リアルで必然性のあるゴールは、極めて重要だ。子どもたちが学習をするための動機付けとなるばかりではなく、ゴールに到達した喜びが大きいからである。
小学生にとっては、外国語を学ぶ必然性は少ない。だから、低中学年ではゲーム等の「楽しい活動」によって「学ぶ意味」をもたせることになる。しかし、高学年ではゲームだけでは動機付けにはなりにくい。「外国語を学ぶ意味」が必要となってくる。そこで、国際交流と英語活動を連動させようと考えた。外国語を活用したコミュニケーションの「実の場」になりえるからである。
平成18年度は国際交流として二つのことを企画していた。一つは、7月に行われる「外国人留学生との交流会」。もう一つは、「中国の小学校との国際交流」であった。NHKには「外国人留学生との交流会」の方を取材してほしいということをお願いした。なぜならば、交流そのものをリアルタイムで撮影できるし、「学習してきた英語が通じた!」という達成感が得られやすいからである。
しかし、スケジュールの都合上「中国の小学校との国際交流」が取材の対象となった。英語でビデオレターを作成することが活動のゴールとなる。中国では、すでに小学校から英語教育がはじまっている。英語は、おたがいにとっての「外国語」となるのである。子どもたちが、自分たちで伝えたいことを考え、それを英語にしていくプロセスが学習となる。
子どもたちが自分のアイデアを生かしながらビデオの内容を考えるという「創造的な取組」も必要であるし、外国人との「リアルなコミュニケーションの場」も入れたい。また、自分たちはがんばったという「達成感」も持たせたい。そのような場が組み入れられるようにしていった。
「中国の子どもたちに送るビデオレターを作る」というゴールは、外国語を活用するという上ではリアルで必然性がある。これは、国語科の学習でも言えることだ。たとえば、今年度の国語科の学習では、以下のようなゴールを設定して取り組んだ。
○「うちの人たちに学校のよさを紹介するスライドショーをつくろう」(4年)
○「みんなで遊べる写真クイズを作ろう」(3年)
○「先生やうちの人に、今の子どもの様子を伝える『子ども白書』をつくろう」(4年)
○「学校をよくするためのテレビ番組をつくろう」(5年)
○「ユニバーサルデザインの視点で見て学んだことをスライドショーで大人に伝えよう」(6年)
といった取組は、すべて、リアルで必然性のあるゴールである。また、これらに共通することがある。それは、全て「何かを伝える」という目的をもったものであり、何らかのメディア(映像や報告書など)をつくる、という活動を伴ったものであるということだ。
「わくわく授業」の中では、前半はほとんど英語が出てこない。「伝える中身を考える」という場面では、日本語で行うからである。英語活動というよりは、思考するという国語の学習活動なのである。
さて、当日は、中国から送られてきたパンダのぬいぐるみとビデオレターを見せるところから出発した。実は、この「見る」という活動がけっこう大きな意味をもってくる。(つづく)
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