンロード

Kansou
Kansou2

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2008年2月16日 (土)

5年 物語を作ろう 5

 第3時は、いよいよ物語を書き始める。
 教科書の「表現を工夫して、物語を書きましょう。」のところを音読。
 板書を次のようにまとめた。
 一、におい、色、音を入れる。
 二、話し言葉を入れる。
 三、引きつける書き出しを工夫する。
 四、地の文を登場人物の一人に語らせる。
 五、登場人物の性格を決める。

 これだけでは、子どもたちはぴんとこない。例文がないからだ。そこで、教師の方から補足する。短く説明しないと時間が足りない。「地の文」は特に分かりにくい。

一、においや色があると、様子が具体的に思い浮かびます。
例1:スーパーの前を通り過ぎた。そして、空をながめた。
例2:スーパーの前を通り過ぎると、どこからか鯛焼きのにおいがしてきた。オレンジ色に染まった夕焼け空をながめて、ゴーンというお寺の鐘の音を聞いた。

二、話し言葉があると、気持ちが伝わります。
例1:田中君に声をかけた。彼も答えてくれた。
例2:田中君に「がんばって!」と声をかけた。彼は「うん!ありがとう。」と答えてくれた。

三、書き出しに工夫があると、もっと読みたいと思います。
例1:あるところに、子どもが住んでいました。
例2:後ろで「ガタッ」という音がした。振り返ると、大きな黒い男が立っていた。

四、地の文を登場人物に語らせると、同じ話でも別の話になります。
例1:むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

例2:私は鬼ヶ島に住む鬼です。ときどき、都に出かけて、ちょっぴり人々にいたずらしたこともありますが、ふだんはおだやかに生活をしていました。ところが、ある日、恐ろしい敵が現れたのです。その名前は桃太郎。今日は、あの日におこった恐ろしい出来事をお話しましょう。

例3:おれの名前は桃太郎。じいさんの話によると、おれは桃から生まれてきたらしい。都で鬼が暴れているという話を聞いた。これから、やつらをこらしてめて、宝物をうばってこようと考えている。

五、登場人物の性格によって、話す内容も変わります。
例1:やさしい鬼
 ぼくたちは何もやっていないに、桃太郎っていう人は本当にひどい人なんです。
例2:こわい鬼
 おれたちゃあ何んもやってないんだぜ。桃太郎をぎゃふんと言わせてやるぞ。

 教師の一方的な説明なのだが、子どもたちは真剣に聞いていた。特に、桃太郎の話を誰が語るかで全く違った話になるのは面白かったようだ。

 そこで、次のように語った。
 「写真は好きなものを選びなさい。昨日、書いた「あらすじ」のワークシートを見てもいいし、見なくてもいいです。好きなように変えてもいいし、全然ちがった話に作りかえてもいいのです。」
 「原稿用紙は1枚にします。多すぎると読まないからです。どうしても入りきれない人は2枚書いてもいいです。」
 原稿用紙は24文字×24行の特製原稿用紙(monogatari_genkouyoushi)をA4の紙に印刷して使う。小型ながら文字数は多い。
 1枚に限定すると、子どもたちは安心した。といっても、普通に書けば1枚では入りきれないので、多くの子どもたちは2枚書くことになるだろう。

 不思議なもので、この指示を終えると、子どもたちはグループの中で一斉に話し合いはじめた。どれを書きたいかを話し合っているのである。当然ながら、同じ写真を二人が書いてもいいし、ばらばらでもよい。事前にあらすじを協同で話し合っているので、相談もしやすい。
 書くためのヒントとなる「あらすじのシート」もあるし、第1時に書いた「マインドマップ」もある。それらがあるので、全く書けない子どもはいなかった。
 書き始めは、わいわい話し合っていたが、だんだんと話し声はなくなっていった。授業後半は、一切話をせず集中して書いている。(つづく)「monogatari_genkouyoushi.pdf」をダウンロード

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2008年2月15日 (金)

5年 物語を作ろう 4

 平均値は必ずしも実態を表すものではない。
 それぞれの写真に対する感じ方を示したグラフをつくった。ネコやカマキリであったとしても「すごく物語を作りやすい」と感じている子もいる。ただ、「作りにくい」と感じている子どもが多いのである。
 そうなると、写真は個人によって感じ方が異なるので、写真の選定はあくまでも個にまかせた方がよいということになる。

 しかし、問題は、あらすじ作成の段階から個別作業に入らせると、話を考えられない子どもが出てくるということである。
 そこで、第2時では、「おおまかなすじを考える作業」を協同で行うことにした。
 「物語のおおまかなすじを考えよう」のワークシート(5nen_oomakanasji)を配布する。画用紙に書かれた言葉を見ながら「登場人物」を話し合って記入するように告げた。
 ここでは「桜の木」「カマキリ」などではなく、どのような人物なのかを想像させるのがポイントとなる。たとえば「人間の言葉が分かる桜」「やさしいカマキリ」という感じである。
 そのあと「時代や場所」「出来事や事件」なども記入させる。
 時間は5分しかとらない。4枚それぞれの設定を5分で記入していくためには、積極的に話しあわなくてはならない。

 一通り設定が決まったら、その設定にあわせて「物語のイメージ」を記入するように告げた。ここでは単純な方がいい。たとえば「やさしいカマキリがバッタを食べることができず、自分が死んでしまうという悲しい話」といった具合だ。とりあえず「楽しい話」なのか「こわい話」なのか「悲しい話」なのか、といった物語全体のイメージを決定づけるものが必要になる。

 この後、起承転結の説明を簡単に行った。「起」を書かせる。わずか3分。そのあと、ワークシートをぐるりと時計回りに回させた。つまり、「承」はとなりの子が書くのである。ここでも3分。続きを書くためには、グループ内で話し合わざるをえない。
 「ワークシートを回しなさい」と告げたとき、多くの子は驚いていた。そこで、このように告げた。

 「一人の人がずっと一つの話を書くと、同じような話になってしまうのです。考えもつかないような面白い話にするためには、他の人のアイデアをまぜた方がいいのです。ここで書いたあらすじをそのまま使うわけではありません。これは、あくまでも物語を考えるためのトレーニングなのです。安心して無責任に(笑)書きなさい。」

 その後は「転」も「結」も、ぐるりとワークシートを回しながら記入していく。そうすると、4人が4人とも4つの話にかかわることになる。
 なかなか、文章が思い浮かばない子には、他の子がアイデアを出している。それでいいのだと思う。
3分を4回続けて12分であらすじが完成する。
 思っても見なかった話の展開になっているものもある。当然ながら脈絡のない話になっているものもある。しかし、ここでのあらすじを、一つ一つ検討している時間的余裕はない。次の時間は、本番の作品を書くことになるのだ。(つづく)Graph
「5nen_oomakanasuji.pdf」をダウンロード

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2008年2月14日 (木)

5年 物語を作ろう 3

 第1時は、それぞれが鉛筆をもって画用紙の中に自由に言葉を書き入れていった。このようなときの話し合いは活発になる。
 第2時のはじめにアンケートをとった。
 「教科書の中のそれぞれの写真を見て、『物語が思い浮かびやすい』と思いますか。」という設問に対して6件法で回答する。
1:ぜんぜんそう思わない。
2:かなり、そう思わない。
3:少し、そう思わない。
4:少し、そう思う。
5:かなり、そう思う。
6:すごくそう思う。

 興味深かったのは学級によって全体的な傾向が多少異なることだった。(今回は割愛するが。)

 有意差検定は行っていないが、それぞれの写真に対する子どもたちの感じ方の違いの傾向は分かる。(グラフ参照)
 「子ども」「桜の木」「サル」が比較的高い。「ネコ」「カマキリ」が比較的低い。やはり、写真の文脈が想像できる情報が写真の中に含まれているかどうかが大きいと言えそうだ。(つづく)

Mindmap
Monogatari

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2008年2月13日 (水)

5年 物語を作ろう 2

〜物語を作りやすい写真、作りにくい写真〜

 この単元では6つの写真を提示してある。
1、「青空と草原の広がる夏」と「雪に閉ざされた冬」の写真(夏と冬)
2、新幹線の前で立つ二人の子供(二人の子)
3、運動場にある桜の木(桜の木)
4、外国らしい場所にいるネコ(ネコ)
5、カマキリ(カマキリ)
6、河原で何かをしている二匹のサル(二匹のサル)

 第一時では、デジタル教科書を使って「二人の子」を拡大投影して、子どもたちに思いつく言葉を言わせた。子どもたちは、写真を読み取りながら意見を出し合った。
 4人グループの中で「新幹線でどこかに行くのだろう」「二人はおそろいの洋服なので兄弟なのだろう」といったことが話し合われる。
 黒板にマインドマップ風に意見を記していく。

 このような手順を見せた後、デジタル教科書を印刷したプリントを各グループに配布して次のように指示した。
「教科書の6つの写真から4枚を選んて、画用紙(B3)にはりなさい。1枚ずつ、みんなで話し合いながら思いつく言葉を書き込んでいきなさい。メンバー全員が鉛筆をもって同時に書き込んでいくのです。」
 こうすると、子どもたちは顔をつきあわせて話し合う。言葉は広がっていく。(ちなみに、ここまでは昨年度もスムーズにいった。問題はストーリーの作成だ。)

 子どもたちの会話の中で「カマキリは作りにくいね」という言葉が聞こえた。たしかに、「カマキリ」の写真はカマキリだけが拡大してあって背景はぼけている。カマキリだけは目立つのだが、どこにいて何をしているのかが分かりにくい。だから、「カマキリは作りにくい」という感想がもれたのだろう。
 例に示した「二人の子」は、その意味では二人の服装(オーバーオール、バンダナ、リュックサック)からも二人の関係や行動が推測できる。

 要は被写体の情報から写真の文脈が読み取れるかどうかの問題なのであろう。
 たとえば、ここに二枚の写真がある。左側の男の子の背景には何もない。顔も無表情である。一方、右側の写真では家族づれが公園などの場所に行っている様子がよく分かる。三人とも楽しそうな表情だ。また、手に持っている道具からこれから野球をしにいくことも想像できる。

 そう考えると、物語を作りやすい写真と作りにくい写真とがあるはずである。たった四時間の単元ではあるが、考えるべきことは多い。(つづく)

Shashin

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2008年2月 9日 (土)

5年 どんなとき、だれに 5

 単元全体が終わった。試行錯誤した単元だったので、来年度のための改善計画案を書いておこう。忘れないためである。全時間を通して敬語カードを使ったトレーニングを行う。
 4、5、6、の学習活動は、同僚の研究授業から学んだものである。

1●教科書p58を読んで、学習のねらいを確認する。
 ●デジタル教科書とワークシートで、1の文章を共通語に訂正する。
 ●教科書の2の文を読み、学んだことを発表する。
 ●3をさらにより表現にするにはどうしたらいいか考える。
 ●ていねい語を使って訂正する
 ●3の文を読み、学んだことを発表する。

2●3をさらにより表現にするにはどうしたらいいか考える。
 ●尊敬語、謙譲語、あらたまった言い方(漢語)を使って訂正する。
 ●1、2、3、4の印象の違いを発表する。
 ●教科書p65を書き直す。

3●北海道へ転校した友達と北海道観光局の職員の方へ次の手紙の内容を書くためにはどのようにすればいいか実際に書いてみて話し合う。
 「北海道の観光パンフレットを至急送ってほしい。後で返信用封筒を送る。」

4●北海道へ転校した友達と北海道観光局の職員の方へ次の手紙の内容を書くためにはどのようにすればいいか実際に書いてみて話し合う。
 「北海道の観光パンフレットが届いた。ありがとう。」

5●会話の場面を考える。1「子どもと大人編」
  「聞きたいことがあるんだけど。」と話しかける。

6●会話の場面を考える。2「身近な大人と初対面の大人編:あらたまった敬語表現」
  「○○先生、いらっしゃいますか。」と聞かれて「ちょっと、ここで待て」と答える。

7●会話の場面を考える。3「大人に対する態度編」
  「あっ、ごめん。」とあやまる。

8●教科書p67を読み掲示板に書いて伝える場合、口頭で伝える場合の違いを考える。

9●教科書p68を読み人物の関係が読み取れる言葉遣いを探す。

10●学習を振り返る作文を書く。

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2008年2月 7日 (木)

5年 どんなとき、だれに 4

 敬語カードは、繰り返し練習していると、だんだんと言えるようになってくるから面白い。 子どもたちは、楽しんでトレーニングをしている。1回1分30秒で交代して行うので、5分もあれば可能である。
 そこで、前回の敬語カードを改良した。(keigo_card2.pdf)
 しかも、数を20に増やした。
 敬語は、知っていれば使えるというわけではない。しかし、知らないと、「敬語で話そう」という意識もできない。
 子どもたちの自己評価カードの中に、「今まで敬語で話をしていたと思っていたけど、そうではないということが分かった。」という感想が多く見られた。

Keigoplay
「keigo_card2.pdf」をダウンロード

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2008年2月 4日 (月)

5年 どんなとき、だれに 3

 間違った表現を敬語になおすという活動を行った。
 昨年度作成したビデオ番組が、そのまま教材になる。
 たとえば、次の会話。

 先生「宿題を見せてください。」
 子供「あっ、ランドセルに入れっぱなしだった。ちょっと、待っとってください。」

「ちょっと、待っとってください。」を敬語になおすわけである。
 まず、各グループで話し合わせる。その後、各グループから一名が出て、教室前方で「実演」してみせるというものだ。

 多かったのは「しばらく、お待ちしてください。」という間違いである。
「お〜する」は謙譲語である。「お待ちする」「お話する」といった具合である。
 これを相手に使う場合は、「する」をつけてはならない。
 正解は、「しばらく、お待ちください。」となる。

 このようなグループで話し合う活動は面白い。

 問題は、実演する場合の「話し言葉」だけでは後から検討しにくいということである。話し言葉は残らない。誰がなんと言ったのかまでは覚えきれないからである。

 そこで代案としては、まず、各グループの各個人が用紙に自分の言葉で書くことを行う。ある子は「ちょっと、お待ちしてください。」と書くし、別の子は「しばらく、お待ちお願いします。」などと書くだろう。その用紙を見せ合いながらベストの案をグループで選ぶわけだ。
 そして、教室前方で実演する場合、その用紙を実物投影機で示しながら行う。
 すると、各グループで出された意見が、スクリーン上で残ることになるので、後からの検討が行いやすくなる。

 話し言葉だからこそ、検討するための「可視化」が必要なのである。

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2008年1月29日 (火)

5年 どんなとき、だれに 2

 「日常よく使われる敬語に慣れる」ためには、まず敬語を知らないとならない。ところが、大人も含めて、「敬語表現」というものをあらためて教えてもらったことがない。
 書籍で調べるという方法もあるが、それを授業中に全員の子どもたちが一度に行うのは不可能だ。むしろ、ここは正確に教えた方がよい。
 たとえば、「『食べる』は、尊敬語では『召し上がる』であり、謙譲語では『いただく』となる」といったことである。
 しかし、教師が一方的に教えてしまっては面白くない。

 そこで、同僚が、敬語をゲームで覚えるというアイデアを出した。カードの表に問題があり、裏側に答えがあるというものだ。

 たとえば、次のような問題である。
1、お客さんが来ました。(尊敬語に)
2、先生が食べました。(尊敬語に)
3、ここで待っててください。(尊敬語に)
4、先生、あの映画は見ましたか。(尊敬語に)
5、先生、この話は聞きましたか。(尊敬語に)
6、校長先生から賞状をもらいました。(けんじょう語に)
7、私が、そちらに行きます。(けんじょう語に)
8、先生、聞きたいことがあるんですが。(けんじょう語に)
9、お母さんが、あいさつします。(けんじょう語に)
10、昨日、手作りのケーキを食べました。(けんじょう語に)

 これらの答えは次のようになる。

1、お客様が、いらっしゃいました。
2、先生がめしあがりました。
3、ここでお待ちいただけませんでしょうか。
4、先生、あの映画はごらんになりましたか。
5、先生、この話はお聞きになりましたか。
6、校長先生から賞状をいただきました。
7、私が、そちらにまいります。(うかがいます。)
8、先生、おたずねしてもよろしいでしょうか。
9、母が、ごあいさつします。
10、昨日、手作りのケーキをいただきました。

 これを、表裏に印刷してカードをつくった。(keigocard)ペアになって、問題を出し合うというものである。(つづく)


「keigocard.pdf」をダウンロード

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2008年1月28日 (月)

5年 どんなとき、だれに 1

 5年生は、「どんなとき、だれに」という単元を学習している。
 目標は、「目的や場に応じて言葉遣いが変わることに興味をもち、さまざまな場面を想定して適切な言葉遣いを考えて話したり書いたりするとともに、生活に生かす意欲をもつ。」である。
 最初の2時間は、「宇宙人からメッセージ」という資料から入った。宇宙人であるピロル星人が日本人に向けて書いた手紙を推敲していくというものだ。方言から共通語へ、共通語からていねい語へ、ていねい語から尊敬語・謙譲語・漢語などの表現へと変わっていく。
 問題は、次の学習だ。大きく三つに分かれている。
 1、相手に応じてふさわしい表現を使って手紙を書く
 2、相手に応じた(友達の場合と先生の場合など)言葉遣いを練習する
 3、伝言で伝える場合と口頭で伝える場合の違いを考えて伝える

 学習指導要領を読むと次のように書いてある。
(ア)日常よく使われる敬語の使い方に慣れること
(イ)共通語と方言との違いを理解し、また、必要に応じて共通語で話すこと

 このようなことができるようになるためには、どのような学習活動が適切なのだろうか。(つづく)

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2008年1月25日 (金)

5年 「失敗」をめぐって 4

 「話し合う」単元は、全学年に配列されている。
 3年では、ポートボールのチーム名を決めるための話し合いが教材である。
 4年では、1年生への読み聞かせのための本を決めるための話し合い。
 5年では、「失敗」を出し合って、分類・整理して解決策を話し合う。
 6年では、学級文庫に漫画をおいてよいかどうかを討論する。
 学年の発達段階を考えて、このように配列されているのであろう。

 学習指導要領・高学年では、「計画的に話し合う」とされている。たしかに、分類・整理も討論も計画性が問われる。
 しかし、それも話題によるだろう。計画しやすい話題としにくい話題もある。わずか5時間の単元では、計画を立てるだけでもかなり難しい。ここは、むしろ計画的に話し合う体験を多くさせることで、実際に話し合うことができるようにした方がいいと判断した。
 だから、別のクラスの第4時では、話題と司会を変えて、2回のトレーニングを行った。

 第5時は、再度、失敗をめぐってという最初の話題にもどって話し合う。ここでは、フィッシュボールの手法を使って、ペアグループがもう一方の話し合い方を評価していった。
 評価項目は以下の4つにした。これくらいシンプルにしないと話し合いの内容を聞きながら評価することは難しい。
 ○すすんで発言している。
 ○分かりやすく述べている。
 ○人の意見に反応しながら聞いている。
 ○意見を整理しながら進行させている。

 教師も各グループを回りながら、個別に評価していく。

 そのときの学習シートを添付(5nennshippaimatome.pdf)。最後に学習のまとめを作文にして授業を終える。

Fishball
「5nennshippaimatome.pdf」をダウンロード

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2008年1月23日 (水)

5年 「失敗」をめぐって 3

第3時の概要は以下である。
(1)自己評価カードの評価
(2)口の体操
(3)問答ゲーム
 答えの理由を二つ述べるのが条件
(4)話し合いのトレーニング
 ここでは、以下の進め方をたしかめて、練習を行う。
  1:話し合いの進め方をたしかめる。
  2:具体例を集める
  3:具体例を分類・整理する
  4:分類されたものごとに、解決方法を考える

 トレーニングのテーマは以下である。
 「そうじについて。うまくいっていないことを減らすにはどうしたらいいだろう。」
 たとえば、時間に遅れたり、あとかたづけができていなかったりするという「掃除を行う上での日常の問題点」を減らすという話し合いである。
 この話し合いだけで15分はかかった。
 ここで、話し合ってみて難しかったところなどを話し合った。
(5)自己評価カードの記入

第4時
 指導書を見ると、話し合う順序を考えて計画を立てるように書いてあった。教科書の例文を見ると以下のようになっている。
 ○失敗を「成功のもと」にするには
 ○他人の失敗にやさしくなるには
 ○「失敗をおそれてはいけない」の「失敗」とは
 このテーマは難しすぎると判断した。大人でもこのテーマで話し合うとなるとかなり難航するだろう。

 指導書のテーマ例では以下だ。
 ○時間を上手に使って、好きなことをたっぷりする方法
 ○係活動を楽しくする方法
 ○友達と仲直りする方法
 そこで、これらのテーマで計画を立てる(話し合う手順を考える)ことにした。

 ところが、最初のクラスでは、この「計画を立てる」段階でかなりの時間を費やしてしまった。簡単にできると考えていたが誤算であった。
 まだ、この段階では、子どもたちはようやく話し合いの手順が分かったところなので、むしろ、その経験を増やすべきであった。(つづく)

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2008年1月14日 (月)

5年 「失敗」をめぐって 2

 「うまくいかなかった」「失敗した」という経験は,「どうすればいいのだろう」という意欲を引き出すことになる。
 前時では,CDで話し合いの様子を聞いたが,それでも理解しているところまではいかないだろう。
 第2時では次の流れで授業を進めた。
(1)自己評価カードの評価
 いつも行っている。優れた自己評価を読ませる。今回は,「それぞれの話し合い方そのものの長所と短所」を書いていた子がいたので,それを取りあげてほめた。子どもたちの意識は「話し合い方」にフォーカスされていくことになる。
(2)口の体操
 今回は,四字熟語30を一気に音読。
(3)問答ゲーム
 二人組になって,それぞれに質問をしあう。「雨は好きですか。」「きらいです。」「なぜですか。」「外で遊べないからです。」といった問いと答えを間髪を入れずに行っていく。3秒間,無言が続いたらアウト。
(4)教科書の音読
 デジタル教科書を使いながら,音読。話し合いの進め方を黒板にカードにまとめる。子どもたちは教科書に記入する。
1:話し合いの進め方をたしかめる。
2:具体例を集める
3:具体例を分類・整理する
4:分類されたものごとに、解決方法を考える
 ノートにまとめる作業は意外と時間がかかる。一人一人のノートをチェックして,簡単にA,AAなどの評価を行う。
(5)教師によるデモンストレーション
 これが,この授業の一番大切な部分である。司会を教師がやってみせる。CDだけではぴんとこないからである。不要の紙を小さく切った短冊を準備する。各班の代表4名を机に座らせる。教師も座る。
 「では,今から先生が話しを進めていきます。昨日の話し合いとどのように違うのか,よく観察しましょう。」と告げてスタート。他の子どもたちはまわりを取り囲んで見ている。
 「担任の先生を安心させるために,失敗を減らす工夫を考えましょう。まず,失敗の体験談を出して下さい。その後,それらを分類・整理して,それぞれの解決方法を出し合うことにします。いいですか?」
 あとは,子どもたちから出された失敗談を短冊にすばやくメモをしていっった。さらに,それを分類してまとめる。解決方法を出し合い,メモする。ここまでの話し合いが約10分間である。
 子どもたちは,「おーっ」とつぶやいていた。
 次の時間はこのような話し合いの仕方を練習することを告げて,「今日,学んだこと」を自己評価カードに書かせる。子どもたちが自己評価カードをちょうど書き終えた頃にチャイム。ここで授業終了である。

 本時のような授業は,「教科書の要点をまとめさせる」「教師がやってみせる」という「教師主導型」の典型である。しかし,このような「きちんと教える」授業も必要なのである。子どもの経験だけでは分からない知識は,教師ができるだけ分かりやすくして教えるべきだと思う。
 考えさせるべきは,この後の授業である。実際に,この話し合いの進め方で行うためには,それなりのトレーニングが必要になるからだ。何でも最初から考えさせればよいというわけではない。
 単元には指導時数というものがある。今回の単元はわずか5時間。その5時間の中で,何を教えて,何を考えさせるのか,そのような授業設計の視点が求められる。(つづく)
 

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2008年1月12日 (土)

5年 「失敗」をめぐって 1

 5年生の国語の単元に「『失敗』をめぐって」というものがある。「話し合いの目的や順序を確かめながら、話題に沿って話し合うことができる」ということがねらいである。5時間の授業だ。
 昨年度は、第1時にビデオを撮影した。自分たちの話し合いの実態を自分たち自身が知るためである。しかし、この方法だと時間がかかる。もっと効率的に行った方がよい。
 そこで、今年度は、次のような導入を行った。
 授業のねらいだけを告げて教科書も開けさせずに、次のテーマで自由に話し合わせたのである。
 「減らせる失敗はあるか。どうすれば減らせるか。」
 4人1チームである。1分程度話し合わせた後、一つの班の話し合いの仕方を、それ以外のチームが取り囲んで観察できるようにした。班は4つあるので、4回繰り返すことになる。このように、一つのチームの話し合いの様子を他のチームが観察することを、金魚鉢にたとえてフィッシュボールという。
 通常のチームは、「ぼくは○○という失敗をしたことがあります。だから、今度から○○に気をつけるといいと思います。」という具合に一人が「失敗例と解決方法」を同時に言うような発言になる。
 司会のいるチームは、一人の失敗例が出されたら、他のメンバーに解決方法を言うように促していた。
 チームによっては、ずっと無言の状態が続いているところもあった。

 このように「まず、話し合ってみてもうまくいかない」という体験が必要なのだと思う。子どもたちの意識は、「じゃあどうすればいいのだろう?」という気持ちが高まるからである。
 そこで、指導書の付録CDを聞かせた。そこでは、次のように計画的に話し合われていた。
1:話し合いの進め方をたしかめる。
2:具体例を集める
3:具体例を分類・整理する
4:分類されたものごとに、解決方法を考える
 子どもたちは、興味深くじっと聞いていた。「CDの話し合いは、きみたちの話し合いとどこが違いますか?班で話し合いなさい。」と尋ねると次のような答えがかえってきた。
○ CDでは、まず話し合いの進め方を決めている。
○ 例を出した後に、解決方法を考えてる。
○ 最後に、意見を整理している。
 最後に自己評価カードを記入させて、第1時を終了した。(つづく)

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2007年12月22日 (土)

5年 工夫して発信しよう 2

 「工夫して発信しよう」の単元は「目的に応じた伝え方を考えよう」という大単元の後半で設定されている。時間数は指導書では14時間である。1時間目から5時間目までで「ニュース番組作りの現場から」という説明文の読み取りにあてられて、6時間目から14時間目までの9時間でニュース番組をつくるようになっている。
 指導書の計画では、6・7時間目で、特集のテーマを話し合って企画書をつくることになる。さらに、8・9時間目で「ニュース番組作りの現場から」で学習した手順を確認して企画会議をすることになっている。
 問題は、10・11・12時間目のわずか3時間で取材、撮影、編集、原稿書きまでをやってしまうという設定だ。その後、計画では13時間目で情報の発信。14時間目で振り返りとなっている。

 小学生が、取材・撮影・編集・原稿書きをわずか3時間でやってしまうことは、おそらく不可能ではないのだろうか。大幅に指導計画を変えなければならないのだ。(つづく)

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2007年12月21日 (金)

5年 工夫して発信しよう

 5年の単元に「工夫して発信しよう」という単元がある。ニュース番組をつくるという単元である。ビデオの編集を伴うので教師にとってはハードルが高い。「うちの学校にはビデオカメラがない」という理由で実施しない教師もいるだろう。
 たしかに、ビデオカメラを子どもの人数分準備するのは難しい。1台か2台を休み時間などを使って撮影することしかできないだろう。また、マイクやヘッドフォン、三脚なども準備するとなると、それなりにコストもかかる。「うちの学校ではできない」と嘆く教師もいるはずだ。(私の学校では、ビデオカメラを5台、マイク5本、三脚5台、ヘッドフォン5個、準備している。いずれも研究助成金を使って購入したものである。)
 しかし、ビデオカメラではなくてもできるはずだ。デジタルカメラの動画機能を使うのである。ビデオカメラは安くても5万円から10万円はするだろう。デジタルカメラであれば、2万円から4万円程度で購入できる。そして、三脚なし、マイクなし、ヘッドフォンなしでやっていく。ビデオカメラ5台を準備することはできなくても、デジタルカメラ5台程度ならば学校でも準備できるはずだ。

 そこで、今回の授業では、ビデオカメラを使ったグループとデジタルカメラを使ったグループで分けて指導してみた。すると、国語の学習として成立させるための条件がいろいろと見えてきた。結論からいえば、デジタルカメラだけでも十分、授業はできるのである。(つづく)

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2007年12月 4日 (火)

4年 生活を見つめて(新) 4

 第2時
 子どもたちは教師や親から「子どもたちの何を知りたいのか」をたずねてきた。それをすぐにエクセルにまとめてグラフ化する。「このグラフから気づいたこと、分かったことを話しあいなさい。」と指示する。「うちの人は学校のことを、先生たちは家のことを知りたがっている」といった答えが返ってきた。
 「このグラフからプロジェクトチームで調べるテーマを決めなさい」と指示する。これは比較的簡単に決まった。「好きな食べ物」「一日の勉強時間」などである。
 そこで後半は予想を立てさせることにした。「どんな結果になるか、まずは話し合いなさい。それぞれが意見を言えたら、プリントに記入をしなさい。大切なことは、その理由を述べることです。」と指示。子どもたちが予想を考えている途中で第2時は終了した。Kekka1

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2007年12月 1日 (土)

自己評価を評価する 5

 自己評価において評価すべき記述を5つにまとめてみた。

1、自らの学びや気づきを明確にしている記述
  例:「ニュース原稿を書いてみて、文章を短くすることの大切さを学びました。」
2、自らの伸びを実感している記述
  例:「昨日よりも、話し合う力がつきました。」
3、自らの課題を明確にしている記述
  例:「時間を考えていなかったので、終わりませんでした。 次は時計を見ながらやりたいです。」
4、学習内容と生活経験とをむすびつけた記述
  例:「今まで何も考えずにテレビを見ていたけれど、この学習で見方が変わりました。」
5、友達からの学びを意識した記述
  例:「田中君が、いいねと言ってくれたので、話しやすくなりました。」

 子どもたちの自己評価の記述の中に上記のようなものがあれば、☆印をつけて返す。
 だが、一定の評価基準があるわけではない。いつも☆をとっている子どもでも、油断していると☆をとれないこともある。また、ふだん☆がとれない子どもでも、記述の中にいいところがあれば、○☆がとれるようにしている。つまり、マンネリ化しないようにしているわけである。
 特に、上記の「5」の記述は重要だ。こうし記述が増えてくると、人間関係が良好になっていく。

 要は、子どもたちが書いた自己評価を教師が評価することが重要なのである。自己評価を書かせっぱなしにしておいては、子どもたちの自己評価力は伸びない。

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2007年11月29日 (木)

4年 生活を見つめて(新)3

 第1時の導入
 はじめの学級では、教科書の音読から入った。それから、「何時頃、寝るか?」「すきなお笑い芸人はだれ?」などの簡単なアンケートをとって、調べて明らかにしていくことの面白さを伝えた。その後は、教科書を全て通読。最後に、資料「07hajimenoshitsumonshi」を配布した。この質問紙には、先生やうちの人への質問の方法が書いてあるので、その日の夜の課題とした。
 この流れだと、子どもたちは全文を通読しないとならない。これは、けっこう長いので授業が滞る。

 二つ目の学級では、いきなり「好きなまんが・アニメのキャラクターは?」という質問から投げかけた。子どもたちは、すぐにのってきた。「ドラえもん」や「ドラゴンボール」などが出されたので、挙手で人数を調べた。
 次に、参観に来ていた教頭先生に質問してもらった。「一日にどれくらいテレビゲームをしているか。」というものだ。挙手で調べたところ、案外と「それほどやらない」という答えが多い。(今の小学生は少し前ほどは、テレビゲームをやらなくなっている。これは事実のようだ。)教頭先生が「意外でした。」というコメントを述べた。
 そして教科書を2頁だけ音読。課題設定のアイデアを出すところだけだ。3人グループになってリレー音読の練習である。
 最後に、資料「07hajimenoshitsumonshi」を配布して、質問のしかたを練習した。これで授業を終えた。
 大きく三つの活動に組み替えてみたが、こちらの方が子どもたちの反応が良かった。

 なお、二つめの学級は、チーム編成(3人)を私が学級担任と相談して決めた。授業の途中で「プロジェクトチームを発表します。」と告げて行った。子どもたちには、次のように告げた。
 「プロジェクトチームとは、何かの目標を達成させるために特別に編成されたチームです。今回は、先生が調査会社の社長です。君たちは、調査チームなのです。社長からの命令で目標を達成させなくてはなりません。3人で大きな山を登るようなものです、途中で、うまくいかなかったり、けんかしたりするかもしれません。でも、それに負けずに、乗り越えてください。苦労して山にたどりついたとき、きっと力がついているはずです。」

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2007年11月26日 (月)

4年 生活を見つめて(新)2

21枚の資料
 ワークシートなどの資料を整理したら全部で21枚もあった。
 役立つかどうかは分からないが、全てアップさせていただく。
 ワークシートには、授業者が子どもたちに考えさせたい意図があらわれてくる。

01jugyou kiroku
これは、昨年度の「生活を見つめて」のブログに記録したものに加筆したもの。これを読めば、授業の流れが分かる。
02shidoukeikaku
学級担任に計画を知らせるために作成したもの。
03jizenchousa
授業をはじめる前に、子どもたちがどの程度グラフを読み取れるか調べたもの。
04hyoukakijun
評価基準表。B5の大きさに切って、B4用紙の左側において印刷。子どもに配布する。
05jikohyouka_card_A
自己評価カードAタイプ。B5の大きさに切って、B4用紙の右側において印刷。今年度前半まで使用していた。
06jikohyouka_card_B
自己評価カードBタイプ。Aタイプでは入りきれなくて改良したもの。今年度後半から使用。
07hajienoshitumonshi
はじめの質問紙。第1時が終わって、子どもたちが教師や保護者に質問するための用紙。
08yosousheet
結果を予想するための用紙。まず個人が記入する。書き方の型まで指定してある。
09enquiteyoushi
アンケートをつくるための用紙。質問は一つ。回答も一つ。選択肢で行う。B6の紙を4つまとめてB4の紙に印刷して配布。記入してもらった後に、回収して4つに切る。
10shuukeiyoushiA
集計用紙A。アンケート用紙を学年別に集計する用紙。「正」を書き込んでいく。
11shuukeiyoushiB
集計用紙B。集計用紙Aを全学年にまとめて一覧表にする。数字を書き込んでいく。
12graphyoushi
グラフ用紙。うすい青色で線を書いてある。子どもたち一人一枚ずつ配布した。めんどうだが、カラープリンタで一枚一枚印刷するためのもの。
13graphmihon
グラフの書き方の見本。各グループに一枚ずつ配布。カラープリンタで印刷。
14graphmihon
グラフをプロジェクターで提示するためのもの。子どもたちに配布したものよりも、線の色を濃くしてある。そうしないと投影したときに青い線が見えないからだ。
15saranishiraberu
さらに調べるための質問紙。付箋紙で「分かったこと・気づいたこと」「疑問に思うこと・さらに調べたいこと」を記入した後、再度調べるために準備する用紙。
16kojinnoshitagaki
個人の下書き用紙。すべての資料を見ながら、子どもたちが個人で報告書を書くための下書き。この作業が一番大変だが、とても重要。がんばりどころだ。
17houkokusho
報告書作成のための用紙。青い線で原稿枠を作成している。めんどうだが、カラープリンタで印刷する。一枚一枚配布。右側が下書き。左側が清書になっている。印刷機にかけると青い線が消える。
18houkokushodaishi
報告書の台紙。A3に拡大コピーして各班に一枚ずつ配布する。グラフは縮小コピー。清書はそのままはりつける。そしてB4用紙に印刷。
19hogosha
報告書を読んでもらって保護者に感想を書いてもらうための用紙。これが極めて重要。保護者全員からコメントをいただいて、とても感激した。
20furikaeri
最後の振り返りのためのシート。自己評価カードを見ながら子どもたちが記入する。
21jigochousa
授業の最後の最後で記入。事前調査とどのように変化があったのかを調べるための用紙。


「01jugyoukiroku.pdf」をダウンロード

「02shidoukeikaku.pdf」をダウンロード

「03jizenchousa.pdf」をダウンロード

「04hyoukakijun.pdf」をダウンロード

「05jikohyouka_card_A.pdf」をダウンロード

「06jikohyouka_card_B.pdf」をダウンロード

「07hajimenoshitsumon.pdf」をダウンロード

「08yosousheet.pdf」をダウンロード

「09enquiteyoushi.pdf」をダウンロード

「10shuukeiyoushiA.pdf」をダウンロード

「11shuukeiyoushiB.pdf」をダウンロード

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「13graphmihon.pdf」をダウンロード

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2007年11月21日 (水)

4年 生活を見つめて(新)1

 11月16日17日は千葉で教育工学協議会の全国大会が行われた。全国から様々な発表が行われて、非常に刺激を受けた。
 私自身は、「国語科におけるPISA型読解力向上のための授業設計」という研究テーマで発表させていただいた。レジュメの内容は平成18年度の実践だが、発表では本年度の一つの学級における実践を報告した。実際に子どもたちの変容を数値データとして示す必要があったからだ。
 数字データとして出したのは、以下の三つである
調査1:グラフの読み取り・事前と事後の比較
調査2:各学習過程の学習者の意識の推移
調査3:単元終了時の学習者の自己の学習への評価
 調査の三つとも、極めて効果が高いことを示すことができた。
 しかし、課題も出てきた。その課題を解決するために、11月後半からの授業実践(残り二学級)に取り組む予定である。国語科専科をやっていると、同じ単元を何度も繰り返し、別の学級で改良を行いながら授業を行うことができる。これがメリットである。
「JAET07_maedayasuhiro.pdf」をダウンロード

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2007年11月13日 (火)

自己評価を評価する 4

 5年説明文教材「ニュース番組作りの現場から」での授業である。次の自己評価も目についた。
**********************
 取材して分かったことを三人で話し合いながら書きました。そして、分かったことがたくさんありました。それは話し合うことの大切さです。わたしは、どんどん自分の意見を言って、人の意見を聞いていませんでした。だから、人の意見を聞かずに自分を中心にまとめていました。でも、今度は人の意見を聞いて自分の意見を言えるといいなあと思いました。次は三人でどんどんまとめていきたいです。(5年生)
**********************
 こうした自己評価の文を読まさせた後、次のような話をする。
 話し合いのレベル
レベル0:自分の意見を言わない
レベル1:自分の意見を言う
レベル2:友だちの意見を引き出す
 つまり、自分の意見を言うだけでは不十分であり、友達から意見を引き出すことは、さらに上のレベルであるということである。

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2007年11月 8日 (木)

自己評価を評価する 3

 「もう一人の自分」という言葉が、今度は考えるためのキーワードになってくるので面白い。次のようなコメントも高く評価する。
**********************
 今日は、7と8の内容を読み取るということを学びました。昨日よりもたくさん意見が出てうれしかったです。もう一人の自分が出て来たのかなあと自分でも思いました。でも、まだ足りないところがあるので、たくさん勉強して、考える力だけじゃなく、自分自身も成長していきたいです。(4年生)
**********************
 「自分の成長」ということを意識している。自分自身を客観的に見られるようになってきた証拠であろう。(つづく)

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2007年11月 7日 (水)

自己評価を評価する 2

 次のようなコメントも高く評価する。
**********************
 今日、話し合いで意見は言えたけど、ぼくだけしか言っていませんでした。考えてみれば、ぼくがいつもみんなの意見を聞かなくて一人だけで意見を言っているかもしれないと思いました。だから、次はぼくの意見を言う前にみんなの意見も聞いてあげたいです。(4年生)
**********************
 彼は、「自分だけが言いすぎたのではないか。」と反省点を出している。このコメントをとりあげた後に、黒板に図をかきながら、子どもたちに次の話をした。
**********************
 頭と心がだんだんと成長してくると、自分の中に「もう一人の自分」が出てきます。もう一人の自分は、自分に向かって「おまえの学習の仕方は、それでいいのか?」と反省をうながしたり、「なかなか力がついてきたぞ。もっと、がんばれ!」とはげましてくれたりします。自己評価とは、このようなことをやることなのです。
**********************
 こんな話を子どもたちは真剣に聞いている。(つづく)

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2007年11月 6日 (火)

自己評価を評価する 1

 授業の最後に、単純に自己評価をさせても自己評価力は高まらない。自己評価力を高めるためには、教師がかかわらなくてはならない。
 たとえば、以下のようなコメントは高く評価する。
**********************
 今日は、話し合えて意見も言うことができました。しかし、理由を言うことができませんでした。班の人たちは、理由も言ってくれて、とても分かりやすかったけど、私は理由が言えないから、ちゃんと伝わっているかなと思いました。次回は、理由も言って、班の人の意見もちゃんと聞きたいです。(4年生)
**********************
彼女は授業中での話し合いの場面を思い出して書いている。「理由も考えなさい。」という教師の指示に対して、うまく言えなかったことが反省点としてあげられている。そして、自分の学習をふりかえって、次の課題を見いだしている。私は、このようなコメントには☆をつけて、次の時間に全体の前で読ませることにしている。
 このように「自分の学習に対する反省と課題」を書けるようになることを教えていく。(つづく)

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2007年11月 4日 (日)

自己評価カードを新しくする

 私の授業では、子どもたちは毎時間、自己評価カードを書く。授業の終わりの3分間程度である。私は、それを読んでコメント欄にチェックを入れて、「よい自己評価の文」には☆をつけて返す。ただ、これだけの取組だが、効果は大きい。だんだんと、☆をとる子が増えてくる。さらに「よい自己評価の文」には☆を○で囲んだものをつける。子どもたちは「マルホシ」とよぶ。マルホシのついた子どもたちは、次の授業の最初に、その文章を全員に向かって読む。こうやって、全員の子どもたちが「よい自己評価」の文の書き方を学んでいくのである。
 ただ、一つ困ったことが生じていた。だんだんと子どもたちの書く文の量が多くなってくるのである。わくからはみ出して書いたり、ものすごく細かい文字で書くようになってきた。うれしい悲鳴である。そこで、自己評価カードを大幅に改良した。どれだけでも書けるようにしたのである。コメントしづらい弱点はあるが、子どもたちの「文章はみだし」は改善された。(jikohyouka_new.pdfを参照)

 問題は、教師が、どのような文章を「よい自己評価の文」として判断するか、ということだ。これが極めて重要なのである。プロジェクト型の協同学習における「自己評価の評価」は極めて重要な指導のポイントだと考えている。この点は次回に述べたい。(つづく)
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2007年10月27日 (土)

5年 人と「もの」とのつき合い方 8

 第13時は、自分の意見を作文にするための構成を考える時間となる。作文は、576文字が書ける特製の原稿用紙をつくった。(sakubun24_24)市販のものでは、400字しか入らないからである。
 まず、教科書の意見文を読む。
 子どもたちに「いくつの段落で書かれていますか。」「それぞれの段落には、どのようなことが書かれていましたか。」と発問した。
「自分で調べたことや友達の発表を聞いたりして考えたことを4つの組立にして作文にしましょう。」という課題を提示した。(しかし、考えてみれば、この課題は子どもたちにとっては本当に必然性がない。何のために誰に向かってという切実感が乏しいからである。)

 はじめのクラスでは、作文の組立のシート1を(kumitate1)を使った。大まかな構成を考えさせて、その後に肉付けをして、本番の作文にいくというパターンである。これはスムーズに書けていたが、本番の作文に「肉付け」の文章をそのまま書いて提出する子どもが続出した。
 そこで、2番目のクラスでは、組立シート2(kumitate2)大まかな構成のみを考えさせたあと、本番の作文を書かせるパターンで行った。これだと、逆に書きにくくなった。構成があまりにも大きすぎるからである。
 3番目のクラスでは、さらに改良して組立シート3(kumitate3)を使った。構成の内容をある程度分かるようにしたものである。すると、今度は、この「教科書の例」にひっぱられて、「昔とは生活のしかたが違ってきている」という結論を書いてくる子が多くなってしまった。

 たかが、作文の構成なのだが、シート一つで全く違った授業展開になる。三つのクラスで、もっともスムーズにいったのは、1番目のクラスであった。
 ただ、この手の意見文では、ある程度の型がないと意見を構成して書けないのではないだろうか。大人でも難しい。たとえば、以下のように、接続語を使った型を示すと書きやすいはずだ。
*************************
1、(一般的なごみ問題)
2、「たしかに」(調べたことを元にして考えてみる。)
3、「しかし」(問題となっていく原因を考えてみる。)
4、「だから」(自分の意見としての結論を述べる。)

具体例はこうだ。
 私たちのまわりにはごみが増えているという。ものを大切にしない人が多いからだという。物が豊かになっていったからだろう。
 たしかに、私の学校では鉛筆や消しゴムの落とし物でいっぱいである。約100本の鉛筆がそのままになっていた。なげかわしいと思う。どうして、落としても平気なのだろうか。
 しかし、自分自身はどうなのだろう。そう考えて、筆箱を見てみると、名前の書いてある鉛筆は2本だけだった。あとの道具には全く名前を書いていない。自分もまた物を大切にしていないことに気づいた。
 だから、落とし物が多いということを嘆く前に、まず自分自身の生活をあらためたいと思う。鉛筆には一本一本名前を書きたいと思うし、名前シールなどを使って定規や消しゴムにも名前をつけていきたい。そういう小さな行動が、ごみ問題を解決していく第一歩になるのではないだろうか。
(つづく)
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2007年10月22日 (月)

5年 人と「もの」とのつき合い方 7

 第11時と第12時はプレゼンテーションの本番である。子どもたちは、プレゼンテーションを上手に行うことに意識が向いているが、授業のめあてはそうではない。
 まず、教科書を読ませた。「聞きながらメモをとることが」記されている。つまり、「聞くこと」が授業のめあてとなるのである。
 「考えながら聞く」と板書して、次のように説明する。
 「今日のめあては、『考えながら聞く』ということです。発表を聞いて『ふーん』とか『へー』と思ったとしても、それは考えていることにはなりません。たとえば、鉛筆の落とし物が多いという発表を聞いて、『なぜ、鉛筆の落とし物が多いのだろう』『自分は鉛筆の落とし物をしていないだろうか』『鉛筆の落とし物を減らすにはどうしたらいいだろう』などと考えながら聞くことが、今日の学習です。」
 子どもたちはうなずきながら聞いている。
 
 聞き方は、クラスによって変えた。はじめのクラスでは、聞きながら4人でマッピングを行う方法でやった。この方法は、それなりに考えたことが視覚化されて共有されるというメリットはあるが、それぞれの子どもの書く量に差が生じてしまう。
 次の二つのクラスでは、聞き取りメモ(kikitori.pdf)をそれぞれに配って行った。この方法だけだと、書ける子どもと書けない子どもが出てくる。そこで、書く前にグループ内で、一言ずつ考えたことを言わせるようにした。すると、「聞いて話し合って書く」という一連の流れになる。しかも、子どもたち一人一人が考えたことがシートに残るので、個別の評価にも役立つ。(つづく)Happyou
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2007年10月21日 (日)

5年 人と「もの」とのつき合い方 6

 第10時では、プレゼンテーションの練習を行った。
 ここでは、大きな反省点がある。第9時で資料作成が終わっていなかった班が、そのしあげに時間がかかってしまったことである。すぐに終わるだろうと考えていた私に責任がある。だから、プレゼンの練習をやっている班と資料を作成している班とに分かれてしまった。前時に資料作成が終わっていなかった班は、休み時間などによんでしあげさせておくべきであった。これは今後の大きな反省点として記録しておこう。

 プレゼンテーションの評価は、チェック表を使って行った、これも反省点がある。最初に作成したチェック表(presen.pdf)は評価項目が6つもある。「分かりやすさ」「話の順番」「写真や図」、「声のはり」「アイコンタクト」「身ぶりや手ぶり」である。はじめの3項目は、班単位でチェックする項目であり、あとの3項目は個人のチェックだ。これでは、子どもたちは混乱してしまう。この段階での練習は、「話し方」にしぼりこむべきであった。
 そこで、かなりシンプルになおしたチェック表(presen_kaizen.pdf)を作成した。チェックする項目は「話し方」のみである。「声のはり」「アイコンタクト」「身ぶりや手ぶり」の三つである。

 授業のはじめに、私が話し方の3点について説明する。また実際にやってみせた。子どもたちにとっては、はじめてのコンピュータによるプレゼンテーションである。話し方の3つだけでも、かなりの練習を必要とする。特にアイコンタクトは、原稿をある程度覚えていないとできない。
 授業最初の15分間は、班の中で互いに練習をする時間をもうけた。ここでは、子どもたちがチェック表の項目を確認して練習をしていく。
 次に、二つのグループをペアにして向かい合って練習する時間をもうけた。このときに、子どもたちは、自分のチェック表をペアグループの一人にわたす。わたされた相手は、本人の話し方をチェックするわけである。これを何度か繰り返すと、次第に話し方が上手になっていく。
 子どもたちの自己評価カードには、「自分ではけっこう上手にできたと思っていても、友達からのチェックにはBやCがついていた。友達からアドバイスをもらうことが大事だということが分かった。」という文章がいくつかあった。(つづく)
 Presen_renshuu
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2007年10月16日 (火)

5年 人と「もの」とのつき合い方 5

 第8時と第9時は、コンピュータを使ってプレゼンテーションの資料を作成する。
 4人で6枚のスライドを作成するので、前半3枚後半3枚を2人ずつでつくることにした。2時間あれば、ほぼ完成する。
 写真は、第2時で撮影した写真をどんどん使えるようにした。醤油瓶や竹の皮などの「昔の入れ物」などは、インターネットの画像検索で入手した写真を使ってもよいことにした。(時間があれば、実物を手に入れたいところだ。)
 子どもたちの自己評価カードの中には「パソコンは楽しそうだと思ったが、やってみるとけっこう大変だった。どの写真を入れればいいのか、言葉をどのように短く入れればいいのか悩んだ。」というものがあった。
 子どもたちはパソコンの操作にはすぐに慣れてしまう。慣れた後は、その内容に向かうのである。(つづく)

 Computer

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2007年10月14日 (日)

5年 人と「もの」とのつき合い方4

 第6時と第7時は、子どもたちが発表のための構成を考える時間にした。
 今回の発表はコンピュータを使ったプレゼンテーションである。熊本市内の全ての小学校にはハイパーキューブ2が入っているのでそれを使う。子どもたちが撮影してきた写真を拡大して投影できるからである。また、紙のプレゼンデータは案外と作成に時間がかかる。コンピュータの方が時間がかからない。

 まず、私は発表する目的について述べることにした。
「みなさんは、グループごとによく調べました。でも、このままでは調べたことはそのグループにしか分かりません。そこで、お互い発表して調べたことをみんなで知り合うと役立ちします。このことを『共有する』といいます。調べた情報をみんなで共有するために発表をするのです。そのためには調べたことを相手に分かりやすく伝えなければなりません。そのことを英語でプレゼンテーションといいます。」
 次にプレゼンテーションのモデルをやって見せた。子どもたちにイメージをもたせるためである。スライドは6枚にしぼった。流れは以下のようにした。ハイパーキューブ2の「○○調べのストーリー」に合わせたためである。
1)調べたテーマ・メンバー
2)結論(テーマに対する答え)
3)調べた理由と方法
4)分かったこと1
5)分かったこと2
6)考えたこと
 まず、B3の画用紙を配布しした。黄色の付箋紙と青色の付箋紙をはりながら内容を考えさせるためである。黄色の付箋紙はスライドの画面そのものの下書き。青色の付箋紙は言葉による説明の原稿である。黄色の付箋紙を6枚縦にならべて、その横に青色の付箋紙をならべる。青色の付箋紙は加えてもよいことにした。
 また、スライド作成の見本をプリントして配布することにした。(PDFファイル「5nen_presentation.pdf」を参照)
 子どもたちが頭をひねったのは、最後の「考えたこと」である。ややもすれば、いきなり「落とし物を減らす方法」といった解決策を書いてしまう。「調べてみて感じたことや疑問に思ったことをそのまま素直に書いていいんだよ。また、そうなった原因や理由を考えることもいいのです。このことを『考察』というのです。」と説明した。

 私は国語の時間に付箋紙をよく使わせる。協同作業では分担して書くことができるので極めて便利である。しかも、並べかえや入れ替えも自由にできる。
 この下書きの作業に2時間を使った。次の時間はコンピュータで資料を作成することになる。(つづく)Fusen
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2007年10月13日 (土)

5年 人と「もの」とのつき合い方3

 第4時と5時は、調べる活動の時間である。
 私がこだわったところは、この学習は「環境学習」ではないということである。これを環境の学習にしてしまうと、調べるだけでもかなりの時間を要する。指導書では「調べる活動」は2時間だけである。これだけの時間では、リサイクルなどの大きな課題が調べられるわけがない。うんとしぼるべきなのである。

 あるグループは「なぜ、なくした物をひろいにこないのか。」という課題をつくって「鉛筆をおとしたときの行動」を調べていた。「鉛筆をおとしたとき、どうしますか?」「鉛筆をなくしたとき、どんな気持ちになりますか?」という設問をもうけて1年生から6年生までアンケート用紙を作成した。これだけで1時間である。そして次の1時間で集計をする。おもしろかったのは「鉛筆をおとしたら、見つかるまでさがす」と答えた子どもは1年生が多くて6年生が少ないということだ。6年生は「鉛筆をおとしたら、さがして見つからなければあきらめる。」と答えた子どもが多いのである。
 また、他のグループでは、図書室や理科室などの「落とし物入れ」を調べて写真を撮影して、何がどの程度落ちているのかを数えて集計を出してグラフにしていた。鉛筆が圧倒的に多いことが分かる。しかも、そのほとんどが名前が記入されていない。名前を書けばいいのに、書いていないのである。

 この程度の「調べる活動」であれば2時間で十分である。しかも「自分たち自身の問題」である。自らの体験や知識と合わせて考えるときに考えやすいはずだ。

 昨年度は「ペットボトルのリサイクル」や「家電品のリサイクル」などを調べていたが、結論は単純だった。「みんなでリサイクルをがんばりましょう。物を大切にしましょう。」である。調べる前から回答は出ているのである。
 しかし、「鉛筆の落とし物が多い」という事実から出発すると、ことはそう簡単ではない。鉛筆はリサイクルできない。定規もボールペンもハンカチも、落とし物はごみにしかならないのである。この事実を子どもたちはどう受け止めるのだろう。(つづく)Kadai1
Shuukei

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2007年10月10日 (水)

4年 「伝え合う」ということ 10

 間があいてしまったが、最後の授業のことを記録しておこう。いくつかの学級で行ってみて分かったことは、最後にもう一度「資料」を読ませるべきだということだ。感じ方が違っていることに子どもたちが気づくからである。
 発問はストレートに「『手と心で読む』をもう一度読みなおして、感じ方がどう変わったのかグループで話し合いなさい。」とする。話し合いの後に、意見を聞くと次のような意見が出された。
○ 点字があるというよろこびが分かった。
○ 目の不自由な人にとっては、字は読み書きできないけど、点字があることが分かった。
○ 点字が使えるからこそ良いことがある。
○ 苦労を乗り越えるとよいことがある。
○ 点字は大切だ。
 いずれも、肯定的に捉えている意見ばかりであった。
 ちょっと欲を出して「心で読むとは、どういうことか?」という発問も出したが、これは4年生には難しかった。
 最後に、「学習をふりかえって」という感想文を書かせて終了した。

 授業をふりかえってみて感じることは、4年5年6年に共通する「資料」の扱い方である。読み取りの教材ではないからこそ、最初と最後の資料からの感じ方の違いを言わせるべきなのだと思う。調べたり実際にやってみたりして感じたことがあるだろう。そのような体験がものの見方・感じ方を変えるはずだ。現在進行中の5年「人と『もの』の付き合い方」もきっと感じ方が変わるのではないだろうか。

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2007年10月 7日 (日)

5年 人と「もの」とのつき合い方 2

〜課題設定〜
 第3時:
 課題設定である。最も難しいところだ。
 まず、各グループが撮影してきた写真をグループごとに一覧印刷し、各グループに配布した。「まだ使えるのに、もったいないなと感じた物を2つから3つ選びなさい。」と指示した。
 その後、各グループの代表がスクリーンの横に立ってプロジェクターから投影された「物」の説明をする。「これは、体育館の横に落ちていたハンカチです。」「この鉛筆は、図書室の落とし物入れに入っていた物です。」といった説明を入れながら、次々に「物」が提示されていく。「撮影したごみのプレゼン」である。
 子どもたちに感想を聞いたところ、「どうして、みんな引き取りに来ないのだろう。」と言う。

 そこで課題設定に入った。
 はじめのクラスでは、マッピングを用いた。「真ん中に『まだ使えるのに、ごみになりそうな物』と書いて、疑問に思うことをまわりに書き出しなさい。」と告げた。この方法は、あまり良くなかった。子どもたちは、そのまわりに「えんぴつ」「たおる」などと書いてはいたものの課題にまではいたらなかった。そこで、教科書の課題の例を読ませることにした。その後、なんとか課題らしいものが出された。「ペットボトルの作り方とリサイクルの方法」といった環境学習タイプのものから、「落としものをした後の気持ちは?」といった自分たち自身に向けられたものまであった。

 2番目のクラスでは、「撮影したごみプレゼン」の後に、教科書の課題の例を音読させて課題に入った。はじめのクラスよりも課題らしいものが出された。しかし、「粗大ごみのリサイクル方法」といった大きすぎる課題もあった。

 3番目のクラスでは、「撮影したごみプレゼン」の後に再度「ごみ問題ってなあに」を読ませた。つまり、子どもたちは三回読んだことになる。ここが重要であることが分かった。自分たちが出した鉛筆などのごみの写真を見た後に、「ごみ問題ってなあに」を読むと、その感じ方が変わるである。その後、教科書の課題の例を音読させて課題に入った。この後の課題は、なかなか面白いものが出てきた。たとえば次のようなことだ。
○ 学校のどこに何がどれくらい落ちているのか。
○ 落とし物がふえた理由は何か。(先生方にインタビュー)
○ 落とした後に、子どもたちはどんな気持ちになるのか。(子どもたちにアンケート)
○ 昔は入れ物などはどうしていたのか。(おじいちゃんやおばあちゃんにアンケート)
 そのほとんどが、自分たちに向けられている。自分たちの課題となってきているのである。このような課題であれば、2時間もあればすぐに調べられるだろう。
 最後のクラスの子どもの自己評価カードにこのようなことが書いてあった。

 「はじめに教科書を読んだときと、撮影された写真を見た後に教科書を読んだときとでは、感じ方が何か変わった。」

 さらに面白くなってきた。(つづく)

 Hankachi
Otoshimono
Hokenshitsu

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5年 人と「もの」とのつき合い方 1

 5年生の「人と『もの』とのつき合い方」は今年度で3回目のチャレンジとなる。ごみ問題について考える単元である。2年前、子どもたちは、図書室やインターネットで調べたごみ問題について模造紙で発表を行った。私は釈然としなった。どうも「ごみ問題は大変です。みんなでリサイクルしましょう。」といった表面的な発表が多かったからだ。そこで昨年度は調べる対象を焦点化した。「ペットボトル」「びん」「かん」といった具合に物ごとにテーマを分けて調べさせたわけである。焦点化されたのはよかったが、子どもたちは「自分のこと」として考えているようではなかった。

 そこで、今年度は、かなり変更することにした。あくまでも「自分たちのこと」として考えさせるわけである。3つの学級で試行錯誤しながら取り組んだ結果、以下のプロセスで現在まで続いている。

第1時:
 デジタル教科書で「エベレスト山にあるごみ」を見せて感想を言わせる。「ごみがある」という意見から出発して
「世界最高峰の山なのに、なぜかごみがある。」「登山した人が捨てたのだろう。」「色々な国の空き缶がある。」といった意見が出た。私は「写真の見方」を評価していく。「今回は、このようなごみの問題について考える学習です。」と告げた。
 次に教科書を音読。資料「ごみ問題ってなあに」を読んで子どもたちは「はじめの感想」を書く。ここで、ほぼ45分間は終了。
この「はじめの感想